2002.3.30 熊本県大津町 大津運動公園

 長いオフが開けて、いよいよ今日から九州リ―グが開幕しました。と・・・まあ前置きはどうでもいいのです。とにかく楽しみだったリ―グが始まり、ヴォルカの公式戦も見られると。せっかく熊本に高速代払って宿泊費も出して行くのですから、おもいっきり楽しまなきゃ損です。応援を続けていると、なんだかそれが義務であるかのような錯覚に陥るのですが、そうではなく、あくまで楽しいから応援しているんですよね。それでいて「地元のチ―ムを盛り上げたい」という動機があるので、チ―ムのためになる事をしようとしているだけなのです。少し前にとある掲示板に「九州リ―グのサポ―タ―同士は仲が良いようだが、単なる馴れ合いじゃないか?そんな事ではチ―ムのためにもならないだろ?」って感じの書きこみがあって、その時は「ああそうなのかな。でもちょっとよくわかんないな」って漠然と感じたんですが、今は別の意見をもっています。
 とにかく、きっかけがあってサッカ―に興味が湧いたと。それでたまたま地元のトップチ−ムがアマチュアであり、ファンもあまりいないようだと。せっかくだから地元のチ―ムを応援したいのが人情というもの。同じ考えの方々にも出会えたし、みんなで応援することにしたと。すると他のチ―ムにもサポがおり、さまざまに工夫をこらした応援をしている。当然あれに負けない応援をしようぜとなるんですが、彼らやリ―グ関係者の話を聞いて実情を知ってくると彼らと自分達の「動機」「目的」はまったく同じだと言う事に気が付くのです。ようするに、サッカ―が好きであって地元のサッカ−熱を盛り上げたいという気持ちが共通している訳で、仮に自分が宮崎生まれだったら今頃は上から下まで赤尽くめの服で「頑張れろ〜く〜」などと叫びつつ下品な野次など飛ばしていたかもしれないのです。今九州リ―グの会場で応援をしている人々は色んな方が居ますが、それらの人々同士は住んでる場所が違うという事だけで、似たもの同士、あまり別に憎みあったりする理由が無いんですね。だから会場であったら「おう久しぶり。調子どう?」なんて感じになりますし、応援する人がいないチ―ムの試合をみんなで見ていて、試合内容が面白くってなんとなくみんなで応援しちゃった〜なんて事もあるんですよね。さらに「地元を盛り上げるって言ったって具体的に何すりゃいいんだろ」って疑問があれば話し合ってアイデアを出し合ったり体験談を聞いたりもすると。私はJリ―グのサポ―タ―活動は経験がありませんし、サッカ―ファン歴も浅く、知識もその辺歩いてるおばちゃんに毛が生えた程度なもんでなんだかよく解らないのですが、必ずしもサポ同士喧嘩腰でなくてはいけないとは思えません。

 はい、前置きはどうでもいいとか書きながらこんな長い前置き書いちゃいましたね。年を取ると説教臭くなるとかいいますが自分もその兆しがあらわれだしているのかもしれません。ああそうそう、今日私は誕生日だったんですよ。30になっちゃいました。20歳の誕生日の事は今でも覚えています。泊り込みの仕事で糞忙しい中、独り職場で迎えた誕生日だったんですよ。「ハッピバ−スデ―俺。30歳になった日は何してるのかな・・・頑張れ俺」なんて思っていたんですが、こんな事しちゃってるということですね。
 はい、話が脱線しまくりなので戻します。会場は去年も来た場所なので問題なし。当初はLove氏とUltra氏、私の3人で熊本市内に宿をとり、夜は「かりゆし戦大勝利祝勝会飲み会」をする予定だったのですが急きょLove氏が今夜は帰らないといけないという事になり、帰りのバスの時間もけっこうぎりぎりで微妙らしい、じゃそれ俺車だから送っていくよと、忙しそうなスケジュ―ルになりました。

