観察事例の概要

私が観察した採卵鶏の卵管嚢腫について、時期や概況等を下表に示します。
アンダーラインは写真です。ワクチネーションは別ページに掲載。

事例 観察時期 餌付時期
鶏種

観察メモ
1 1998年7月
169日齢
98年2月
TX-35
120日齢で導入し、140-169日齢で減耗(斃死+淘汰)1.07%と多いため訪問。169日齢で斃死鶏4羽・淘汰鶏3羽を解剖し、5羽に卵管嚢腫、卵墜を認めた。
2 1998年8月
205日齢
98年1月
TX-35
育成鶏の導入時に鶏冠の異常に大きな個体(ホルモン異常の恐れ)が目立ったという。28週齢の産卵率は75.9%で、卵殻異常も多い。205日齢で腹部膨満を示す無産鶏を淘汰解剖して、卵管嚢腫、卵墜を認めた。
3 1998年8月
240日齢
97年12月
マリア
腹囲の膨満と沈うつな姿勢を示す不良鶏1羽を解剖し、卵管嚢腫を認めた。同居群を観察したが他にはこのような不良鶏は見つけられなかった。産卵率はピーク92.0%
4 1999年5月
175日齢
98年11月
ジュリア
(d)透明液を貯めた嚢腫で拡張した卵管
貯留した透明液の性状を別記
4b 1999年7月
228日齢
98年11月
ジュリア
(e)拡張しながらもやや壁が厚い卵管 事例4と同群を観察。228日齢では175日齢よりやや収縮の印象
産卵率ピークは68%にとどまった。
5 1999年6月
204日齢
98年11月
TX-35
(a)下腹部の膨満
(b)皮膚を切開して拡張した腹壁を見る
(c)透明液を貯留し拡張した卵管
(f)嚢腫に著しく大きな卵殻様の形成
6 1999年6月
216日齢
98年10月
TX-35
(g)嚢腫に血様液が貯留
7 1999年7月
145日齢
99年2月
TX-35
8羽解剖した中で卵管嚢腫2羽で (k)少量の液体が卵管内に貯留 しているので初期症状と思う
8 1999年8月
248日齢
98年12月
TX-35
(h)腹腔内に軟卵殻
(i)卵管内に軟卵10個滞留
(j)総排泄孔から数cmで卵管が嵌頓して閉塞
(l)ミュラー管の水腫様変化