第63手 「ノートの心得 その4」
〜 「→」(矢印)に気を付けろ 〜
各教科のノートを見てみると
「→」(矢印)が使われていることがある。
先生の板書を必死で写したのだから
多分,「→」は板書にも使われていたモノなのである。
教科書を見てみると
これまた図や表に「→」が多く使われている。
ワークブックや参考書などは
「→」の嵐である。
中学生は「→」に出会うと
妙に安心する。
先生が「A」から「B」へ「→」を引くと
ノートにそのまま写す。
横に棒線を引っ張って
端(はし)に,チョンチョンとするだけなので
なんとも簡単に書けてしまうのである。
ラクチンである。
中には自宅での勉強で
教科書やノートに
自分で「→」を書き込む中学生もいる。
重要部分にアンダーラインを引き
重要部分同士をを「→」でつなぐ・・・
そんな勉強をしている中学生は
きっと多いハズである。
しかし,少々待たれよ・・・である。
@ 「織田信長」→「明智光秀」→「豊臣秀吉」
と
A 「織田信長」←「明智光秀」←「豊臣秀吉」
上の@番とA番に使われている
「←」の違いが,わかるだろうか・・・。
いろいろな意味に取れるかもしれないが
@の「→」は
「権力の移り変わり」
又は
「時間の流れ」
を意味している。
Aの「←」はどうだろう?
Aの場合は「←」は「攻撃」を意味することになる。
すなわち,「織田」は「明智」に攻め滅ぼされ
「明智」は「豊臣」に攻められたワケである。
「はは〜ん・・・」と思った中学生は
なかなか賢明である。
そうなのだ。
「→」は色々な教科や場面で
同じモノが使われるのだが
その場,その場で「意味」が変わってくるのである。
数学の場合「計算」だったり「変換」だったり
国語では「修飾」だったり「主述」だったり
社会では「影響」だったり「原因」だったり
理科では「反応」だったり「変化」だったり
英語では「書き換え」だったり「翻訳」だったり
同じ「→」でも,ホントに様々な意味を持つのである。
さあ,今までの自分の「ノート取り」を反省して欲しい。
先生が板書した「→」を
そのまま写して「安心」していなかっただろうか?
ちゃんと「→」の意味まで考えていただろうか?
そこで,ひとつ提案である。
これから,ノートに「→」を書くときには
その「意味」までメモしておきたいものである。
「→」の下や横に小さな文字で
「原因」「変化」などとメモするとよい。
「←」も「↓」も「↑」も同様である。
ちなみに
授業中に「→」の意味がわからないときには
家に帰ってゆっくり考えるとよい。
また,教科書や参考書
試験問題で「→」を見つけたら
「意味」を考える習慣を身に付けておきたいものである。
「→」の意味を考えるだけでも
アナタの脳みそは,かなり鍛えられるのである。
そして
家での復習や
テスト前の勉強でノートを見たとき
「なんて分かりやすいノートなんだぁ!」
そう思うことは間違いないのである。
最後に問題である。
「まくべん」→「アナタ」
この「→」の意味はナニか?
ナニナニ? 「勉強情報・・・」とな?
違う違う・・・
「愛」である。