蟠龍梅(ばんりゅうばい) 蟠龍=地上にわだかまって、まだ昇天していない竜

吉松町指定文化財

場所 鹿児島県姶良郡吉松町川添 久保 末夫方



<取材日 平成14年(2003)>
久保政雄氏の話

700年を越すと見られる梅の大木が3本あった。
各地からバスで見物に来ごったもんだ。
芸達者な留守役のばあさんが三味線まで披露してくれたよ。
残念な事に30年前の台風で倒れてしまった。

   記念碑(表) 蟠龍梅    記念碑(裏) 大正10年
   かろうじて残る最後の蟠龍梅   子孫か?  近くに生えている梅
   町立40周年誌より抜粋    大正時代吉松村有志による蟠龍梅の花見
             
平成10年頃の花見

梅園奉仕作業の様子<取材日 平成15年(2004)2/26>

  
樹齢700年「蟠龍梅」を守れ/吉松・久保さん方
  −地元ボランティアが保存活動/6本せん定、こけ落とす
樹齢約700年の蟠龍梅の手入れをするボランティア参加者
 吉松町川添の自営業久保末夫さん(55)方にある樹齢約700年の「蟠龍梅(ばんりゅうばい)」に衰えが目立ってきたため、「老梅樹を枯らすな」と、町民らがボランティアで保存作業を行った。
 蟠龍梅は約60平方メートルの敷地に6本植えられている。1番高いもので約5メートル。
 地上に浮き出た根や枝が龍が地面をはうように見える蟠龍梅は、早春に白い五弁の花を咲かせ、昔から町民に親しまれている。しかしここ数年、根ぐされや枝先にコケがはえるなどして枯れてきたため、老梅樹の再生を願う人たちが保存活動に取り組むことにした。
 「再生ボランティア」と銘打って2月26日に行われた作業は、同町役場職員、姶良農業改良普及センター員、町民ら約10人が参加して、木の根に絡むクズや枝のせん定、枝にびっしりと付いたコケをワイヤブラシなどできれいにそぎ落とした。
 蟠龍梅を先祖代々守り受け継いでいる久保さんは「毎年3、4回は雑草の下払いをするが枝にコケが生え、10年ほど前からだんだんと枯れ始めた。15本ほどあった蟠龍梅は今は6本に減少した。貴重な梅の木を残す保存活動はありがたい」と手入れされた梅の木を見つめた。
 作業を呼びかけた同町川添の農業鶴田定信さん(65)は「2月上旬に満開の梅の木を見ようと立ち寄ったところ、コケに覆われた木を見てびっくりした。今後も保存活動を続けていきたい」と話した。

<取材日 平成16年(2005)2/29

昨年に続き2年目の手入れ幹のコケを落としたので今年は見違えるように勢いを取り戻した。
ボランティアのみなさんふるさと再生のためにがんばってください。


取材日 平成22年(2010)2/26


つつはの郷土研究会主催による「湧水町秘境の旅」 でここ蟠龍梅園を視察。
家主、久保末夫氏から蟠龍梅の由来を物語る掛け軸を初披露してもらいました。
後日、つつはの郷土研究会会員の黒木氏・田上氏と郷土史家市来氏の協力で
掛け軸の全容が解読されました。
冒頭の記念碑の謎が時を経て詳細に判り、久保氏に感謝いたします。