第81手 「新聞を読もう T」
〜 読解力向上への長いが着実な道 〜



朝起きて新聞を探す。

「あれ?今朝の新聞はどこだぁ?」

「新聞なら花子が読んでるわよ?」

「あいつ,いつから新聞なんて読むようになったんだ?」


・・・・・・・・・・・・・・

「おい,花子!今朝の新聞どこへやった!」


「新聞なら,ハイ!ココよ!」
「ねえねえ,お父さん,阿部さん
(総理大臣は安倍さんだからね)やめちゃったんだって!」

「阿部(安倍)さん? 誰だそりゃ?」

「インド洋上での給油活動継続がネックだったみたいね」

「インドの洋食屋で給食が値上がりしたって?」
「それよりそれよりジャイアンツは・・・っと」
あ〜負けてる〜〜くやしいぃ〜」

「あ〜なんだかムシャクシャするな」
「これじゃ会社でイイ仕事できないぞ〜」
くしょ〜〜悔しいけど,いってま〜す

「いってらっしゃ〜い。お父さ〜ん」


幸せな家庭で
よく見られる光景である…。
(見られない,見られない…とも限らないか?)



さて,読解力の不足に苦しむ中学生諸君!
「1日1回は新聞を読もう」
である。

新聞は
イイ

読解力が身に付き
知識が増え
思考力がレベルアップし
なんと言っても
「世の中」が見えるようになる


別に…テレビのニュースでも良いのだが
「読解力」は鍛えられない。
「聞き取るチカラ」は
アップするかもしれないけどね。




「でも,新聞って難しいジャン」

そう,中学生にとって新聞記事は
けっこう
「難しい」

だが
けっこう難しいからこそ
読み甲斐がある。



人は自分の限界の
「ちょっと上」を目指すことで鍛えられる。

それはスポーツでも
ゲームでも同じである。
上達のコツは
「ちょっと強い相手」と闘うことだ。

自分と同じレベル
自分以下のレベルの相手と
いくら闘っても
自分の実力は伸びない。

連戦連勝の快感は得られるが
「実力」は伸びない。

読解力も同じである。
自分の実力の
「ちょっと上」の文章を読むことで
読解力は鍛えられる。



「え? 新聞がちょっと上のレベルだって?」
そう思う中学生もいると思う。

一見,新聞は難しい言葉や漢字が
い〜〜〜っぱい使われているように見えるが
地名や人名,専門用語を除けば
せいぜい小学校の5年生でも読めるレベルの
漢字で書かれている。

内容だってそうだ。

どの記事でも基本的には
who(誰が)
what(何を)
when(いつ)
where(どこで)
why(どんな目的で)
how(どのように)

というルールで書かれている。

一般の文章のように
ナニがど〜なって,アレがコレで
ソレがこ〜なって,ドレがドレだか…

な〜んて複雑に絡(から)み合っていないのである。

だから中学生にとっては
「ちょっと上」のレベルと考えて良いのである。



また
記事の内容全部を
完璧に理解する必要はない。

最初のうちは
知らない語句や用語など
適当に読み飛ばしても
なんとなく
「全体像」がつかめればOKなのである。



「でもね…新聞って文章がたくさんあるからなぁ〜」
「全部読むのはちょっと・・・」


そんな気持ちも十分に分かる。


毎日,新聞を隅から隅まで読んでる
新聞愛好家中学生は別として

全国の中学生に
是非とも読んでほしい部分が
「1面コラム」
である。

「コラム」とは「短い評論文」のことで
ある事柄について
筆者の考えをまとめた短文なのである。

新聞の「一面(第1ページ)」に載っているので
「一面コラム」という。
だいたい,1面の下の方
広告欄のすぐ上に乗っかっている。

各社の一面コラムには
それぞれ個性的な「名前」がついている。

「○○人語」とか「○○手帳」とか
「○○録」とか「○○春秋」とかである。



文字数にして600字程度
原稿用紙で約1枚半の文章量だ。

慣れた中学生なら1〜2分で読める量である。
国語が苦手な中学生でも5分あれば
十分だろう。




さっそく家の新聞を探して
実際に読んでいただきたい。

勉強に効果的に生かすなら
「読み」の際に
ちょっとした工夫があるのだが
それは後日改めて紹介するコトにする。

取りあえずは
読んでみてほしい。

そんな
一面コラム
である。




  

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