芋焼酎の飲み方
平成13年9月13日更新
・お湯割り
・生(き)
・水割り
・酎ハイ系統
・ウーロン茶割り
・お茶割り
・レモンスライスもしくはクエン酸添加
・鹿児島の焼酎と本州の焼酎とでは味が違うのか?
鹿児島県で焼酎と言えば一般的には芋焼酎を指しますが、奄美諸島では黒砂糖から出来た黒糖焼酎を愛飲しているようです。芋焼酎の銘柄がいくつあるかは失念しましたが、酒造所が大小合わせて100軒以上はあるそうですので、おそらく400を越すのではないかと想像しています。
←(薩摩の代表的な酒器「黒ぢょか」)
北は「鹿児島の北海道」と呼ばれる大口のような寒いところから、南はパパイヤも自生できる屋久島のような暖かいところまで、風土がバラエティーに富んでいますので、出来る焼酎も個性豊かなものが多く、私たちファンを喜ばしています。
芋(甘藷、私たちは唐芋と呼んでいますが)の種類によって出来る味は異なりますが、一般的には澱粉価が高く食べてもあまり上手くない黄金千金が使われています。焼酎は蒸留酒ですので、決まり切った飲み方はないのですが、今まで体験した芋焼酎の飲み方を紹介いたします。
お湯割り もっとも一般的な飲み方です。以前のコマーシャルで広められた焼酎7、お湯3の割合で割るいわゆる7:3(シチサン)は、ちょっとアルコール濃度が高すぎるようです。ほとんどが5:5もしくはそれより低い濃度で飲んでいます。
芋焼酎に慣れない方は匂いを敬遠しますが、私たち子供の頃からこの匂いをかいだ人間(別に子供の頃から飲んでいたわけではなく、父親が飲むので匂いに慣れただけです。念のために(^_^; )には、香りも楽しめ一度で二度美味しいと言うことになりますね。
←(筆者愛用のカラカラ)
お湯で割るとほのかな甘みを舌に感じ、肴(ショチュウショケと言います)がよりいっそう旨く感じますね。(^^) やはり本格的に焼酎を楽しみたい方には一押しですね。
特に飲む前夜に好みの濃度に割り水をすると、焼酎と水の分子が慣れ合い、アルコールの刺々しさが減少して、まろやかな味わいになり、とても飲みやすくなります。これを黒ぢょかないしカラカラに移して頂くのですが、両者とも陶器製ですので強い直火にかけると割れてしまいますので、遠火にしてじんわりと暖めるか、やかんや鍋で湯煎するか、お酒タンポで燗付けして酒器に移した方が無難でしょう。
(我が家では卓上コンロをテーブルに載せ、ダイエーで88円で買ってきたアルミ製の鍋で一合黒ヂョカを湯煎して燗付けいたします。)→
平成14年4月25日追記
(大型家電店で昔ながらのニクロム線使用の電気コンロを見付けました。 定価が5,000円で2,500円弱で売っていました。\(^o^)/
これだと湯煎に較べると暖まるのに時間は懸かりますが、一旦暖まると黒ヂョカの蓄熱効果があるのか冷めにくいです。 しかもコンロ自体もなかなか冷えませんので保温性抜群。 購入以来燗付けには必須アイテムになってしまいました。)→
私は以前はカラカラを電子レンジでチンして頂いていましたが、これだと酒器に悪影響はないみたいです。 ただ、湯煎したものとの味の違いがあるかも知れません。 佐藤酒造さんは電子レンジの使用を戒めておられましたが、薩摩焼酎研究の大御所蟹江先生は推奨していたような・・・(^_^;)
割水が出来なかった場合は、コップにまずお湯を注ぎます。そして後から焼酎を注いだ方がコップ全体が均一に良く混ざるようです。今は目盛り付きのコップをサービスで頂けるみたいですが、私は陶器の湯飲みの方が冷め難く良いような気がします。
←(お湯割り専用のグラス。7:3および6:4の目盛りが書かれている。)
お湯割りでの美味しい飲み方は焼酎伝道師の集い第14夜蔵元さんと語る会をご参照下さい。
