第46話 「楽に勉強する」
〜 習慣化の大切さ 〜


ものすごく
記憶力のいい友達を見ると
とても
(うらや)ましくなる。

教科書も一回読んだだけで
キチンと頭の中に入っている。

一度聞いた先生の話は
絶対に忘れることがない。

複雑な図や公式を
チラッと見ただけで
頭の中にインプットできる。

そんな人がいるものである。

遺伝的なモノなのか
突然変異によるモノなのか
原因はよくわからないが
ズバ抜けた記憶力を持つ人は
ごく希(まれ)に存在する。

「いいなあ〜私もあんなだったらなぁ」
と,ため息をつきながら
己(おのれ)の記憶力の脆弱性(ぜいじゃくせい)を
嘆(なげ)くことになる。



私たちが「勉強できる人」を羨ましく思う場合
だいたいが,この「記憶力の良さ」を羨むコトが多い。

しかし・・・である。

「勉強できる人」は
皆が皆「記憶力のいい人」というワケではない。

努力して「勉強できる人」になっている人もいる。

いや…むしろ,そっちの人の方が
絶対的に多いのである。

遺伝的なモノ
突然変異的なモノは
いくら羨んでも,どうにもならない。

一大決心をして,雷に撃たれ
突然変異をゲットする手もあるが
99.99999…%の確率で
死んでしまうのがオチである。

どうせ羨むなら
なんとかなりそうな
「努力して勉強できるようになった人」
羨みたいモノである。



それは,さておき!!

今回のタイトルにもなっている
「楽に勉強する方法」のお話である。

「楽に勉強する」というのは
ヘニャラ・ホニャラと10分程度勉強して
優秀な成績を修めよう…という意味ではない。

「まくべん」で何回も登場するように
勉強はキツくて苦しいモノである。
いい加減な勉強では
いい加減な成績しか修めることができない。



ここで紹介するのは…

毎日2時間から3時間の自宅学習を
「結構,楽にできるもんだな」
と感じて実行できるようになるための
「考え方」
である。


同じ2時間でも
「キツいな〜」「シンドイなあ〜」
と感じて勉強するのと
「別に,そんなにキツいとは思いませんが…」
と感じて勉強するのとでは
成果が大きく異なってくるのである。

2時間が「そんなにキツくない」と感じるならば
イザという時
3時間や4時間の勉強にも耐えられるようになる。

つまり
「踏ん張りがきく」ようになるワケである。



話はコロリと変わるが

アナタは毎朝,歯をみがいているだろうか?

歯みがきが毎日の習慣になっている中学生は
朝,歯をみがいていて
「キツイな〜」などとは思わないモノである。

むしろ,歯みがきを忘れて登校したら
「なんだか,落ち着かないな〜」とか
「気持ちが悪いな〜」と感じるモノである。

しかし
歯みがきが
習慣化していない中学生は
そうはいかないのである。

登校前に毎朝,お母上から
「ちゃんと歯をみがいたの?」
な〜んて言われて
「うっせぇ〜な!!」
とブツクサ言いながら
シブシブ歯をみがくのである。

寝る前も同じである。
「言われなくたって分かってるよ!」
ご両親とケンカしながら
ご機嫌ナナメで歯をみがくのである。
いや,みがいたフリをして誤魔化したり
ご両親の有り難いご忠告をシカトしたりするのである。

本当に言われなくてもわかっているなら
ご両親による歯みがき指導は
小学生時代くらいに修了しているハズである。
できの悪いお子様を持って,本当に大変である。
心から同情しするのである。


同じ「歯をみがく」という行為が
前者にとっては
「当たり前で楽な行為」であり
後者にとっては
「ツラく面倒な行為」なのである。

そして,その違いの原因は
「習慣化」
なのである。



勉強も同じなのだ。

毎日2時間の勉強が
「習慣化」していれば
それほど
「キツく苦しくない」のである。

逆に,「習慣化」していなければ
「キツく苦しいコト」になるのだ。

だから
「習慣化する」ということが「楽に勉強する」
ということにつながるのである。


同じ2時間の勉強でも
習慣化できた中学生と
習慣化できていない中学生では
「天国と地獄」くらいの差が生まれてくるのであり

その成果…つまり成績も
「天国と地獄」の差となるワケである。

恐るべしは
「習慣化」
である。



余談になるが…

最近,話題になっている
「ゆとり教育の失敗」であるが
その原因として
「ゆとり教育」の意味の取り違いがあると思われる。

「ゆとり教育」とは
ホニャラ・ヘニャラの
「ゆとり」の中でトロトロトロと勉強するワケではない。

バリバリバリと必死に勉強することで
「ゆとりの時間」を見いだし
その「ゆとり」の時間で
さらに充実した発展の勉強をガンガンしよう

というモノであったハズである。

どこで誰が勘違いしたかはわからないが…
勘違いしそうな言葉で表現するから
こんなコトになるのである。

国土も狭く,資源も少ない
そんな我が国が
勉強までトロトロやってしまったら
この先いったいどうなるのか…

そんなコトは誰にだって
わかるハズである。



あ!
誇大な妄想はキッパリと捨て去り
「楽に勉強する」ために
今日の積み重ねをキチンと行うのだ。


前に進むには
それしか
ナイのである。



あ…最初の「羨ましい」のお話であるが…

勉強できる人の
記憶力の良さは「羨ましい」と思うのに
勉強できる人の「頑張り力」は
あんまり「羨ましい」とは思わないモノである。

しかし
本当に羨ましがらなければならないのは
その人の
「頑張り力」なのである。

「まくべん」は,そう考える。