 9時、熊本駅に到着。福岡から電車で来たLove氏を拾っていざ大津へ出発。1時間位で着くかな、第1試合はどっち見ようかな(10チ―ム計5試合が隣同士の会場で同時刻に別れて行われるのです)とか思っていると大津で大渋滞。まさかラモス効果なのか!駐車場とか満車になっちゃってるのか!九州リ―グに革命が起こったのか!と心配したのですが、なんのことはない、阿蘇へ行く人達の渋滞でした。大津運動公園内正面の駐車場はまだ2割位しか埋まっていません。「わ〜い僕余裕で止められちゃうぞ〜」と寂しい感覚を覚えながらそのへんをぶらぶら。球技場バックスタンド側の芝生に寝転がりながら2人談笑していると、メインスタンドでオレンジ色のユニフォ―ムの方々を発見。明らかに沖縄かりゆしFCのサポ―タ―の方々です。私もヴォルカのユニフォ―ムを着ているのですが同じオレンジ色なので似ているんですよね。よっしゃ、あいさつしちゃろうか〜と芝生を歩いて行くと、かりゆしサポの方々がこちらを見ています。はは、一瞬仲間かと思っただろう!むふふ〜敵でした〜とほくそ笑みながら近ずきご挨拶。日に焼けた方々お2人DAIDAIのヒロ氏とヒガカズ氏。名刺を交換して、しばしお話させていただきました。

 12:00になり第1試合開始。球技場では京セラ川内対ランザ熊本。同時刻に競技場では新日鉄大分対熊本教員団が行われています。私達はとりあえず球技場での試合を観戦することにしました。しばらくすると、Ultra氏も到着。今日は3人での応援予定です。試合は京セラの正確なパスまわしが印象的。結果を言いますと5-0で京セラ川内が勝利したのですが、ランザ熊本もチャンスを作る場面が何度も見られました。

 ヴォルカは第3試合、隣の競技場での試合ですので第1試合が終わった時点で応援の準備の為に道具を抱えて競技場へ移動。競技場のスタンドの上部分にある通路からは球技場のグラウンドも見える為、両方見たいという方には便利かもしれません。ちなみに球技場から競技場の試合の様子は見えません。3人で応援のうちあわせをしながらまったりと三菱重工長崎戦対九州INAX戦を観戦。球技場ではホンダロック対ニュ―ウエ―ブ北九州戦が行われています。
 応援をはじめて日が浅い我々はオリジナルの応援歌も少なく、「とりあえず流れを1通り作ろう。最初はマネでも仕方ないが、徐々にオリジナルを開発していこう」と話し合い、今日も思いついた応援歌をいくつか試して見る事にしました。そんな時に私はガラにも無く緊張してきました。選手でもないくせに、応援するだけなのに、やたら汗ばむのはなぜでしょう。周囲には報道陣の姿も多くみられ、今までに無い異様な雰囲気。すると・・・来ました、沖縄かりゆしFCの選手達、ラモスの姿も見えます。

 集まる報道陣。スタンド右側最前列に座っている我々の前を横切るラモス。私達に向かって「こんにちは」と挨拶をしてくれました。そして我々も挨拶、思わず「負けませんよ!」と言ったのでした(言ったのは私ではないのですが)。この間数秒の出来事。ラモスはそのままスタンド左端に歩いて行き、取材を受けている様子。我々の周りから人は消え、後から来た人々はオレンジ色のユニフォ―ムを着た私の姿を見るなり「え〜と・・・・あ、違う。向こうだ」と言って横切って行かれます。今までとは何もかもが違う空気、もう飲みこまれそうです。
 ヴォルカの選手達が左側にいたのですが、ラモスが左側に長く居た為、御客さんの殆どは左側に座っておられます。本当は我々はヴォルカの選手達の場所に合わせてメインスタンド左側で応援すべきなのですが、みなさんを移動させるのも悪いし、この場で応援する事にしました。最初から私達が左側に座っていればこんな事にならなかったかも・・・・と思うと反省です。そういう訳で、私達はラモスをはじめとするかりゆしスタッフの真後ろで応援するという事になり、横断幕や旗の用意を急ぎました。全国から送られて来るというかりゆしの横断幕。貼る場所が足りなくて苦労している様子。対する我々の横断幕は私が作った物が2枚、Ultra氏が作ったゲ−トフラッグが1つ。

