我が家の近くにtotoを取り扱っているスーパーがある。初めてtotoに挑戦したとき、ビギナーズラックで１等４万５千円を当ててから、欠かさず購入しているが、それ以降はかすりもしない。 一億円が当たれば、笠沙か坊津当たりに囲炉裏と土間のある家を購入し、焼酎蔵を造り県下焼酎全銘柄を備蓄し、悠々自適の人生を送りたいという野望を持っているのであるが、お遊びで購入する程度では運は付いてこないみたいである。
話は大分逸れたが、totoを購入するとき必ず酒売場も覗くのだが、この「白金乃露」が１本だけ残っていた。加世田近辺でこの焼酎を見かけることは少ないので、かなり気になっていたのだが、愚妻の口撃を畏れ購入を躊躇っていた。
４〜５日程してスーパーの酒売場を覗くと、相変わらず１本だけぽつーんと残っているではないか。 これは買うべしとの啓示と理解しレジに運んだのである。
白金酒造の焼酎は全て石倉の中のカメで仕込まれているらしく（訂正：焼酎台帳管理人さんの情報によると、石蔵で作られる焼酎は「石蔵」だけで、「白金乃露」は道路を隔てて隣接する近代的工場で作られるらしい。１３年６月８日記）、昔からその高名は県下に轟いていたように思う。 最近では手作り焼酎「石蔵」が高い評価を得ているが、この「白金乃露」もレギュラー酒として根強い人気があるようである。
ラベルは緑色系統のトラディショナルな意匠で好感が持てる。
生で飲んでみると、独特の芳醇な薫りが引き立ち、重厚でしっかりとしたコクのある味わいである。 最近の焼酎には余り見られなくなったクセを若干感じるが、これが昔ながらの味わいと納得出来る。
ロックで飲んでみると、生で感じたコクはそのままに、溶けた水とアルコールとがぶつかり合うエグミはほとんど感じず、飲みやすさを増す。 ロック水割りでも旨い焼酎である。
５：５に割水して２日間程置いたものは、さらりとした口当たりでゴイゴイ飲めそうである。
割水したのを黒ヂョカで燗をつけると、スッキリとしたコクのある味わいの中に爽やかな甘さを隠し味として感じ、後味にふくよかさが残る。 しっかりとした骨格の辛口の焼酎と感じる。 やや温めの燗の方が味が生きるような気がする。
昔から鹿児島県人が愛した味わいの焼酎であり、どの様な飲み方でも美味しいが、やはり伝統的な飲み方のお湯割りがベストと感じる。
平成１３年５月３１日記載