後半戦スタート(7月)


57勝22敗という信じられないような成績で前半戦を折り返した。
2位ヤクルトに14ゲーム差をつけての独走である。開幕前には誰が
この成績を予想したでしょうか。神懸り的な逆転勝利などもあり、何よ
りも怪我人(4番・浜中の負傷欠場はあったが・・・・)が少なかったの
も幸いした。しかし、なんといっても金本選手の加入が貧打阪神
を猛打阪神に衣がえする引き金になったことは否定できな
い。チーム打率が3割を超えているのだから・・・。

さあ、後半戦はどんな戦いをみせてくれるだろうか。



ヤクルトに連敗
(阪神2-5ヤクルト) 8/7

先発の川尻が4回KO。打線も3併殺などつながりを欠いた。
そして、暗雲の象徴が八回だ。先頭の桧山がカウント1−1から
ファウルを打つと、左腰の付近を押さえたまま、立ち尽くす。左手を
腰に当て、ベンチへ歩き始めた時には、すでに『代打・中村豊』がコール
されていた。  「スイングした時? そうやね。スジがちょっと、つった感じ」  
荷物は一切持たず、桧山は渋い表情でバスへと歩いた。「(故障は)
腰背中の間。あす(8日)、途中下車して大阪市内の病院に行く
方向です」と猿木トレーナー。宿舎に戻った星野監督も
「抹消や」と早々に断を下した。6月13日の浜中に
続く4番の離脱だ。  「まさかの連敗? 俺も、まさかやな」  
試合後、笑みさえ見せた闘将だが、心の底は決して笑ってなどい
ない。ここからのカウントダウンこそが、猛虎の本当の正念場。
甘えを許さない厳しい戦いが、待ちうけている 。
気分転換して出なおしだ。


赤星・ホームラン
(阪神3-7ヤクルト)8/6

長期ドードの初戦は赤星のホームランで先制したが
下柳、藪が打たれて逆転負け。黒星スタートになったが・・・。

三回二死二塁からの1号2ラン。ルーキーイヤーの01年8月4日の
広島戦(広島)以来、実に993打席、732日ぶりの一発。大穴が放った
プロ通算2号本塁打に神宮の杜が沸いた。  「久しく打っていなかったからね。
そりゃあ、うれしかったよ。得点圏にランナーがいたし『とにかくヒットになってくれ。
フェアゾーンに落ちてくれ』と思った。感触? それは覚えていないなあ」  
狙い澄まして振り抜いた結果、生まれたジャストミートだった。
ヤクルト先発・高井が投じた内角よりの初球、127キロスライダー。
力強い打球が低い弾道でポール横をかすめながら右翼席
に消えた。 このところ打線も勢いがかげり、投手陣
もピリッとしない試合が続いている。 


伊良部復調
(阪神7-1中日) 8/3

死のロードを前に中日に勝ち越し気持ちよく
甲子園を高校野球に明け渡すことができた。(拍手)
阪神が初回、流れるように3点を奪った。先制点の重み。
勝利への姿勢と強さを示すことで、流れを完全に引き寄せた。
 1死から赤星が左前打を放ち、すかさず二盗。赤星にリズムを
狂わされる投手は多い。平松も金本に四球を与え、あっという間に
一、二塁とされた。  この日は桧山がリフレッシュのため6番に移り、
4番は八木。「つなぐことだけを考えた。それがうちの強さだから」。
進塁打の意識が右前打となり、先制点をたたき出した。続く
アリアスは初球から攻め、左前適時打。2死からは
矢野が変化球を中前に打ち返し、3点目を加えた。
 右打ち。初球打ち。センター返し。開幕から貫いている
基本通りの打撃だ。「(打線に)入れた選手がいい仕事をし
てくれる。久しぶりにいい感じやったね」と、星野監督も満足
そうだった。  個々に疲れは出ているが、チームの勢いは衰え
ない。控えが存在をアピールし、不振の選手はしばらくた
てば息を吹き返す。好調な選手も努力する。8月に
入っても、好循環は続いている。甲子園に
帰ってくるころは、ほぼ優勝もきまって
いることだろう。楽しみに待とう。


横浜に逆転負け
(阪神6-9横浜) 7/31

2番手・谷中と3番手・金沢が一発攻勢に沈んだ。
谷中は二回一死一、二塁で救援し、ピンチを遊ゴロ
併殺打でしのいだが、三回に小川、万永にソロを2発。
四回にも多村に2ランを喫した。さらに金沢も六回に金城に2ラン。
 「何もないんで」。試合後の谷中はうなだれた。「四球と本塁打、安打
と本塁打は完全に投手の責任」。西本コーチは厳しい言葉で奮起を促した。  
星野監督の怒りは、ふがいない中継ぎ陣にも及んだ。下柳を救援した
谷中が、小川、万永、多村に次々と被弾。金沢も火に油を注ぐ内容
だっただけに、試合後の記者会見でブチ切れ、“投手失格”を
言い渡した。  「(2番手から)あとはピッチャーやないやろ! 
一番やっちゃイカンことをやっとる」  監督が怒ったのは、
四球から多村に一発を浴びた谷中。さらに、投手の山田に
中前打され、金城に右翼席へ放り込まれた金沢にも怒りを露に
した。安藤、リガンらが安定しているだけに、残りの中継ぎ陣の
奮起も促したいところ。ここが引き締め所のようだ。
ここまで順調に勝ってきたのだからこんな日
もあるでしょう。一つ一つ勝って
いけばいいのです。


