さつま白雪 

                        
吉永酒造(有)  指宿市十二町645
Tel  0993−22−3015
ゲットした日 : 平成13年10月31日
                     

  
さつま白雪
  昭和40年代、指宿市は新婚旅行のメッカとして賑わっていた。 ここ数年は海外旅行に押されて、目抜き通りの浴衣姿もグンと少なくなり、東洋のホノルルと言う称号を剥奪されかねない体たらくである。 最近、アメリカの同時多発テロ事件以降修学旅行生を中心にやや客足が戻ってきた様であるが、やはり何かしら物悲しさが漂うのはいがめない。 しかしながら我々薩摩人にとって、指宿とは温泉と行楽や宴席等、最もワクワクする場所の一つであり、これからも大切にしたい安らぎ癒しの里と言えよう。(^_^;)

  前置きが長くなったが、吉永酒造はその指宿市街中心部付近にあり、昔ながらの甕壺仕込みで焼酎を造っており、PB商品ではあるが、木桶蒸留など手作りに拘った「朝邑」などの意欲作も世に問うている。
  この 「さつま白雪」Aptiva野郎さんより宿題3連発に頂いた最後の1本であり、これでようやく指宿焼酎の段は完結する・・・はずである・・・、一応は・・・。(^_^;)

  ラベルは一升瓶も五合瓶もほぼ同じで金地のバックに冠雪した山脈がイメージされている。 まあ南国薩摩に白雪はないだろうと揶揄されそうであるが、我々無積雪地帯に住む人間の雪に対するほのかな憧憬とご理解頂きたい。(^_^;) アルコール度数は25%である。

  生で飲んでみた。 芋焼酎の芳香が立ち昇り、甘さと柔らかいコクが引き立つ。 後味も爽やかで余韻の残る味わいである。 このままでもシミジミと旨いと肯ける。
  ロックにすると、甘味がより引き立ち、清涼感が漂う。
  お湯割りにすると、甘味が前面にパァ〜と広がる。 豊かな芋の滋味を感じさせホッと一息付ける様な味わいになる。
  あらかじめ5:5程度に割り水したものを黒ヂョカで燗付けすると、大げさに表現すれば、ふくよかさと柔らかさが心地よい和音を成して響き合う味わいと言えるのだろうか。 そして後味の重厚感に思わず「うんまか」と唸りたくなる。

  芋焼酎本来のしっかりとした味わいの中に、造り手の揺るぎない自信と、指宿焼酎の実力の高さを痛感させられる逸品である。 このような本格的な味わいの焼酎が、指宿市繁華街の土産物店に置かれ、老若男女酔人素面等々海岸通を練り歩く多くの県外観光客に芋焼酎の魅力を存分に伝えていることを、快哉と叫びたい心境である。
  どの様な飲み方でも優れて美味しいが、やはりお湯割り系統の芋焼酎本来の重厚さを是非とも試して欲しい。


                             平成13年11月27日記載