黒こうじ仕込み南泉
上妻酒造(株) 熊毛郡南種子町中之上2480
Tel 09972−6−0012
ゲットした日 : 平成15年2月28日
今回も2月末から3月始めにあった種子島物産展に出展された焼酎の紹介である。 この焼酎は物産展初日に斥候に訪れた焼酎探索家Aptiva野郎さんが初対面した銘柄に感激し、速攻でゲットした後拙宅にご持参下さった物である。
最近は黒麹造り流行で「『南泉』お前もか!」と思わず声を出しそうになるが、まあ選択肢が広がることは良いことだし、あの地焼酎の鏡がどのように変化するかも興味津々で・・・。(^_^;)
和紙を思わせる薄いグレー地に銘柄名が墨書されただけのシンプルなラベルには、県本土の「黒」の与える硬質男性的なイメージとは異なり、柔らかく優しい島の人情が漂っているようである。 アルコール度数は25度。 一升瓶及び五合瓶がある。
生で飲んでみた。「南泉」らしい上質でフルーティーと形容したくなる芳香が立ち上がる。 口に含むと清冽な柔らかさと優しい甘さの第一撃に打ちのめされ、薫風のような爽快さに恍惚としてしまう。桃園の蜜酒の如き妖たる色気が漂い、無意識にゴイゴイ杯を重ねる危なさがある。
ロックにすると爽やかさの中にしっかりとコク深い芋の自己主張があり、薄まると飲み手の至適濃度に近づくのか、益々旨味飲み易さが増す。
5:5にあらかじめ割り水したものを燗付けすると、ふくよかで上品な甘さが際立つ。白麹に比べると若干硬質な後味が残響し、この製品のスパイスになっているようである。
ある特定の帯域を狙ったと言うよりも蔵の個性そのままに醸し出された自然体の味わいで、「南泉」同様飾り気が無くじつにうんまか焼酎である。
どのような飲み方でも美味しく楽しめ、そのいずれも秀逸で、一押しを決めるのは心苦しい限りなのだが、薩摩ジゴロの悲しい性は馬鹿の一つ覚えのようにお湯割り系統が一番と叫ぶ・・・。(^_^;)
平成15年6月3日記載