宝山 芋麹全量  


宝山芋麹全量
      西酒造  吹上町田尻680
      ゲットした日:平成11年12月吉日


  普通芋焼酎は米に麹菌を植え付けて、蒸した唐芋を発酵させた後、蒸留して出来るのであるが、この「宝山 芋麹全量」は米の代わりに、小さく切った唐芋に麹菌を植え付けて出来た、いわば唐芋だけで出来たユニークな焼酎である。出来た原酒は割水でアルコール度数を調整せず、そのまま出荷するため、アルコール度数は普通よりは若干高めの27度になっている。
  西酒造が芋麹の製品を生産する半年ほど前に、国分の酒造所が芋麹焼酎を発売したと新聞紙上に発表されており、非常に興味を持っていた。思わず注文しようかと思ったのだが、その当時家に沢山の1升瓶がゴロゴロしていたため、断念した経緯があった。そんな折り、友人のkさんが珍しい焼酎を見つけてきたと言って下さったのがこの「宝山 芋麹全量」である。なんか積年の念願が突然叶い、幸運の極めと言ったような感動を味わったのを覚えている。
  早速欲望の赴くまま飲んでみたのであるが、唐芋の持つ芳醇で甘味な薫りが濃厚に漂い、明らかに普通の芋焼酎より芋そのものの主張が強烈である。
  生で飲んでみると、甘味が際だっており口中に広がり、また後味としても確実に残る。氷を浮かべるとやや軽快な味わいになるようである。
  しかしながら、お湯割りにすると濃厚な甘味がより一層引き立ち過ぎ、かなり重たい味わいになってしまう。 
  かなり期待して飲んだのだが、残念ながら私の好みの焼酎には仕上がってはいなかったのであるが、この焼酎を飲んでいると、飲み手が芋そのものをどれほど受け止められるのか、芋に対する愛着がどれほど深いのかを逆に問われているような気がしてならない。
  芋焼酎の新しい可能性に勇気を持ってチャレンジしたことに拍手を送りたくなる。これからこの作品を礎にして、さらに飲みやすい芋全量の焼酎が開発されることを切に願っている。

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