安藤・完璧
(阪神3-2横浜) 7/30

セットアッパー・安藤が自身今季最長タイの2回1/3を抑え、
3セーブ目だ。  「八回を終わった時点で、もう1回行けと言われました。
九回はジェフ(ウィリアムス)かなと思ってましたけど、そう言われた時点で、
気持ちを切り替えました」  出番は、吉野が1点差に詰められる適時打
を浴びた後の七回二死一、三塁だった。4番T・ウッズに対し、強気の
直球攻めで追いこむと、最後は外の134キロで空振り三振。さらに
八回も2三振を含む三者凡退で、九回もマウンドへ。四球で走者
を許したものの、金城を投ゴロ併殺に斬って、きっちり締め
くくった。  「この間も(ムーアの)勝ちを消しちゃったん
で…。久保田が頑張っていたし、何とかしてやろうと」。
7月20日・広島戦(甲子園)。2イニング目の九回に1点
リードを守れず、先発投手の勝ちを消していた。ルーキーの
好投を、今度こそ無駄にするわけにはいかなかった。
このところ調子の上がらないウイリアムスに
かわって安藤が頼もしくなった。


伊良部 KO
(阪神3-6横浜) 7/29

伊良部の乱調…。わずか2回。被安打6の6失点という、
今季ワーストピッチは、すべてを粉砕した。  一回、二死一塁から、
T・ウッズに先制の25号2ランを浴び、二回も二死二塁から金城に中前
タイムリー。四球をはさんでさらに多村に左中間へ9号3ランを豪快に運ばれた。
スタンドの悲鳴ばかりが耳に残った。  コントロールに苦しんだ。痛恨のロン
グドライブを喫した2球は、いずれもカウント1−3からのストレート。指を
離れたボールは言うことを聞いてくれない。打者が甘い球だけを
待っているところに、吸いこまれるように軌道をとった。  
「ゲームを壊さないこと」。それが逆輸入右腕が口にして
きたスターターとしてのプライド。完全無欠とは言わないが、
ゲームをつくるという観点でそれに失敗した試合は、数えるほど
しかない。伊良部でもこんな時だってある。わかっているが、星野
監督は辛口になるしかなかった。  「2、3点で終わっていればよかった
けど…。全部、高めに浮いて、大きいのをもっていかれた。多村のも
あんなに飛ぶと思わんかったしな。しゃあないわな。先発があれ
ではなぁ」  3月29日。開幕2戦目にハマスタで7年ぶりの
日本での勝利を飾り、伊良部から始まった対横浜戦の
チームの連勝(16)は、伊良部で終わった。


マジック34
(阪神8-1中日) 8/28

昨日は中日に大敗したが、今日は井川が好投し、いつもの打線
に戻って中日に快勝した。そんな中で星野監督が異変を訴えた。
阪神星野監督が初回の攻撃途中から体調不良を訴え、5回表に復帰する
まで1時間以上にわたってベンチから姿を消した。星野監督は試合後の会見
で「気持ちが悪くなった。吐いたんや。胃の後ろをマッサージしてもらった」と説明。
自らの足でバスに乗り込み、球場を後にした。杉田トレーナーは「血圧が165
ぐらいまで上がった。それでマッサージした。ちょっとしんどそうだったけど、
今までの疲れが出たんでしょう」と心配顔で話した。勝てば勝つほど
ストレスが溜まるそうです。これで優勝を逃せば大阪いや日本に
居れなくなると考えることもあったらしい。我々が考える
以上の重圧があるのですね。


さよなら勝ち
(阪神1-0ヤクルト) 7/23

苦手のヤクルトに3連勝。これが勢いか・・・。
延長11回2死満塁、沖原が思い切りたたきつけた打球に、
魂が乗り移る。一塁手・度会のグラブの手前でポーンと勢いよく
はねた。右前に抜ける適時打でサヨナラ勝ち。一塁ベースを回った
ヒーローは、メガホンのシャワーでナインにもみくちゃにされた。  「気持
ちいい。最高ですね」昨年7月25日の巨人戦(甲子園)以来のサヨナラ打で
お立ち台に上ったプロ3年目の男は、汗をぬぐって白い歯を見せた。ベンチ
を出てネクストバッターズサークルに入る前に和田打撃コーチから耳打
ちされた言葉が、ずっと頭に残っていた。「低めは捨てて高めだけを
狙っていけ」カウント2―1からの4球目。高めが来た。「狙い通り?
 そうですね」としてやったりだ。この試合、久保田が先発し、
9回まで完封した。勝ち星こそつかなかったが、今後
につながる投球になった。(拍手)

