蓬の露二十年古酒


          丸西焼酎   曽於郡有明町蓬原1397−1 
                      Tel  0994−75−0111
          ゲットした日 : 平成13年3月22日 

  
蓬の露二十年古酒 
  3月20日の南日本新聞の新製品情報に200本限定「蓬の露二十年古酒」が紹介されていた。
  今まで私の芋焼酎古酒の記録は「酔十年」の10年であるので、これは大幅な新記録で好奇心が大いにかき立てられた。しかし値段が8,000円以上とのことだし、もし芋焼酎でなかったら・・・と逡巡していた。
  翌日意を決して販売元に電話をし、芋焼酎の長期貯蔵であることを確認の上注文した。 もちろん愚妻には内緒である。(^_^;)
  加世田の特約店は川畑の上東酒店とのことで、翌日入荷の連絡があり、早速購入した。ちなみに価格は1升ビン8,000円である。

  焼酎を手に取ってみると、20年の貯蔵の間に次々と天使に分け前を取られ、アルコール度数は32度になっている。また蔵元限定200本という事で栓には封がしてあり、弐拾四番というシリアルナンバーが記載されている。

  まず生で味わうためショットグラスに満たすと、上品で深く甘美な芳香が立ち上る。 味わいは奥行きがあり、なおかつまろやかさの極めと言おうか、芋焼酎の骨格をしっかり保ちながら、アルコールの角が全て取れたような芳醇さ滑らかさである。 後味は涼風が去ったような清々しさと共に、飲み続けたいという衝動を強く感じさせる。
  15度程度に割水したものに氷を浮かべて飲むと、芳醇かつ上品な甘味が引き立ち、アルコール飲料と言うことを忘れさせるような口当たりの良さである。
  割水したものを黒ヂョカで燗をすると、深淵な甘さとともに洗練されたまろやかさを併せ持つ極めて秀逸な味わいである。 料理漫画風に大げさに表現すると、柔らかく淡い甘味を伴う味わいが幾重にも折り重なり、口の中にも後味にも幸せのハーモニーを奏でているような気分、未体験ゾーンを突き抜けていくような旨さと言えようか。 兎にも角にも「わっぜうんめ!」と唸ってしまう。
  芋焼酎の長期貯蔵は蔵元にとってリスクも大きく、製品に対する深い愛着と情熱無しには為し得ない事であろう。 蔵元に大切の育まれ、20年の歳月を静かに呼吸してきたこの焼酎には、芋の風味を損なうことなく極めて高貴に昇華しているような気品を感じる。  8,000円と一般的焼酎の5倍弱の価格ではあるが、世間を騒がせているいわゆるプレミアム焼酎とは全く異なり、その価値を存分に実感できる極上の一滴であり、我々の蒸留酒は世界一、と誇れるような逸品である。


                      平成13年4月26日記載