frower2006年  8月のフィールドノートから

*8月20日(日) 奄美市大川ダムビオトープ
 
先月のフィールドノートにも書いたが、2002年の8月に市の予算でできたビオトープの盛土の堤が一部決壊して水が流出し
てしまった。その後、応急的に決壊部分が埋められ水が流されていたため、たったひと月間で、ある程度の生き物が帰ってき
ている。野鳥ではリュウキュウヨシゴイ、魚ではメダカやウナギ、両生類ではヒメアマガエルやヌマガエルのオタマジャクシ、昆
虫はトビイロゲンゴロウ、ハイイロゲンゴロウ、オキナワスジゲンゴロウ、アマミアメンボ、セスジアメンボ、アオビタイトンボ、タ
イリクショウジョウトンボなどなど。死滅したかと思われたメダカ(やウナギ!)が復活したり、無翅型のセスジアメンボの成虫
がいたことから、一見干からびたように見えた池の隅のわずかな水場で生物たちはなんとか生き延びてきたのだとわかる。
自然のたくましさに感服。
 それはそうなのだが、作るだけ作ってあとは放りっぱなしというお役所の体質はどうにかならないものか。せっかくすばらしい
事業を手がけたのに、これでは逆効果になりかねない。物を作ることはある意味たやすいが、作ったものを維持し、活用するこ
とが大変だし、大切なのだ。このビオトープも生き物にとっては貴重な水辺である。ボランティアを募ってでも、なんとか維持して
いくべきだろう。その気概、ありやなしや?


▲セスジアメンボの成虫。下が長翅型のメス、上が無翅型のオス。


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