2001年1月分

音楽雑記帳

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1月26日(金) モノマネの功罪(日本田舎論)

夜のお店にカラオケが登場した時点で、後にこれほどまで一般化することを予測しえた人がいたでしょうか。

幼い時からマイクを使って歌うのが普通という世の中になったので、大袈裟に言えば国民全体の歌唱力が底上げされたという功績は認めざるをえないと思います。

25日付の読売新聞で作曲家の池辺晋一郎氏が「複写」についての持論を述べていました。

読後に、私は私の邦楽嫌いの遠因がこのカラオケの普及にあるのではと考え始めました。

カラオケで、ある曲を歌う際に元々その歌を歌っていた人の歌い方を真似ると周囲にうけます。この行為は自分なりに歌いこなすのではなく歌手の個性の部分を「複写」しているのです。

私と同世代であるサザン・オール・スターズの桑田佳祐氏がこの様なモノマネ・カラオケ現象を最初に生じさせたアーティストではないかと思います。

彼自身は60年代の歌謡曲(内)と洋楽(外)を吸収し消化したうえで独自のスタイルを確立し、必然的にあの歌唱法を生み出したと考えています。

モノマネ・カラオケは「芸」としては面白おかしく楽しめますが、音楽的見地から見た時に価値があるとはとうてい思えません。

彼より後の世代の邦楽アーティスト達は時が経つにつれ外から新しい要素を導入せず内の要素だけを安易に用いるようになったと感じます。

日本があと追い文化ながらも独自性を保ってきたのは、常に外部の文化を自主的に取捨選択して取り込んでいたからでしょう。

内だけの拡大再生産を繰り返していれば自家中毒症におちいるのは当然です。

明治の頃は欧米に出向いて学び帰国してそれを国内で役立てていましたが、今や帰国子女がいじめにあうというご時世です。

どうやら現代の日本は島国根性の悪い面「ねたみ」一色になってしまったようです。

田舎の若者が都会に行ったきり帰ってこないことと、優秀な頭脳や才能が海外に流出してしまうことの原因の大元はこれだと思います。

つまり世界の中で日本は悪い意味での「田舎」になってしまったのです。

ちょっと大風呂敷になってしまいました。(^^;)

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1月20日(土) 映像作品で見たいんですけどぉ

pat methenyの新作が発売されたらすべて買うことにしています。

ファンなら当然知っているある1枚を除いて(笑)聴いた時に後悔するようなものはありませんでした。

ギタリストとしての彼は常に最高の演奏を聴かせてくれます。けれども私は彼のグループの独創的な音楽性にそれ以上の魅力を感じています。

さて最新盤の「TRIO→LIVE」でも彼のギターを楽しみました。

でも何かちょっとものたりないと感じてしまうのは演奏スタイルがいわゆる「もろジャズ」しているからかもしれません。

大昔のジャズ喫茶で会話が禁止されていたことを思い出してしまいました。

こういう作品こそ映像があった方がより堪能できると考えます。

彼の場合普通じゃないギターを色々弾きわけるのではえると思います。

そういえば彼がlinda manzerに依頼して特注で作ってもらったギターの名称が最初は「ピカソ・ギター」だったのに今はただの「42弦ギター」となっているのはなぜなんでしょうか。

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1月7日(日) 正月気分で衝動買い

新作が発売されるたびに、CD屋さんの店頭で買おうかどうか悩んでしまうバンドyesの映像作品をみつけてしまいました。

スタジオ録音の最新作は買うのを止めることに成功したのですが、正月の雰囲気についつい油断をして買ってしまいました。(^^;)

タイトルは「HOUSE OF YES」ですが別にハウスを演っているわけではありません。

新旧取り混ぜた楽曲で約2時間。あなたは耐えられるか?

私は耐えられました。悪くはないできだと思います。
ただだからと言って最新スタジオ録音盤を買おうとも思いませんでした。

「2001年宇宙の旅」のラスト・シーンに登場する老人のように老け込んでしまったスティーブ・ハウの容姿が痛々しいですが、今回はずっと立って演奏していたのがせめてもの救いでした。

それと音的にはドラムのアラン・ホワイトが全体の統率役を果たしているように感じられました。

新メンバーの2人もそこそこ面白いです。

輸入もののビデオだったので値段は3千円ちょっとでした。

この価格がリーズナブルだと考えるファンの方なら買いでしょう。(^^)

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