小牧 

                        
小牧醸造(株)   薩摩郡宮之城町時吉12-1
         Tel  0996−53−0001
ゲットした日 : 平成14年6月2日
                     

小牧    
  福岡ダイーエーホークス2軍の試合が川内で開催され観戦に出かけた。 試合そのものは最終回ヤングホークス打線が爆発し、中日ドラゴンズにサヨナラ勝ちしたのだが、鹿児島縁の杉内投手や川崎宗則選手などを観られて充実した時間を過ごせた。 帰途少し遠回りして東市来の田渕酒店を訪ねようと車を市比野方面に走らせた。
  小生の位置感覚では市比野温泉街を過ぎるとすぐ目的の店が現れるはず・・・だったのだが、一向に山の中から抜け出せないでいた。 カーナビの付いていない前近代的自家用車故(例え付いていても使いこなせないのだが・・・(^_^; )道を間違ったと観念し、もう一度温泉街まで引き返し別の道を走り出した。 ところが、この道路では串木野方面にドンドン近づくではないか。(>_<)
  仕方なく再度温泉街に戻り最初の道を行くことにして、辿り着けなければ潔く諦めようと覚悟を決めた。 人家の全くない山中の道を走ること約10分、小さな集落が見えたと思ったら、すぐに田渕酒店の軒先だった。 いや〜、何処から行っても不安になるような凄い山の中ですな〜。(^^ゞ)

  タブッチャンお薦めの地焼酎の中で、迷いに迷って購入したうのがこの「小牧」である。(何故迷うかというと、経済的にも健康的にも全部は買えないから・・・(^_^;) 小牧醸造には「伊勢吉どん」というレギュラー酒があるが、最近はこの「小牧」の販売に力を入れているらしい。
  和紙包装が高級感を醸し出しており、ラベルは鶯色地に銘柄名が墨書されたシンプルなものである。 材料芋に有機栽培黄金千貫を使用し、黒麹カメ仕込みとかなりの拘りようである。 アルコール度数は25度、一升瓶の他に五合瓶もある。

  生で飲んでみた。 爽やかな芳香が立ち上る。 口に含んだ感じは繊細で柔らかく、後味もさっぱりしており、このままでもゴイゴイ行きそうである。
  ロックにすると、軽快な味ながら芯に芋の持つ個性がしっかりと浮かび上がって来る。
  5:5程度に割り水したものを燗付けすると、激情を抑制したかのように爽やかな甘味とふくよかさが感じられる。 そして飲むほどに魅せられて、ついつい杯を重ねてしまう危うさがある。(^_^;)

  一般的に芋焼酎に抱く硬質で男性的印象とは異なり、どちらかと言うとしなやかな女性的印象の味わいである。 しかしながら没個性で飲み易さを追求した焼酎とは激しく一線を画し、シルキーと形容したくなるような上質で滑らかな味わいは、飲むほどに旨さが倍加し、やがて虜になってしまいそうな妖艶さを感じる。 もっと大げさに言えば禁断の焼酎と賞賛さるべき味わいか。(^_^;) 
    #ただ単に小生が飲み過ぎるだけなのかも知れませんが・・・。(^^ゞ)

  薩摩焼酎の個性・バリエーションの豊富さを再認識させられた逸品である。 どの様な飲み方でも美味しいが、やはり生でシルキーな味わいを堪能したい。


                        平成14年6月20日記載