第43話 「宿題が終わらない…」
〜 そんなときのために 〜


先ずは誤解のナイように…
「宿題は期限までに終わらせて提出すべき」
である。
これは「当たり前」のコトである。

しかぁ〜し
いつもいつも
この「当たり前」が達成できるとは限らない。

そうでなければ先生方は
口を酸っぱくして
「ちゃんと宿題をやっておけよ!!」
何度も何度も
繰り返し繰り返し
言わないでイイのである。

先生方だって…
できれば楽をしたい。

何も言わずとも生徒は
完全に終わらせた宿題を
期限までにキチンと出してくれれば
それはそれで大助かりなのである。

「当たり前」のことが「当たり前」に進んでいけば
先生方もナンの苦労もないワケである。

そんなことが「当たり前」に進まないから
「ちゃんと宿題をやっておけよ!!」の
オンパレードになってしまうのである。

世の中は無情である。



では,中学生の立場から
「当たり前」のことが
「当たり前」に進まなかった場合のコトを考えてみる。

つまり
宿題が終わらなかった…という非常事態に
どう対処していくのか
というコトである。



多くの中学生の場合
先ずは「終わらなかった理由」や「言い訳」を考える。

先生からの
「そうか…そんな理由があったのか…」
という同情にも似た「納得」を得るための
「理由や言い訳」
必死になって考えるのである。

そして,願わくば
「そういう理由なら仕方がないな…」
「よし,君は宿題を免除してやろう…」

そんな温情(おんじょう)に肖(あやか)ろうと
策をめぐらすのである。



だいたいは
「忙しくて…」とか
「時間がなくて…」とか
一般的な「言い訳」に終始するが
中には大胆不敵にも
親兄弟を未知の病に追い込み
親戚の不慮の事故や病死を詐称したり
部活顧問の横暴をでっち上げたりする
なかなかの強者(つわもの)中学生もいたりするのである。

あ…中には本当に
そのような不幸で苦しんだ中学生もいるだろうから
全部が全部,疑ってかかるというのは避けたいのである。
ひとつ間違うと「いじめ」に発展する可能性があるので
そこは十分に注意したい。




だが,しかし…BUT…である。

「なんとか先生に怒られずにすませたい」
「言い訳」探しに没頭するのもヨイが…

一番大切なのは
一番考えなければならないのは
「終わらなかった宿題をどう処理するのか」
という問題である。

つまらない「言い訳」を考える前に
終わらなかった宿題を
いつ・どこで・どのようにして
終わらせるか…?
を考えるべきなのである。



最初に書いたとおり
「宿題は期限までに終わらせて提出すべき」
なのであるが
アナタは「期限」が守れなかったワケなのである。

大人の社会では
「期限不履行(きげんふりこう)」
大きなペナルティーを負う。

「違約金」という罰金で処理する場合も多いが
なんといっても相手の
「信用」を失うコトになる。

そうなったら,その被害は計り知れない。
アナタが会社員であれば会社そのものに
大きなダメージを与えることになる。



一方…学校の場合
アナタの宿題提出期限不履行で
損害を受ける人は
まず…
「いない」のである。

強いて挙げるなら
アナタ自身である。

宿題をしないことで
その分だけ学力を身に付けられなかったワケなので
アナタ自身が
「損」をするだけなのだ。



もちろん宿題期限不履行は
今後の成績や評価に
大きな影響を与えることが十分に予想できるので
アナタ自身の
「損害」
計り知れないモノになる可能性がある。



そんなワケで…
鬼のような厳しい非情先生なら
きっとこんなふうに言うのである。

「あ,そう。宿題,できてないワケね」
「うん,わかった。じゃ,そういうコトで」
「はい,はい…」
「あ…何してんの? もう行ってイイヨ」


別に先生は痛くもかゆくもナイのである。
後は事実に従って
それなりの評価をしていくだけなのだ。


これはこれで
正しい



一方,
温情先生なら
こんなふうになってくるだろう。

「えっ!。宿題やってないって!」
「で,ど〜するワケよ!?」
「いつまでなら提出できるの!」
「え?来週??? 甘えるんじゃないよ!」
「あさって? 絶対だな!」
「よし,じゃ,あさってまで待ってやる」
「絶対に提出しろよ! 絶対だぞ!!」


提出期限不履行は,社会に出たら致命傷である。
それを十分に知っている温情先生は
「自分の生徒が絶対にそんな大人にならないように」
心ならずも

厳しく対処してくれるのである。

もちろん期限内提出の生徒と
同じ扱いになる…なんてコトはないだろうが
それでもまだ「なんとかしてやろう」という
先生の温かい思いやりが見え隠れするのである。
正に地獄でホトケである…。



さあ,そうなると大切なことは
1日も早く,1時間でも早く
宿題の提出を完了させるコト
である。
そして,温情先生との
「2度目の約束」
キチンと果たすことである。



今,この瞬間
目の前の宿題を前に
「どうせ,頑張ったって…」
「今夜中に済むワケはないし…」
「どうせ,間に合わないんだから…」

そんな考えで
開き直ってしまおうとしている中学生諸君!


大切なのは
「では,いつまでに終わらせるのか?」
「そのためには,今,何ができるのか?」
「とりあえずは,何からやっつけるのか?」

である。

宿題提出に
いつも厳しい声をかけてくださる
温情先生の熱い思いに応えて…
ノートの1ページ,プリントの1枚からである。

そんな気持ちで頑張って欲しい。