(弧度法表記と度数表記の関係2010.5.16

 

 角度を表すのに,弧度法(rad ラジアン)表記と度数(° 度)の表記と2つの方法がある。

 高校生になると,それまで慣れ親しんだ度数表記を脱ぎ捨てて,ラジアン表記に進化していく。この辺で”よくわかんな〜い””意味わから〜ん””何で今更変えるの〜”っという,苦情が聞え始め,そして,数学がどうにも,”煙たく”なっていき,最終的には,どうでもいいや・・・が生まれる事はよくある。

 それではいかんのじゃ。

 では質問。「なぜ円の一周は360°なの?」

これに明快に答えると,度数表記よりもラジアン表記が意味あるものとして映ってくる。

 答 円の一回りを360度と決めた起源は古代バビロニアに次のような説がある。 BC2000年頃のバビロニアの暦は,30日を1ヶ月とし,1年は12ヶ月の360日を基準としていた。しかし,実際の1年は365日と少しあるため,月名と実際の季節とがしだいにあわなくなってくる。そのために適当な閏月をおいて調整していたが,重要なのは1年を360日としていたことである。バビロニア人は,天文学にも優れ,太陽は天球で自分の位置を毎日少しずつ移動し,1年間に天球を1周することを知っていた。そこで,太陽が1日に天球を移動する角度を1度とし,1周を360度としたという説がある。更に,バビロニアの60進方の伝統に従い,1度は60分,1分は60秒という単位系ができた。また,360は約数を多く持つために,2等分,3等分,4等分,5等分,6等分など容易にできるところも利点であった。

 つまり,天文学のような自然との対話から生まれたといって良いだろう。

 では,「なぜ円の一周を2πラジアンとしてるの?」

この質問の答えは,数学的に,円だけを(天文学や自然とは無縁に)追求した結果である。

 答 三角関数の根本は円にあり,円こそが三角関数なのであるから。sinθ=yと定義し,cosθ=xと定義する事は,円周上の位置は,角度と半径によって決定する。半径を1にしようが,5にしようが,8にしようが,それに応じて円周は×2π(直径×円周率ね!)と自動的に決まる。つまり,一回りを2π(=360°),半分をπ(=180°)とみなす事が自然となってくるわけである。(これには若干異論もある。π=3.14・・・は直径と円周との比を出しているため,”本来”は,半径と円周の比率である2π(=6.28・・・)を本当の”パイ”とすべきだという論議である。でも,もうここまでやっちゃってるから今更変えられんけどね。)ちなみに,ラジアンは「長さの比」でもあるので,数学においては単なる実数の無次元数として扱われることがあるよん。

前置きが長くなったが,

アニメとしては,2つ作成した。

よく使われる(よく出てくる)角度は,4分割シリーズと6分割シリーズである。

つまり,45°系の1/4 , 30°系の1/6 一目瞭然でしょ?

 

 

 

動きを見ると,180°とπの関係が分かってくる事と思う。

このラジアンの表記は,微分積分へとつながっていくのである。

理解していただけたかな?

サインカーブのこちらも参考にしてね

生徒に配布したプリント状のものはこちらからPDFでどうぞ