喜界島のオカヤドカリ:繁殖活動について


 喜界島のオカヤドカリは,6月から8月にかけて繁殖のために
下の図の●印の15箇所ほどの 海岸に集まってきます。

 大潮の時期が,最も活発に活動し,その頃の夕暮れ時から各海岸は,
オカヤドカリを 踏まずに波打ち際まで歩くことが難しいほどの
多くのオカヤドカリが集まります。






繁殖期の昼間のヤドカリ





 喜界島の海岸は隆起サンゴ礁で出来ているため,いたるところに小さなくぼみが あります。
そのようなところでは,昼間はヤドカリは下の写真のようにそのくぼみに入っています。

 砂浜で,放仔活動をするヤドカリは,昼間は砂浜のまわりの植物の下に隠れています。




繁殖期の夕方のヤドカリ





  この写真は,上の図(見にくいですが)のナガラという場所で,1997年6月29日に
 撮影したものです。写真上方の植物の下からはい出して,写真では左後方にある波打ち際まで,
 移動しているところです。



放仔直後のオカヤドカリ





  波打ち際までくると,雌は殻の中に海水を取り込み, 殻の中でふ化したゾエア幼生を,
 海水と一緒に殻から放出します。

  この写真の左下のヤドカリが放仔をし終えたばかりで,右上の茶色のもやもやしたものが,
 放出された数多くのゾエア幼生です。

  この次の瞬間には,波が来てゾエア幼生は,海に泳いでいきました。




交尾しているヤドカリ(?)





  放仔が終わった雌のヤドカリは,薮の中に帰る途中に雄につかまり,そこで交尾が
 行われているのではないかと言われています。


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