角玉
(有)佐多宗二商店 揖宿郡頴娃町別府4910番地
Tel 0993−38−1121
ゲットした日 : 平成13年10月8日
「角玉」は佐多宗二商店の昔の主力銘柄である。 同社は以前「角玉」の特異な販売法で南薩地方酒販店の反感を買っていたとの噂であったが、主力銘柄を「晴耕雨読」にシフトすると共に販売方法も改め、今では最も良心的な蔵の一つとして我々焼酎ファンには認知されている。
現在手に入る「角玉」は「晴耕雨読」誕生以前に生産されたもので、佐多宗二商店での直接販売のみとなっている。 小生は10月8日に蔵見学の折(鹿児島焼酎巡礼ー佐多宗二商店)購入したが、一升瓶にして50本程しか残っていなかった。 聞けばタンクには原酒がまだ若干残っているそうである。 同社矢部さんの話では何時瓶詰めされたか解らないが、4〜5年以上前ではないかとのことであった。
アルコール濃度は25%。原料が唐芋と米であり、いわば「晴耕雨読」の原型とも言えよう。
生で飲んでみると、微芳香性でいわば長期貯蔵酒古酒の深みのあるまろやかな味わいと言えよう。 口に含んだ軽さと後味の爽快感故アルコール度数も全く気にならずこのままゴイゴイ飲めそうである。 これは心底旨い!
ロックにすると、冷えたためか生よりは甘みを強く感じる。
お湯割りにすると、あっさりし過ぎてやや物足りない。芋の主張がないように感じるが、後味に米のまろやかさが出るようである。 焼酎を初めて飲む方でも飲みやすいと感じるだろう。
あらかじめ5:5程度に割り水したものを燗付けすると、軽やかな味わいで、最初物足りなく感じるが、飲む程にジワジワと味わい深く旨くなる。不思議な味わいと言える。
芋焼酎と米焼酎の混合製品であるが、時間の経過がこの二つを弁証法的に止揚し、全く別の極めて秀逸な味わいに仕上げたと感じる。 この旨さをどの様に表現しようかと悩み苦しんでいるのだが、TV-CMのコピーで「旨さを語れば野暮になる(^。^;)」と言うのがあるが、まさしくその心境である。(^^ゞ) もっと正確に詳しく表現豊に知りたい方は江戸の焼酎評論家秘剣氏の焼酎寸言をご参照頂きたい。
芋焼酎古酒とは全く異質の味わい旨さを実感するには生で飲むのがベストであろう。
ショケ(肴)は漁師さんが沖造りした鰹の塩辛。 レモンやかぼすを絞って・・・クセのある味も焼酎にかかれば珠玉の美味に・・・(^^)
平成13年10月21日記載