島黒 

                        
 四元酒造(株)   熊毛郡中種子町320番地
    Tel  09972−7−9015
      ゲットした日 : 平成15年3月1日
                     

島黒  各地で行われる物産展には蔵本さんが精力的に出向き、真摯に説明される為、ついつい鼻息が荒くなりがちだが、元々軽薄な財布の為、物欲及び男子の体面充足には厳しい制限がかかる。 そのため、人情の横溢した幾多の製品から1本を選び出すには、PCの如き正確な得失計算と情報の一言一句を見逃さない集中力が要求される。 しかしながら緊迫した局面になればなるほど、欲求錯綜、決断力鈍麻の金縛り状態に陥るのが我々凡人の常である。(^_^;)

  そんな優柔不断な苦境に、「これは島だけでしか流通しておらず、この物産展では特別に販売しております!(^^)」、なんて事を吹聴されたら速攻で鷲掴みとなるのが、主体性判断力の欠如を露呈するようでなんとも情けない。(^-^;) この「島黒」も鹿児島市内某デパート地下で行われた種子島物産展四元酒造のブースで試飲をやり倒した後、蔵元の甘言でゲットした焼酎である。 後日加世田市のマルダイ酒店を訪ねたらケースに陳列してあったが・・・。(-ー;) 酒造組合のホームページを観ると平成9年から発売とあるので、勝手に誤解していたのかも知れない。(^_^;)

  蘇鉄とやや細く柔らかい筆致で銘柄名が墨書されたラベルには、何かしら県本土の硬質な「黒」とは異なる雰囲気が漂よう。 また「島乃泉」の商標も記載され、代表銘柄の黒麹版であることを謳っている。 アルコール度数25度。一升瓶の他に五合瓶もある。

  生で飲んでみた。芋焼酎らしい甘美な薫りが何とも官能的である。口に含むと驚く程柔らかく優しい味わいに感じる。
  ロックにしてみた。冷えるとより一層甘みが際立ち、粘りのあるコクが舌背に絡みつくようである。
  割り水したものを燗付けすると、ふくよかで上品な甘さがグ〜ンと前面に押し出され、しみじみとうんまかと唸ってしまう。後味も芳醇で言葉を失ってしまう程。冷めるときの爽やかさもこれまた良い。

  決して綺麗な味ではない。 「島乃泉」同様、地の焼酎の持つ力強さ、濃厚さをいかんなく発揮した逸品である。 このような濃い焼酎の前では、解析的な味わい方を放棄し、只々忘我の境地でその存在感に浸りたいと考えるのは愚生だけだろうか?(#単にボキャ貧との指摘もありますが・・・(^_^; ) いや〜、まこてよか焼酎です。
  どのような飲み方でも美味しく、特にロックの甘みには目を見張らされたが、薩摩ジゴロの悲しい性かな、お湯割り系統を一押しとしたい。(^_^;)


                 平成15年5月19日記載