2003年のペナントレースが開幕した。星野阪神の2年目。今年こそ
優勝だ。いや、少なくとも8月頃までは優勝戦線にとどまってほしいものだ。
前評判はいいのだが、何せ負け出したら止まらない悪いイメージを
払拭できるか。とにかく去年のようなスタートダッシュを
期待したい。頑張れ阪神タイガース・・・・。




代打・浜中
(阪神4-3横浜) 5/27

同点の7回2死一、三塁という最高の場面で、片岡に代わって「代打・浜中」が
告げられた。大歓声がわき起こる。「あそこに行くと体が熱くなるんです」浜中は
火照る体を素振りで鎮めた。福盛が投げた144キロの内角直球。振り切った
バットは折れた。が、「ここまで蓄えた力を発揮するんだ」と言い聞かせた
打球は三遊間を破った。  ベンチで代打稼業の難しさを実感していた。
「1球ボールを見たら終わりですから代打はホント難しい」20日の広島戦(甲子園)
で右肩をねん挫。スローイングができないためスタメンから外れて5試合目。4番
に定着していた男にも自然と焦りが生じた。「結果を出して取り戻すしかない」
4回からベンチ裏でスイングして集中力を高め、見事な決勝打を放って見せた。
 「4番をもう一回、勝ち取らなあかん」と4日前にゲキを飛ばしていた星野監督も
「ハマは打つと思った。雰囲気があったよ」と目尻を下げた。「あした肩が良け
れば、シートノックに入ります」とこの日の主役はきっぱり。「4番・浜中」
がコールされる日は遠くない。このまま、苦手の梅雨を乗り切れ。


接戦を制す
(阪神4-3広島) 5/20

星野監督がよく使う「乗り遅れたやつ」。好調なチームの陰に隠れて、結果を
残せない選手のことで、桧山もその1人だった。開幕時は中軸を担っていたが、慣れ
ない一塁守備と打撃不振に苦しみ、今月に入ってから代打要員となった。この日も先発
を外れ、ベンチで戦況を見つめていた。  出場機会は突然訪れた。2回に浜中が右肩
を痛めて退場し、桧山が4番に入った。1点を追う4回1死三塁で内角直球を引っ張り
右前適時打。続く6回1死三塁から中前打を放ち、勝ち越し点をたたき出した。
3打数3安打2打点。久々に存在感を示し、安どの表情だったが「シーズンは長い。
もっと上昇していきたい」と気持ちは緩めなかった。  星野監督も目を細めた。33歳の
ベテランが練習前から1人で黙々と打ち込む姿を見ていた。桧山のような選手が控え
にいることは、層の厚さを示すだけでなく、チームに競争意識を植え付ける。「あい
つだけが乗り遅れとった。これでご乗車できたでしょ」。今季6度目の3連勝。
いよいよ独走態勢にはいったかな。う〜ん、まだ半信半疑・・・。

 
ムーアの一人舞台
(阪神1-0巨人) 5/17

1―0の勝利。9回のマウンドは守護神ウィリアムスに譲ったものの、
投手がもっともエキサイトする試合を平然とやってのけた。この男に関しては、
これ以上の称賛の言葉が見つからない。「打ってワンマンショー、投げてワンマン
ショー。他のやつらは何をやっとるんやと言いたくなる。久しぶりやな、こんな投手戦は。
しびれたわ」試合後の興奮冷めやらぬ星野監督の言葉がすべてだった。  投げて
は8回をわずか4安打無失点。打っても唯一の得点を叩き出す適時打を含む
2安打1打点。登板8試合のうち安打を放った7試合はすべて白星で、
打率も4割3分5厘と異様な数字を記録している。「巨人戦は独特な雰囲気で、
いつも以上に力が入ってしまった。先のことを考えず集中したよ」不安定な立ち上が
りを見せるなど、万全ではなかった。しかし、完ぺきに試合を作り上げてしまう
余裕があった。 1点差の試合はほんとうにドキドキすくが勝ったときの
喜びはまた、嬉しさが倍増する。今のうちに貯金を増やそう。


