本垂角玉 

                        
 (有)佐多宗二商店  揖宿郡頴娃町別府4910番地
                      Tel  0993−38−1121
ゲットした日 : 平成14年4月25日
                     

本垂角玉    
  平成14年4月、佐多宗二商店地元限定販売の焼酎を売り出した。 同店はその昔、越中富山の置き薬に類似した訪問販売を行い、南薩地方の酒屋に抜き差しならぬ反感を持たれた経緯があるため、つい最近まで営業の方が筆舌に尽くし難いご苦労をされたと聞いた。 この反省より、地元に愛される焼酎造りに邁進するため、主として契約小売り店を通じての販売方針に改め、地元の酒屋とも正対し真摯な付き合いを再開しだしたのである。
  そして地元限定焼酎第1弾がこの「本垂角玉」である。 販売は地元頴娃町及び開聞町の酒屋限定となっている。 しかし、地元のみでは販売消費量に限りある為、鹿児島市コセド酒店宝納酒店及び加世田市マルダイ酒店でも取り扱っている。

  この焼酎は開聞町某病院における労働を終えた焼酎探索家Aptiva野郎さんが、頴娃町内に潜伏購入し、県都への帰途中に拙宅へ投下されたものである。

  ラベルには、写真ではハッキリしないが、洋上に浮かぶ夜の開聞岳が描かれている。 そして「蒸留の時出てくる『 初垂(はなたれ) 』(初留部分)と『末垂(すえだれ)』(最後に出てくる部分)の間の『中取り』、それが『本垂(ほんだれ)』です。昔『焼酎飲み(そつのん)』の間で親しまれてきた香気溢れる地焼酎です。」と銘柄名の由来が記載されている。 

  生で飲んでみると佐多商店の蔵特有の重厚で甘美な芳香が立ち昇ってくる。 条件反射的に南薩の光眩い蔵の情景を思い出してしまった。(^_^;) 口に含むと焼酎のエキスがほとばしるようなコク深く力強い味である。 
  ロックにすると柔らかさと甘味が増しより一層飲み易くなる。 清涼感溢れる味わいは夏のダイヤメ好適酎である。
  5:5程度に割り水したものを燗付けすると、コク、甘さ、ふくよかさ共申し分ない。 質実剛健で実に美味なのである。

  さすがに地元のソツノンゴロをターゲットにした焼酎だけあって感嘆すべきしっかりとした個性を持っている。 そしてどの様な飲み方でも十分に答えられるオールマイティーの実力派と言えよう。 お薦めの飲み方と問われれば、やはり薩摩ジゴロはお湯割り系統を一押しとしたい。


                          平成14年6月19日記載