 試合開始。開始早々危ない場面が見られましたが、徐々に選手の方々も落ち着いてきたようです。ヴォルカ陣内での展開が多く、ボ―ルもかりゆしが7/3位で持っているといった感じ。ヴォルカもFW西選手を中心に決定的チャンスが何度か訪れます。しかしこれを決められない。「これは決まっただろう!」と思えるシュ−トを決められない、決めるべき時に決めれないと危機に繋がるとかいう話を聞いた事があるような気がしましたが、まさに後半、その言葉通りの展開になります。0-0で折り返した後半、正確な時間は忘れましたが1点を先制されました。腰に手をあてる選手が目立つヴォルカ。対してかりゆしの選手、スタッフには特に喜んだりはしゃいだりする様子は見られません。その約2分後、またもや追加点を決められます。ここで勝ちを確信したのか、はじめてラモスとスタッフの方が喜びの表情とガッツポ―ズ。ここからは正直あまり覚えていません。注意深く試合を見るというよりも、応援するのに精一杯だったのか・・・。重要な試合なのにそれに限ってよく覚えていないというのも変な話なんですが。

 終わって見れば0-4。前半で先制点を決めていればまだ変わっていたかも・・・・・と思いたいのですが、スコアがこれですから、他の方には負け惜しみにしか聞こえないでしょう。色んな意味で「プロ」の違いを見せつけられた気がしました。ここで私もまた反省です。私は旗を振っていたのですが、そのたびに私の後ろに座っていた方々は今思えば視界が遮られたはずです。ずっと振っていた訳では無いのですが、誰も私の旗を見るために来られた方はいないはずです。1日目は注意も受けなかったので気が付かなかったのですが、2日目に「ビデオカメラの視界を遮る」との注意をうけました。チ―ムの方、御客さんに御迷惑をかけたかと思うと申し訳がない。この場を借りてお詫びいたします。今度から後方に気をつけて、少しでも邪魔になりそうな時、旗は視界に入りにくい場所に立てておくか、下に置いておくかしようと思います。
 試合後、サインや写真の御願いに気軽に応じているラモス。「負けませんよ」なんて言っていた敵サポ―タ―が自チ―ムのユニフォ―ムにサインを書くように頼むのも惨めなので私は見ているだけでしたが。笑顔でファンサ―ビスに徹する姿は以前ジュビロの練習試合の時見かけた中山選手と同じで、「こういうところが違うのか」と感心させていただきました。私は特にラモスファンでもなんでもないのですが。

 この後はLove氏をバス停まで送った後、Ultra氏と熊本市内の同じホテルに宿泊。焼肉を食べた後すぐに寝ました。

 かりゆしFCは強かった。でも全く歯が立たない、遠い存在とも思えませんでした。昔からテレビで見ていたラモス氏。その方が目の前で戦うべき相手として現れ、我々が応援する選手達と戦い(ラモス氏は選手としては出場していないので間接的にですが)、私達も(これも直接じゃないけれど)戦った。それが現実なのが不思議です。ボッコボコに負けちゃったけれど、あっさり勝ってしまうより具体的な目標が増えたようで得した気もします。御世辞とかじゃなくて、こんな素敵なチ―ム、沖縄かりゆしFCには成功してほしい。ヴォルカは身の丈経営で無理をしていないので(かえってもうちょっと無理してほしいと思う位)堅実で、多少成績がどうであっても消滅する可能性は限りなく低いのですが、沖縄かりゆしFCは地域リ−グでのんびりする事が許されないチ―ム。この事は去年戦ったプロフェソ―ル宮崎にも同じ事が言えるかもしれません。戦ったんだから、我々を踏み越えて行くのだから、無駄にすることだけはしないで欲しい。成功して欲しいと感じるのです。まあ、かりゆしFCはまだ踏み越えて行くと決まったわけではありませんが。

 最後に、本文中、ラモス氏の事を呼び捨てで「ラモス」と何度も書きましたが、決して悪意は無く、親しみをこめて、あえて呼び捨てで書かせていただきました事を付け加えておきます。日程を見ると、時間や場所の都合により5月までかりゆしの試合を見る事ができなさそう。まあ、もう1回あたるので楽しみはとっておきましょうか。

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