やっと勝てた
(阪神10-2中日) 5/6

阪神井川が01年6月14日以来となる中日戦白星を挙げた。
3年越しの中日に対する連敗を6で止めたうえ、今季3度目となる
川上との投げ合いを初めて制し「何とか粘ってゲームをつくれた。うれし
いです」と喜んだ。  ただ、捕手の構えから大きく外れたコースへの投球も多く、
佐藤投手コーチは「調子は良さそうには見えなかった」。リードした矢野も
「苦しかった。結果がすべてだけど、次は内容を良くしたい」と
ほっとした表情だった。初回に2ランを打たれた時は
ヤバイと思ったが尻上りに調子をあげて
7回を投げきった。


金本大活躍
(阪神8-6巨人) 4/29

阪神に移籍後初、憧れてきた甲子園でのTG戦デビューで、
いきなり3打席連続タイムリーの離れ業とは…。28日の“主役宣言”
を即、結果にうつし、堂々と今季初のお立ち台に上がった。  「大歓声? 
想像していたより、すごい。勇気をもらいました。巨人は強いし、強力なチーム
に勝つと2倍嬉しい。これからも全神経、全体力でぶつかっていきます」
 割れんばかりの5万3000人の絶叫。最高の“初体験”に、笑顔が
弾けた。頼りになる3番打者には、お立ち台がよく似合っていた。
ペタジーニの満塁ホームランが出たときは負けを覚悟したが
今年の阪神は金本の加入で打線はたくましくなった。
このところ、先発陣が打ちこまれて大量点を
奪われる試合が多くなった。今日は
藪か井川だと思うが、しっかり
投げてね。


大逆転勝ち
(阪神11−5中日)  4/22

一瞬の静寂が、ナゴヤドームを包んだ。浜中が打ち上げた打球を、皆が
見上げた。長い滞空時間。天井近くまで上がった白球が、大きな放物線を
描いて左翼席に落下したとき、大歓声が沸き起こった。5回1死満塁。カウント
1―0から飛び出した8号グランドスラム。「絶対打ってやろうと思った」4番の
重責を担う男は、感触を楽しむようにダイヤモンドを一周した。  “悪夢”を振
り払う一発だった。昨年、8月9日のこのカード。守備でダイビングキャッチ
試みた際、左手親指を骨折したのが、このナゴヤドームだった。長期離
脱を余儀なくされた因縁場所で放った価値ある一発。「あの打席では
一打、一球に臨む集中力があった」昨年8月7日の広島戦(広島)
以来、プロ通算2本目の満塁弾。これで8ホーマー、29打点と
リーグ2冠に立った主砲は、最高の結果に、笑顔を振りまいた。
 中日を突き落としたのが4番打者なら、勝利の立役者は5番・桧山
だ。4―4の同点で迎えた3回。右翼ポール際に勝ち越しの4号ソロ。「う
まくバットに乗ってくれた」と、選手会長は自画自賛した。HH砲の2試合連
続アベックアーチで逆転勝ち。「普通よ。普通。セオリー通りになったね」と、涼
しい顔の田淵チーフ打撃コーチ。猛虎打線に、手がつけられなくなってきた。


巨人に連勝

阪神が今季最多の17安打で首位浮上。3−3の八回二死三塁から代打矢野が
遊越えに安打して勝ち越した。九回は桧山の適時二塁打、アリアスの6号2ランで
ダメを押した。下柳は5回3失点。六、七回を抑えた吉野がプロ初勝利を挙げた。
巨人の上原は球が高く、6回を10安打でKOした。阪神は、打撃陣が好調で
終盤のアリアスのホームランなどで快勝して、首位に立った。


藤川初登場
(4月8日)

開幕一軍から外れた悔しさを、ボールに託した。阪神・藤川が中継ぎで
今季初登板。九回から2イニング、打者6人を完全シャットアウト。味方打線の
奮起を呼び込む、気迫の投球を見せた。  「自分なりにはいい投球ができたと
思います。でもチームが負けてしまってはね。もっとチームを勢いづける投球をし
たいと思う」  2点ビハインドの九回。敗色濃厚だった流れに待ったをかけた。
クルーズ、谷繁、関川の3人をMAX144キロのストレートをインコースに
集め、あっさり打ち取る。その裏、浜中が起死回生の同点3ラン。
藤川の好投が呼び水になった。  延長十回もあっさり片づけ、
最高の感触のまま降板した。あくまで希望はスターター。
与えられた役割で結果を出し続ければ、先発マウンド
はすぐに訪れる。阪神の救世主になれ。



