フリーのDICOMビュワー K-PACSを使ってみる

フリーで使えるDICOMビュワーで K-PACS というのがあります
有料版の機能縮小版のようですが、内視鏡の画像を見る程度なら十分使えます
BUGも多いようですが、日々更新されており改善されるのではないかと思っています

こちらから

インスツール

インスツールプログラムをダウンロードしたら、実行します。後はインスツーラーの指示に従えばいいです。
インスツール時に自身の名前(サーバーがビュワーを識別するために使用する名前を付ける必要がある)とポート番号を聞かれます。
クライアント(ビュワーを起動するパソコン)が1台しかないなら、初期設定(KPServer 104)のままでいいですが、複数台ある場合は名前が重ならないように変更します。
ファイヤーウォールが入っているとポートを開くかどうかを尋ねてくるので、開いてあげましょう。

設定

インスツールが終わったら起動してみます。

右上のネットワークのアイコンを押して、「Dicom configuration」のダイアログを表示します。
初期設定でサーバーとしてConquestが登録されています。
左から
ECHO      Conquest(Example)      CONQUESTSRV1      127.0.0.1      5678
となっているはずです
それを選択すると、下のテキストボックスにそのデータが表示されます
ここを使用するDICOMサーバーにあわせて設定を変更します
Conquestを初期設定のままで使用しているなら、IP address をConquestが動いているパソコンのものに変更するだけです。
Conquestが同じパソコンで動いているなら変更の必要はありません。
変更したら「Change」「Save」を押して設定を保存します。
リストボックスの左端にある「ECHO」の部分をクリックして「Succcess」のダイアログボックスが表示されれば、サーバーには接続できています。「Faild!」と表示される場合はどこかに問題がありますので設定などを見直してください。

ネットワークのアイコンの左にある、フォルダーとパソコンが重なったようなアイコンを押すと、「Local setting」のダイアログが表示されます。
ここにインスツール時に設定した情報が入っています。
Application Entry Title (自分の名前)、Server Port (自分がデータを受け取るポートNo)が表示されています。
これを変更する場合は右上の「Server Addmin Tool」ボタンを押して「K-Pacs Server configration」ダイアログを表示します。AET PORT の項目で変更できます。

K-Pacs はサーバーからダウンロードしたデータを保存しているので、そのデータを消去するのが2番目のボタン「Crear local imagebox」です。保存してあるデータはサーバーからダウンロードせずに表示するので高速ですが、あまりたまるとハードディスクを圧迫するのと、患者情報漏洩の危険があるので時々押して、クリアしたほうがいいでしょう。


操作方法

メイン画面で中央右寄りにある「Query」のボックスに初期状態だとConquest(Example)が表示されているはずです。その左のチェックボックスをチェックします。
ここにチェックの入っていないサーバーには接続しないので、必ず確認しましょう。設定を変更するとこのチェックが自動的に外れてしまうのでその都度チェックしなおしてください。

上左にあるPatientIDのテキストボックスに何かIDを入れて/または入れないで、「Serch」ボタンを押します。
下のリストボックスにずらずらとリストが表示されます。
何が表示されるかは、サーバーにどのくらいデータが登録されているかにより異なります。
何も登録されていなければ当然何も表示されません。沢山登録されているときIDを何もいれずにボタンを押すと全てを表示しようとするので注意してください。

リストが表示されたら、その1つをダブルクリックします。うまくデータが転送できれば新しいウィンドウが開いて画像が表示されます。
画像が表示できれば成功です。

表示されない時のチェック項目


1)サーバーの状態をチェックしながら操作をしてみます。
Conquestなら「Server status」タブを押した状態で転送の状態を確認できます
K-PACSからで「ECHO」を打ってみます(やり方は上記)
K-PACSに「SUCCESS」と表示され、Conquestに何がしかのメッセージが表示されればOK
呼び出した方のAETなどが表示されているはず

Conquestになにも表示されない場合は、K-PACSの設定が間違っていそうです
K-PACSの「Dicom configuration」をチェックします
リストに表示されている
ECHO      Conquest(Example)      CONQUESTSRV1      127.0.0.1      5678
の3,4,5番目の設定がConquestの設定と合っているか確認します
CONQUESTSRV1 の部分はconquestに設定したconquest自身の呼び出し名
127.0.0.1 の部分はconquestが動いているパソコンのIP
5678 の部分はconquestに設定したconquestが使用するポートNoです

ここが間違っていなければ、conquestの動いているパソコンのファイアーウォールがポートの接続を弾いている可能性があります。ファイアーウォールの設定を確認します

それでもだめなとき・・・すいません、判りません

エコーが通るならリストを習得するところまではできるはずです
conquestの状態を見ながら「Serch」を押してみます
conquestに何がしかのメッセージが表示され、K-PACSにListが表示されるはずです

K-PACSに表示されたLISTをダブルクリックしてみます
conquestにメッセージが表示されます
転送するデータの個数が表示され、その後データを1個ずつ転送しているのがわかります
エラーの文字が無いか探してください。

ありがちな間違い


1.conquestにK-PACSが登録されていない、または登録情報が間違っている
conquestに登録されていなくてもエコーと問い合わせまでは動作しますが、データの転送はできません。「そんな名前のやつは知らん」というようなエラーメッセージが表示されます
クライアントのパソコン名、K-PACSのタイトル名、使用するポート番号を正しく設定します。
2.データの転送方法があっていない
conquestが非圧縮でデータを転送しようとしているのに、K-PACSが圧縮データを受けとろうとしている状態では転送できない場合があります。どちらも非圧縮にしておくのが無難かも知れません。
3.conquestに保存されているデータの解凍、圧縮に失敗している
DICOMデータは非圧縮なのが基本ですが、今回はJPEG圧縮のDICOMデータを転送しています。conquestは転送する時設定によってデータを解凍したり圧縮したりしてから転送をしますが、フルカラーJPEG画像などはデフォルトで対応していないのでデータ変換エラーとなり転送できなくなります。
解凍用の外部プログラムが同じフォルダーにあるか確認しましょう。


原因不明の動作不良


1.K-PACSには圧縮データを受け取るオプションがありますが、これを使っても圧縮データは受け取ってくれません。BUG?
2.K-PACSが動いているハードディスクに空き容量が少ないと、一見データ転送は正しく行われているのにデータが転送されません、ハードディスクには余裕をもって使いましょう
3.K-PACSが動いているパソコンのOSがWindows XP Mediacentor Edition だと、うまく転送できません(できる時もあります)、そのパソコンを固定IPにして、conquestの設定をパソコン名ではなくIPで指定するようにするとうまくいくことが多くなりますが、それでもうまくいかないことがあります。今のところ原因特定できていません。
4.Listが表示されConquestでは正しく転送されているのに、K-PACSに画像が表示されない場合があります。データを消去するボタン「Crear local imagebox」(上記)を押すと回復します。原因特定できていません。



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2006/12/7