第17手 数倍効果の五感活用勉強法
目で見て声に出し,耳で聞いて書いて覚えよ


人間には「五感」というものがある。

「五感」とは
「目耳舌鼻皮膚を通して生じる五つの感覚」のことである。

目が感じるのを視覚
耳が感じるのを聴覚
舌は味覚
鼻は嗅覚(きゅうかく)
皮膚は触覚というのだ。
(まるで,理科の授業のようである。)



この「五感」は,アナタの
「脳」「神経」でつながっている。

それも想像もつかないくらい,チョー複雑に,チョー神秘的につながっているのだ。

 そして,目・耳・舌・鼻・皮膚でアナタが感じた様々な情報は
アナタの「脳みそ」を1秒間に何千回も刺激している。

だから
アナタにはモノが見えるし,聞こえるのだ。

今回は,この
「五感」をフルに活用した,より効率的な勉強の方法を紹介しよう。



その前に,ずっと前から「まくべん」が気にしていることがある。

諸君の授業を想像しての話だが
先生が「声に出して読んでください」と言っても,「声が小さい」のである。
中にはナゼか「声を出さない生徒」までいるから不思議である。


推測するに,きっとハズカシイのだろう。
メンドクサイのだろうと
自分勝手に結論を出している。
違った人はゴメンナサイである。
中にはカッコイイと真剣に考えて声に出さない人もいるかもしれない。


実はコレ,非常にモッタイナイことなのだ。

 どれくらいモッタイナイかと言うと
歩道に落ちている100万円を拾わないくらいモッタイナイのである。
拾ったら迷わず警察へ届けよう。
2割以下の謝礼を受け取る権利が発生する。
逆にネコババすると
犯罪者になってしまうので
注意が必要である。

おや?何の話だ?


というくらいモッタイナイ話である。



 賢明な「まくべん」読者は,覚えている思うが
海馬君は物忘れが激しい。
(「勉強法 第3手を見よ)

その海馬君に学習内容を覚えてもらうには
くりかえしくりかえし刺激を与えてなんとか覚えてもらおう
という努力が必要であった。


何か読む場合,目から海馬君へ刺激を送っているのである。

1回読むと1回刺激が送られることにしよう。

そこで,声に出して読むとどうなるか。
から同時に刺激が送られる。
これだけでも2回の刺激が送られたことになるのだが・・・
実はそれでは終わらない。

「声に出す」という活動は,
体中の様々な神経や筋肉を動かして初めてできる行動なのだ。


少なく見積もっても3倍以上の刺激が脳へ送られている。
1回の声を出した読みで3倍の効果があるのだ。



また,さらに敏感な身体の器官がある。

「手」だ。

手には,これまた想像を絶する数の
神経が集まっている。

おもしろい実験があるので試してもらいたい。

5円玉,10円玉,100円玉をポケットに入れ,
手触りだけで何円玉か当ててみるとよい。

結構当てられるものである。

次に,それを足の裏でやってみるのだ。
これはほとんど当てられない。


それほど多くの神経が集まった「手」を同時に使わないのはこれまたモッタイナイ。

歩道に落ちている100万円を・・・
(やめておこう・・・)

勉強で手は「書く」役割を分担している。

英単語などの暗記は,必ず手を同時に使うことだ。

単語を目で見て,声に出し,手で書けば
10倍以上の刺激が脳へ送られるのだ。


もちろん,それだけ早く正確に「記憶」できるようになる。

アナタの親や先生達が「書いて覚えろ」と言うのは
ズバリと科学的根拠があったのだ。



ちなみに,
「手」の次に敏感な器官は「舌」である。

声に出して覚えるのは効果的だというのが納得できる。

コインの実験で確かめてみてもよいのだが
コインには汚れやバイキンがウヨウヨしているので止めた方が賢明である。
「よい子のみんなはマネしないでね」である。

もっとも,本当によい子は最初からそんなことはしないのである。
マネして大騒ぎになるのは,だいたい「悪い子」なのである。
テレビでこんな表現を見るたびに,「まくべん」は一人で首をかしげている・・・
おや?何の話だ?



さあ,今日から
アナタの五感を総動員して勉強を始めよう。

きっと確かな手応えを感じるハズだ。

あれぇ?

鼻はどうやって活用するのだろう。


参考文献(順不同)
吉田たかよし 著
不可能を可能にする最強の勉強法 究極の鉄則編
PHP
ISBN4-569-62582-7 C0095
2003/4/2発行 1300円

池谷裕二 著
最新の脳科学が教える 高校生の勉強法
株式会社ナガセ●東進ブックス
ISBN4-89085-242-5 C 7037
2002/4/1発行 900円

  

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