無濾過純黒


          田村合名: 揖宿郡山川町成川7351−2
                   Tel 0993−34−0057
          ゲットした日 : 平成13年3月15日 

  
無濾過順黒  今の芋焼酎は原酒を濾過して貯蔵する。 濾過によりフーゼル油とか雑味成分が除かれるわけだが、同時に芋焼酎らしい味わいも喪失することになり、スッキリとしたいわゆる飲みやすい味わいの焼酎が出来上がることになる。
  この濾過作業は原酒を通過させるフィルターの枚数で大幅に味わいが異なり、杜氏さんの腕の見せ所となるらしい。
  昔の焼酎は最小限の濾過しかしていなかったので、澱が出て白く濁っていた。味の方は未成年だったので解らないが、いわゆる辛い焼酎が多かったのではないだろうか。
  焼酎応援ホームページを見ると、最近濾過を最小限にした焼酎が出回っているらしい。 この「無濾過純黒」もその一つであり、昔ながらの味わいを楽しみたくて、マルダイ酒店に取り寄せて貰った。
  店主の話によると冬の間は澱が出るが品質には影響ないとのことで、メーカー側もこのことでユーザーの理解が得られる様に腐心しているとのことである。 もっとも我々ネイティブ薩摩人は濁りのあるのが普通の焼酎と思っていたので、そう言った危惧なしにドンドン製品をアピールして欲しいと願っている。
  「無濾過純黒」はアルコール度数は38度とほぼ原酒に近いのに、価格は2,000円強とかなりコストパフォーマンスにも優れている。(^^)
  コップに移して色を観察してみたが、特に濁っている様子ではない。 上品で芳醇な芋焼酎の薫りが引き立つ。
  生で飲んでみると想像していた原酒の荒々しさは全くなく、まろやかな味わいである。 まったり感の中に上品な甘さがあり、凝縮した芋焼酎そのものの風味を感じる。
  水割りにしてみると軽やかな甘味が引き立ち、柔らかい味わいの中にもキレがある。後味に若干辛みが残るが、さほど気になるほどではない。 濃いめに割り水したものに氷を浮かべるとさらに飲みやすくなるのではと思われる。
  前日にアルコール度数15%に割り水したものを、黒ヂョカでやや熱めに燗して飲んでみると、上品な甘味とふくよかでまったりとしたコクのある味わいである。 温燗よりはやや熱燗の方がふくよかさは増すように感じる。 そして飲み進んで行けば行くほどふくよかさ、飲みやすさ及び軽快感が増す。 芋焼酎ふくよかさの極めとも言うべきか味わいか。 飲めば飲むほど味わい深くなる焼酎。 良いですね!

                      平成13年4月24日記載