第7手 80%と20%の法則
膨大な授業の砂漠から宝を掘り出せ
世の中には様々な法則がある。
科学的なものもあれば,人間の経験が積み重なってできたものもある。
その中の一つに
「80%と20%の法則」
というのがある。
今から100年ほど前に経済学者のパレートさんが発見した法則である。
パレートさんの言うことには
「社会の富の80%は20%の人間に集中している」
というものである。
(なんだか「世界が百人の村だったら」みたいだ)
そして最近では
リチャード・コッチさん(この人も経済学者)が
「利益の80%は20%の顧客がもたらす」
「成果の80%は20%の時間で得られる」
という商売の法則まで作っている。
どうやら
「最小限の努力で,最大限の成果をあげるための方法」
である。
「まくべん」も勉強の法則をパクってしまおうと考えた。
しかし,その野望はムダに終わった。
実は先に考えた人がいたのだ。
(世の中は実にキビシイ・・・)
弥永真生さんという大学の先生である。
この人は受験勉強のプロなのだ。
「まくべん」も数冊本を持っている。
それは次のような法則である。
「授業で学んだことの20%がテスト問題の80%として出題される」
アナタが80点を目指しているのならば,
授業の20%をしっかり理解しておけば良いのだ。
「な〜んだ。簡単だ。」
「それならワタシにもできそうだ」
そう思ったアナタ。
ちょっと甘いのではないだろうか。
そうなのである。
「授業のどの部分を20%記憶すれば良いのだ」
「いったい20%はどれなのだ」
そう気づいたアナタはたいへん賢い人なのである。
法則は
「あなたが受けた授業の中から,
アナタが最も重要だと思う20%を見つけ出せ。
それがアナタの勉強である」
と言っているのだ。
国語で学習する「要約」というものがある。
長い長い文章から,最も大切な部分を抜き取り,
おおまかな文章の内容を説明する技術である。
これはアナタが小学校の1年生から学習してきたことなのだ。
目指すは
「授業(学習内容)の要約」
なのだ。
教科書は大事な部分はワザワザ太文字で書いてあったり,
欄外にまとめてあったりする。
黒板は「先生による授業の要約」だ。
先生の声は,
大きくなったり,
繰り返したり,
時には「出るぞ」とズバリと言う場合もある。
参考書にはカラーで印刷してあり,
問題集は空白で切り抜かれている。
これらが「大事な20%」でなくて何なのだ。
今まで,ダラダラと黒板を写していなかっただろうか。
先生の説明中に友達と楽しいオシャベリをしていなかっただろうか。
それでは「20%」を見つけ出すことは不可能だろう。
勉強できなかったのも無理はない。
明日からアナタの授業の受け方が変わる。
「まくべん」はそう確信する。
今回はいつもの弱気はない。
チョーマジな強気で終わる。
たまにはネ
参考文献
TBSブリタニカ社 「80対20の法則」 リチャード.コッチ 著 1998.6
ISBN: 4484981068 1680円