2020年11月分

音楽雑記帳

トップページへ
---------------

11月8日(日) 製品を改造できた時代

今からほぼ30年くらい前の昔話です。

ちょうど電子楽器がデジタル化し始めた時代でした。

自分でリズムパターンを作成できる安価なリズムマシンが登場したのです。

今では当たり前のことで、それがリズムマシンだろ、と言われそうですが。

それ以前のアナログ回路時代やデジタル回路化最初期のリズムマシンは、リズムパターンがプリセットされていました。

「タンゴ」、や「ワルツ」などなどジャンルごとのパターンが最初から用意されているのが普通だったのです。

ですから自分でオリジナルのパターンを設定できる機能は画期的なものだったのです。

当時(1980年頃)ローランドのBOSSブランドからDR-55、Dr.Rhythmというお手ごろな価格の片手で持てるサイズのリズムマシンが発売されました。

当時の定価が18,500円でした。

デフレの今考えると高かったのか安かったのか感覚的につかめませんね。

私は、待ってましたとばかりに即購入しました。

楽器音としてはバスドラム、スネアドラム、ハイハット、リムショットの4種類、それとアクセントという強拍を指定する信号の5種類を記憶可能でした。

1小節を16ステップまたは12ステップで分割してです。

今の技術水準からすると原始的過ぎて、かえって分かりにくい説明かもしれません。(苦笑)

ただし、ハイハットだけは自由に設定できず、1小節4つ打ちか8つ打ちのどちらかを選ぶようになっていたと思います。

ロック系の音楽であれば、それでも十分でした。

しかし、当時はすでにフュージョン系の音楽も一般化していました。

ハイハットのパターンで独自性を強調するドラマーも台頭していたのです。

打ち込みDTMで音楽製作する際にも、そのようなパターンを組んでみたくなるのは当然という時代でした。

そんな時に、渡りに船(古っ)の記事が載っている音楽雑誌があったのでした。

だいぶ前に廃刊になったロッキンfという月刊誌(だったと思う)です。

既製品の電子楽器の内部回路を改造して機能変更するというコーナーがシリーズで掲載されていました。

そこでDR-55がとりあげられたのです。

改造の目的はハイハットも自由にパターン設定できるようにすることでした。

その方法は、内部のプリント基板の1か所をカッターで切り取って断絶し、ジャンパー線1本の両端を指定された場所にはんだ付けするというものでした。

電気工作などしたことがない私でもできる比較的簡単な処理だったのです。

それでも誌面には自己責任で行なうことと結果責任は負わない旨の記述があったように記憶しています。

クレーマー対策として当然でしょうが。

私は無事に改造を終え、目的を達成し、ハイハット自由自在(昔の学習参考書やドリルに使われていたフレーズ)な世界を大いに楽しんだものです。(笑)

で、その後日談。

社会人1年生として楽器業界に身をおいていた時のこと、その記事を書いたご本人と会う機会があったのです。

私にはチンプンカンプン(死語)な電気回路を熟知している方だと感じていた私は、畏敬の念をもって接しました。

話す機会があったので、改造を実践したことを伝えました。

すると、「ハイハットもプログラムできたほうがいいよね。」、というごく普通当たり前的なことを謙虚に他人事のように返されました。

恥ずかしがりやだったのかもしれませんが、うぅーむ、かっこいい、と若かった私は素直に感心したのでした。

で、そのずぅーっと後のお話。

DR-55は処分して手元にありません。

確か他の楽器と一緒に楽器屋さんに買い取ってもらったと思います。

数年前にハードオフで見かけたら5万円くらいの値段がついていてビックリ。

でも、そのまた何ヵ月後かに見たら3万円代まで値下がってましたっけ。

だいたい古過ぎて発売当時の音色は失われているだろうに。

そんな値段で買った人がいたのだろうか、とちょっと気にはなります。

安い値段で売られていたら買って中の基盤をもう一度見てみたい。

という気持ちがちょこっとあるような、ないような私です。(何それ?)

おまけ。

DR-55と同時期に発売されたTU-120という楽器用チューナーはなぜか今でももっています。

現代では不要に大き過ぎるこの製品が高く売れることは絶対にないでしょうに。(泣)

---------------

一月前の雑記帳 | 最新の雑記帳 | ニ月後の雑記帳