あまみ長雲 

                        
(有)山田酒造   大島郡龍郷町大勝1373−ハ
Tel  0997−62−2109
ゲットした日 : 平成16年5月22日
                     

    
  山田酒造は一家4人で仕込む鹿児島の原風景とも言える家内工業的な焼酎蔵である。 所在地は奄美大島本島北部龍郷町。 ここは蘇鉄や芭蕉に覆われた山地と奄美クレーターの静かな入り江が特徴的であり、また西郷南洲謫居跡など我々薩摩人にとっても郷愁を掻き立てる史跡が残る美しき土地柄である。 未だ蔵を訪れたことはないが、この地に足を踏み入れた体験から(奄美大島旅行記 3日目)、何とも甘酸っぱいような風景が目の前に拡がるような眩しさを憶える。

  原色を配した鮮やかな抽象的なラベルは、南国の沸き立つ雲やコバルトブルーの海岸線を連想させるし、さらに銘柄名の由来「奄美自然観察の森」のある「長雲峠」から類推すると、青空に映える山並を表しているのかも知れない。 いずれにしても南国情緒が溢れる秀逸な外観である。 アルコール度数は黒糖焼酎スタンダードの30度。一升瓶の他にも五合瓶もあるはず。

  生で飲んでみた。黒糖焼酎独特の甘美で濃厚な香りが立ち上がる。口に含むと包み込むような甘味優しさと共に、揺るぎない力強さを感じる。 後味の余韻にもなかなか減衰しない強さがある。

  ロックにすると、当初は飲み易さが前面に出るが、一口飲み込むごとにコクが増すようである。 氷が溶けてもしっかりと味が残っている。

  お湯割りにしてみた。 当初身構えたギスギス感はなく、甘さがより一層引き立つ。 芋焼酎にはない煌めくような軽快感と柔らかさである。

  蔵是である「常圧蒸留で黒糖の特徴を最大限に引き出す」造りへの拘りは黒糖焼酎の本流とも言うべき骨太でがっしりとした味わいに見事に具現されている。
  どのような飲み方でも大満足の逸品であり、黒糖焼酎という概念からはロックを勧めるのが無難ではあるが、お湯割りでの湧き立つような甘さは一飲の価値あり。(^_^;)

                         平成16年9月14日記載