第44手 「時間割型勉強計画表は危険である」
〜 計画表の落とし穴 〜



定期テストの計画の立て方は難しい。

中学生ひとりひとりによって「目標」や「問題点」が異なるので
「これが,理想の計画表デス」
なんてことは絶対に言えないのである。

それでも,そこをなんとか考えてみるのである。

最初から「無理」とわかっているのだから
あまり大きな期待はしないように・・・である。




学校や学級によっては定期テスト前に
「勉強計画表」が渡される場合がある。

夏休み・冬休み前に渡されるような
「計画表」が多いことと思う。

横軸に○日からテスト終了まで,日付が付けてあり
縦軸は時間で区切られているものがほとんどだろう。
(逆のパターンもあるか・・・)

そこに
○日の○時○分から○時○分までは「国語」
○時○分から○時○分までは「夕食」
○時○分から○時○分までは「数学」
○時○分から○時○分までは「休憩」
○時○分から○時○分までは「社会」

などと
まるで学校の時間割のように
マスで区切っていくのである。

それは,それで構わない。
学校から帰っての,勉強の時間割ができるのだから
無いより,あった方がGoodである。



だが・・・である。

その程度で「計画を立てた」と勘違いしてはイケナイ。

そりゃ,目の前にキチンと書かれたスケジュール表があれば
なんだか,予定どおりにテスト勉強が進みそうな気分になる。

教科毎にカラフルしてあれば,なおさらのことである。


しかし
大切なのは「勉強の中身」なのである。

その,赤く塗った「英語」の時間に
あなたは何をどのように勉強するのか・・・
が見えているのだろうか。


仮に「単語」を書いてあったとして
いったい,教科書のどの部分の
どの単語をどうやって覚えるのか
覚えたか覚えていないかは
どこで確認するのか・・・


わかっているのだろうか。

「数学」と書いてあったとして
教科書を勉強するのか
プリントの復習をするのか
実際に全部解いてみるのか
間違った問題だけ解くのか。
解けなかったらどうするのか・・・


わかっているのだろうか。



「計画表」の中の「勉強の中身」が見えなくては

「ちょっとくらいサボったって,あとでやればイイ」
「まだ,数学は今週4時間もあるし〜」


などという不届きな考えが頭を持ち上げてくる。

もちろん,ホントは先のことなど考えていないのに
目の前に「計画表」があるから
先のことがある程度,見えているような気分になる。



また,こんなケースもある。

あまり集中しなくても
時間というのは,ありがたいもので
どんどん勝手に過ぎていってくれる。

1時間,ぼ〜〜〜っとして机に座っていれば
なんとなく1時間勉強した気分にしてくれる。

でも目の前に「計画表」があるから
集中しなくても「計画表どおりやった気分」にしてくれる。



怖ろしい・・・実に怖ろしいことである。
時間割だけの「計画表」は,とても危険なのである。




もっとも
「時間割型計画表」は使い方によっては
たいへん有効に活用できる。

特に,
休憩時間や睡眠時間を
キチンと確保
するためには大いに役立つ。

学校や塾で「計画表」をもらったら
先ずは「勉強時間以外の絶対必要な時間」を塗りつぶすと良い。

「睡眠時間」
「通学時間」
「学校生活の時間」
「食事やお風呂の時間」
「どうしても見たいテレビの時間」

(これは少なめに・・・)
「休憩時間」
などなどである。

「勉強時間」も大切だが
私たちは生きている以上
それ以外の「時間」も大切なのである。




・・・と,今回はココまで

「中身の見えるテスト勉強計画」については
次回に送るのである。

「え〜・・・そんなノンキな,来週から試験なのに・・・」

・・・とな?

それは,それは,ご愁傷様である。


  

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