俺は四番打者だ
(4月3日)

これが四番だ!阪神・浜中おさむ外野手(24)が完全復活。二回に
今季1号となる先制ソロを左中間席に放り込むと、七回には一死満塁で
決勝の中犠飛を放った。目の前で金本が敬遠される屈辱を力ではね返して
みせたオレをナメとんのか!温厚な浜中が怒っていた。当然か。2―2の七回
一死二、三塁から目の前の金本が敬遠されたのだ。体内の闘争心総てに
火がつくのも無理はなかった。打席で思い切り長谷川をニラみつけた。
 「納得なんかできませんよ。二度も目の前で敬遠されて、気分が
いいはずなんてないでしょ。ハラも立ちます。ナメるなよってい
う気持ちも、そりゃありました」と浜中のプライドに火が
ついた。次のこの調子で驀進だあ・・・・。


金本コール
(4月1日)

連呼が止まらない。地元、生まれ育った広島市民球場で
「カッネッモット!カネモト」のコールが続く。タイガースの帽子を
振って応えると、スタンドのボルテージはさらに上がる。  地元での
古巣との対戦。しかも相手は1歳違いで気心も通じていた佐々岡。気合の
入り方は違っていた。初回の第1打席で140キロの内角直球を中前に運ぶと、
六回にも中前打。圧巻だったのは七回の4度目の対戦。「打ち取りたい」
「打ってやる」の思いが火花を散らし、フルカウントから5球ファウルで
金本は粘り、11球目に四球で出塁。「ケンカしてこい」の星野指令
に、ガチンコ勝負で応えてみせた。  「あの四球が大きかったね。
つないだあと、浜がよう打ってくれた。打ってくれたことで、大したことのない
プレーが大きいものになったからね」  心配していたスタンドの反応もFAした金本
に好意的だった。第1打席での「三番・金本」の場内アナウンスに、広島の
ファンからも拍手が起こった。「あの拍手は嬉しかったし、びっくりした。
ジーンと来たよ」ユニホームは代わっても、夢と感動を与える姿勢
は変わらない。こみ上げてくるのを、タテジマの三番打者
は抑えることが出来なかった。


黒星スタート
(3月28日 横浜戦)

期待の井川が開幕の重圧に押しつぶされてしまった。(涙)
新球のカーブはそこそこキレていたものの、直球、チェンジアップと彼の球筋は
全体的に高かった。二回の2失点も、三回の3連打も、球が上ずった所を痛打され
ている。  どうして!? 心理面を分析してみるとこうだ。昨年の開幕・巨人戦はガム
シャラに、無我夢中で投げていた。昨年と違い、今年は周囲から勝って当たり前、むしろ
勝ちを計算されてマウンドに上がっている。しかも、前日まで調子もよく、「慎重に
いこう」というよりも「勝つぞ、勝てる、勝たなければ…」という意識の方が強
かっただろう。そういう意識が力みを生み、過度な緊張感を生んだはずだ。  
微妙に力が入り過ぎたため、全体的に球が上ずり、甘く入った。
二回の吉見、三回のウッズのタイムリーは前者が直球、
後者はスライダーだったが、いずれも“らしからぬ”
高めの棒球だった。 次回ニ期待しよう。

 
横浜に勝ち越し
(3月30日)

開幕の3連戦は、どうにか勝ち越した。しかし、まだ、不安も・・。
阪神が逆転勝ちで2連勝。1点を追う6回にアリアスの二塁打を足場に、
古木の失策で追い付き、なお無死三塁から藤本が勝ち越し右前打。9回一死三塁
からは、野選で1点を加えた。終盤の継投も決まり、7回二死から無安打救援の
ウィリアムスが初セーブをあげた。この3連戦では先発投手陣が今一つ
振るわなかったが、抑えのウイリアムスは安定感のある投球を
みせた。次回登板が予想される藪、太陽に期待したい。


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