 
久慈、さよなら打
(阪神5-4広島) 7/20

前夜は広島の黒田投手に完璧に抑えられ完敗。
今日もムーアが打ちこまれ、打線も後半はチャンス
がつくれず、延長戦にもつれ込んでしまった・・・・・・。

しかし、久慈の一打が、今季4度目のサヨナラ勝ちに導いた。
延長11回1死一、二塁、久慈が強振した白球は、浅めに守って
いた広島内野陣の頭上を越えていった。ナインから手荒な祝福を
受けた34歳。鋭い振りとベテランらしい配球の読みが快打を支えた。
打席に入る前、和田打撃コーチからの「上を向かずに低い球を打て」と
いう指示に、力強くうなずく。そして「追い込まれたら、フォークがくるから」
と、初球の直球を狙い打ちした。久慈は「総力戦でした。今のうちは
全員野球が徹底していますから」と笑顔を見せていた。また
ヤクルトが負けたためマジックは43になった。


後半も白星スタート
(阪神5-4広島) 7/18

先発の藪がピリットせず、苦しい試合になったが、
リリーフの安藤が9回の大ピンチをしのぎ、チームを救った。
リードは1点の場面。抑えのウィリアムスが3四死球の大乱調
で急きょマウンドへ。普段はセットアッパーを務める安藤を迎え撃つ
のは、この試合2本塁打のシーツ。「打者に気持ちで負けない
ように。気迫でいきました」。2死満塁カウント2―1から
最後は148キロの速球で空振り三振に打ちとった。
5月3日以来となる2セーブ目に「チームが勝って
良かったです」。ほおを流れる汗をぬぐおうとも
せず笑顔で話した。これで後半も白星
スタートになった(拍手)。


オールスター第2戦
(セ5-3パ) 7/17

第2戦は阪神勢が大活躍、金本、アリアスのホームランなどで
パリーグを圧倒した。投げては伊良部がきっちり抑えて勝利に貢献した。
阪神勢が、おとなしく球宴を終えるはずもない。第2戦は、金本知憲外野手が
1回に右越えへ先制ソロ、3回には左越えへ2打席連続ソロ本塁打を放ち、
96年以来のMVPに輝いた。アリアスも2戦連発と気を吐き、投げては
先発した伊良部が7年ぶりに帰った千葉マリンで3回2安打3奪三振
の快投で94年以来の球宴勝利を手にした。猛虎が、さらに勢いを
つけて真夏の祭典は終了。さあ、後半戦が始まる。


オールスター第1戦
(セ4-4パ) 7/15

今年のオールスター戦は、パリーグ対阪神の戦いの様相
を呈した。スターティングメンバーは、井川、矢野、桧山、金本
今岡、アリアス、赤星と7人が名前をつらねたのですから・・・・・。
 オールスター第1戦の全セ先発・阪神井川は大舞台での投球を終えて
満足そうだった。「上出来ですよ。きょうは楽しかった」と笑顔。3回には
オリックス谷に直球を打たれソロ本塁打を浴びたが「四球を出したく
なかったんで、ストライクに投げた。仕方ない」と悔いはなし。
パ・リーグの本塁打王を争う2人・西武カブレラと近鉄ローズには
堂々と直球勝負。見事三振に仕留めるなど球宴を満喫した。  公式戦
の前半はリーグトップの11勝を挙げているが、ピリっとしない試合も多かった。
この日は思い切り腕を振り3回1失点と、後半戦へ向けエースが力強い
投球を見せた。この試合、アリアスが先制のホームランを放ち、
優秀選手賞を獲得した。他の選手は残念ながら目だった
活躍はなかった。後半戦に備えて遠慮したの
でしょう。第2戦は、伊良部が先発の
予定だそうです。


貯金35

甲子園で13日に予定されていた阪神―巨人戦は雨のため中止。
阪神は貯金35での前半戦ターンとなった。  「貯金35なんて誰が
想像した? オレだって想像しなかったよ」。前半戦を振り返った星野
監督は、笑顔で話した。独走した要因を聞かれ「あれが原点になったな」と
監督が話すのが、4月11日の今季最初の巨人戦。9回に6点差を追いつか
れ、結局引き分けた。「勝負の厳しさを、骨の髄まで与えてくれた」  ペナント
レースは残り60試合。田淵コーチは言う。「これからが胸突き八丁。山あり、
谷ありだよ」。選手に優勝経験がないだけに、気持ちを引き締めている。
 15、16日にオールスターを控え、選手はリラックスムード。
チームが好調なだけに、赤星は「本当はこのまま試合をやりたい」
と残念そう。それでも「いい調整の場にします」と明るく話した。

オールスター戦はリラックスしてゲームを楽しんでほしい。

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