2001.9.15(土) 鳥栖スタジアム 

 以前の観戦記を読んでいただければ解ると思うのですが、私は極最近まで全くのサッカ−観戦の素人でして、地元鹿児島で開催されるJの試合にも行った事がありませんでした。しかしヴォルカの応援を経験してからというもの、Jに対して興味が湧いてきたのです。中でも特に「Jの応援はどんなものなのだろう」との思いは日増しに強くなり、結局「せっかく失業中で時間も余っているんだし、この際思いきって見に行ってみよう」という結論に達したのでした。
 なんか大げさな表現のようですが、実際私の住んでいる鹿児島県指宿市は薩摩半島の南端に位置しており、福岡方面へ行くとなるとかなりの長距離を移動せねばならず、「ちょっと気軽に行ってみよう」とはならないのが現実です。その点、福岡方面に住んでいる方々が羨ましくて仕方がありません。
 まずは一番近い鳥栖に行ってみる事にしました。日付は9月15日、鳥栖対川崎フロンタ−レ戦です。事前に調べた所、鳥栖は経営危機に陥っているらしく、この日の試合直後にサポ−タ−と会社側との話し合いが行われる様子。鳥栖といえばフュ−チャ−ズの解散が有名で、報道番組を見た事があるのですが、せっかくなら1サッカ−ファンとして入場料に貢献しようとの思いと「サポ−タ-はどんな行動を起こすのかこの目で見てみたい」との少々野次馬的な考え(熱心な鳥栖サポの方すいません)からこの日の観戦に決めたのでした。
 鳥栖の土地感が無い為早めに家を出て高速を使う事に。鳥栖ICを降りてから少々迷いましたが、6時間位で鳥栖スタジアムに到着しました。高速代は五千円ちょっと。往復で1万円以上かかるわけか・・・やっぱり気軽には来れませんね、移動に半日かかるわけだし。
 駐車場が空いていなかったのですが、すぐちかくに野球場用の小さい駐車スペ−スがあったためそこに駐車。ざっとスタジアム周辺を歩いてみましたが実に立派なものです。なんというか、威風堂々としたいでたちでなんだか神聖な気分にさえなってきます。駅も目の前で交通の便も言う事無し。
 せっかくなので駅周辺も散歩してみました。サガンの旗が並ぶ商店街を歩くとサガンのグッズショップがあったのでキ−ホルダ−とメガホンを購入。「夢があるフュ−チャ−ズからサガン鳥栖」というサポ−タ−が作ったらしい本を捜したのですが見つからず。近くの本屋にも置いてなかったのでこれは後に通販で購入する事にしました。
 その後本屋の前にあるオシャレな感じのとんかつ屋さんで食事を終え、再びスタジアムへ。当日券を購入して開場待ちです。
 開場前30分頃には人が集まりだし、ゲ−トに列を作っています。ゲ−ト前には選手の顔写真と名前が書かれた看板が並べられており、それがいかにも手作りといった感じで微笑ましい。開場後中に入ると最初にあまりにも綺麗な芝に感動。傾斜がキツイ観戦席も見やすくて良い感じ。どこに座るか迷ったのですが、選手のウォ-ミングアップの様子やサポ−タ-の方々の様子もよく見れそうなので、バックスタンドの鳥栖サポ寄りの場所にしてみました。
 家を出た時もワクワクしたのですが、こうして実際スタジアムの席に座っていると子供みたいにドキドキしてくるので不思議です。周りを見渡すと、意外とお客さんの年齢層が幅広いのに気が付きました。もっと若い人やカップルが多いのかな・・・・とか思っていたのですが、かえって御年寄りや子供の方が多いかもしれません。選手と一緒に撮った写真のアルバムを見せあいっこしている若い女性達、走り回る子供、お茶をすすりながら世間話に熱中するおばさん。とても家庭的な雰囲気です(私は隣に座った見知らぬおばあさんからお団子をいただいたりしました。感謝です)。
 ゴ−ルネット裏ではレプリカユニホ−ムを着たサポの方々が横断幕を沢山貼っています。ああいうのって場所取りとかあるのでしょうか。後、旗(?)のようなものを長く巻いて席に「仕切り」をしてその仕切った中にサポの人が集まって応援すると。そうやるんですね〜なるほど。ゴ−ル裏だけでなく、私の座ったバックスタンドの最前列にもサポの方が10数人おり、(サポではない)一般客の方々が応援しやすい様に手拍子などをしています。サポ同士で写真の撮り合いをしている人も多いですね。流行っているんでしょうか。
 肝心の試合内容ですが、やはり私には戦術がうんぬんなどと言う事はわかりません。ただ、鳥栖の選手はサイドを使った攻撃をほとんどしていなかったかな・・?DFがボ−ルを奪い返して中央の味方へパスしたがすぐに取り返されてまたDFが奪い返して・・・・・・ってパタ−ンが多かった気がしました。
 
 試合はおしくもサガンの負け。スタジアムを出て出口から左回りにある関係者用らしき出入り口に200人位の人だかりができています。さっそく私もその中に入って見学する事にしました。
 詳しくは解りませんが、サポ-タ−から会社側に渡していた公開質問状の回答が社側から発表されるとのこと。中村社長みずからマイクを取りサポらと受け答えをしています。サポの皆さんは社側に対して相当に不信感がある様子。HPが更新されていない、情報が入ってこない事から来る不安。どこからともなくささやかれる嫌な噂。サポが自主的に発行している情報誌に対して社側が発行を禁止した事に対しての怒り。大量のポスタ−が貼り出される事無く事務所に放置され無駄になっている事、収入が少ないにも関わらず無駄の多い経営・・・・・。
 私が感じた限りでは、会社側の情報公開が不充分なのが1番の問題なのかなと。何かあれば積極的に協力しようという人間が(少なくともここにいる)数百人は居るのだから、人手が欲しければ言ってくれと。クラブ側の情報が無ければ協力したくても動き様が無いではないかと。
 「もっとお互い(クラブとサポが)協力して盛り上げましょう」というサポの呼びかけに対して社側の幹部らしき人は「数日中に責任をとります。すいません」との発言。なんだか「あ〜あ〜私が責任とりゃあいいんでしょ?」っていう意思が見えてとても嫌な感じ。サポが「そうじゃないんだ、一緒にやろうと言っているんです」といってもその幹部はスタジアム内へ引っ込んでしまう。飛び交う怒号、すすり泣きの声。
 来年から「たらみ」がスポンサ−から降りてしま事への質問に対して中村社長は「数年後はまた契約を前向きに考えますと、希望のもてる返事をいただけた」といった意味の発言をして満足げの様子。これはちと人が良すぎるかもしれない。経営のプロとしては疑問が残るかも。

 なんだか勝手なことばかり書いてしまいました。間違った点があったらすいません。しかしこの日は一人のサッカ−ファンとして、とても貴重な体験をさせてもらう事ができたと感じています。数年後(?)鹿児島にJが出来たときにサポ−タ−は何をすればいいのか、そのヒントを見たきがします。
 

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