第31話 「部活動と勉強 その2」
〜 部活動中途退部者のたどる道 〜


「部活動さえなければ・・・」
「もっと良い成績が取れるのではないだろうか?」

部活動に所属している中学生なら
誰でも1度は考えるコトである。



ある中学生の言い分である。
(本人のプライバシーを考慮して音声は変えてあるのだ)

部活動の練習がキツイので
家に帰ると食事してスグに寝てしまいます。
それに自由になる時間もありません。
テレビを見る時間もないし
休みの日は練習試合や特別練習が入っているし
・・・(以下省略)




そんな理由から,「退部届」を提出しても

だいたいの場合において

まず,成績は伸びない。

(だいたいの場合とは10人中8人くらいである)

なぜか?


「退部」により作り出した貴重な「時間」
そのほとんどが「自由な時間」に使われるからだ。




なぜか?


部活がキツくて「やめた人」である。
部活のキツさに耐えられない人が
勉強のキツさに耐えられるワケがない。


キツさに耐えられない人は
自然と「楽」な方へと転がるモノである。




「そんなことナイ。私は部活を止めて,勉強に集中するんだ!」

そう,おっしゃる中学生も多いのである。

「お〜・・・そうかそうか。では勉強を頑張れ!」

啖呵(たんか)を切った勢いで
しばらくの間は
それなりに勉強に励む姿が見られるのだが
まあ,続いたところで1週間が相場である。


あとは,ダラダラ状態になり

「まあ,いいか。時間はタップリあるしぃ」
な〜んて思いながら
ビデオゲームにのめり込んだり

「なんか面白いことないかなぁ」
と暇を持て余し
校内や町中をふらつくようになる。

中学生NEETの誕生である。


こんなNEETな生活を続けているので

いざ試験前になってもエンジンがかからない。
ちょっとやっても,スグに疲れてしまうのである。

これが,部活動中途退部者のシナリオである。



中には部活を止めて塾に通う者もいるだろう。

塾に行くことで安心してしまい
これまた家での勉強はしなくなる。

塾の宿題や課題もいい加減になり
塾がとてもキツくなる。

キツくなったら,また同じ繰り返しである。
「あの塾は教え方がヘタクソだ」
「私はやっぱり,自力で勉強する」

などと言い出して
「退塾届」を書くことになる。


最初から塾に通っている人は
それなりに勉強体力も付いていて
塾の勉強の流れにも慣れている。

そんな人たちに中で勉強していると
なんだか憂鬱な気分になってくるものだ。



よって
「勉強に集中するための退部」
お勧めしないのである。


むしろ
「時間がない中での勉強の工夫や努力」
「体力の限界を,さらに大きくする努力」

等々
これらの方が
アナタの未来にとって
とても貴重な体験になるハズである。


今がとても苦しいのなら
多分それは,自分を鍛えるための
最高の環境に恵まれているということだ。


今しばらく気合を入れてそこに留まり
そして,解決の道を探り出してもらいたい。

本物のオトナになるための第一歩なのである。



  

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