生(き) 以前は焼酎を生で飲んでいたら、アル中扱いされかねなかったのですが(^_^; 、最近は甕壺で寝かせた手作り焼酎が出回り、私もどんな焼酎でも必ず最初に生で味わうようにしています。
←(薩摩切り子)
良い焼酎は淡麗でなおかつ味に深みがあり、何とも表現できない旨さがあります。ただ生で旨い焼酎はお湯割りにした場合芋の香りが少ないのが残念ですが、アルコール度数も25度とウイスキーの水割りとほぼ同じぐらいの濃度ですので、是非試して頂きたいです。これを味わうにはショットグラスか薩摩切り子のぐい飲みなどがあれば最高ですね。
水割り 普通の焼酎では辛みが引き立って、あまり一般的ではないのですが、最近芋臭さを押さえた焼酎が出回るようになり、結構美味しく頂けるようになりました。ただ、何となく水っぽくなるので、おすすめはやはりオンザロックでしょうか。
栓を抜いて匂いをかいだとき、あまり芋臭さを感じなかったらロック系統も良いでしょう。
それと、夏場だったらあらかじめ割り水した焼酎を冷蔵庫で冷やして頂くのもかなり行けます。 5:5程度、アルコール濃度は12〜13%位でも割り水によりアルコールと水が熟れることにより柔らかく、また芋焼酎のフレーバーを十分に発揮した味わいになります。 一度お試し下さい。
チューハイ系統 昔焼酎を飲み始めの頃、女の子にうけようと(^_^;)、サイダーやコーラで割ったりしていましたが・・・。中年になってしっかりとした味覚(笑)が出来てからは、人工的な甘さは嫌うようになり、最近では芋焼酎のチューハイは試したことがないのでよく解らないのですが、おそらく芋焼酎の味が優りあまり美味しくないのでは・・・と想像します。どなたかこのような飲み方をされてる方がおられましたら、どんなもんか教えていただきたいと思います。(自分では試す気にならないf^_^; )。
カクテルのベース用の芋焼酎が開発されると、芋焼酎の世界も広がり面白いでしょうね。
ウーロン茶割り 夏場に冷やしたウーロン茶で割るのですが、ウーロン茶と焼酎の味がかち合い今一つ好きにはなれません。好んで飲んでいる方は悪酔いしないとか言っていますが、元来芋焼酎は悪酔いしないのですから・・・。
お茶割り 熱い緑茶で割るのですが、意外や意外、これが結構いけます。お茶の香りと焼酎の香りが旨くミックスするのでしょう。悪酔いも少ないとか・・・。一度お試し下さい。
レモンもしくはクエン酸添加 お湯割りでもロックでもレモンのスライスもしくは薩摩化工のクエン酸Cを入れて飲むと、味に若干の酸味と甘みが増すようになるとともに、まろやかさが醸し出されます。私も以前は飲み屋で焼酎の肴(焼き魚etc.)にレモンスライスが付いていたら、絞った残りの本体を、焼酎の中に入れて楽しんでいました。 さすがに最近ではやりませんが・・・(^_^;)。
それと内山田(日本で最初にクエン酸を商品化した地域)の人は食卓には必ずクエン酸Cを置いているとか・・・。
鹿児島の焼酎と本州の焼酎とでは味が違うのか? 東京などで飲む芋焼酎は鹿児島で飲む同じ銘柄の焼酎と比べて、あまり美味しくないと言う話を良く聞きます。 私も名古屋に住んでいる頃は、故郷で飲む焼酎の方が数倍旨いと感じていました。 このことに関して薩摩酒造に勤めていた親戚に聞いたことがあるのですが、全く同じものを東京方面にも出荷しているので、販売地区による品質格差など絶対にないと断言されました。
おそらく割り水の違い・・・確かに名古屋の水はまずかったように思いました・・・と酒の肴の違いでそのように感じるのかも知れませんね。 新鮮なキビナゴや地鶏の刺身、ツケアゲ、ニガゴイなど鹿児島独特の酒の肴は都会ではどうしようもありませんが、割水を普通の水道水では無く名水系のミネラルウォーターにするとまた一段と美味しく感じていただけるのではないでしょうか。
焼酎の本格的なテイスティングは今村さんのページをご覧下さい。