スト−ブリ−グ

来年の優勝に備える阪神情報
サインする伊藤投手
                                鹿児島・国分市野球場
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12/20
ようこそ片岡選手

阪神・片岡誕生

阪神片岡がついに誕生した。日本ハムからFA宣言した片岡篤史
内野手(32)が、東京都内のホテルで阪神へ移籍することを表明した。
「きょうの2時まで考えた結果、阪神タイガースに行ってもう一度野球
を見つめ直して頑張りたい」。阪神入りを表明する声はか細かった。
途中、何度も言葉に詰まった。まさに究極の選択だった。決断の日
の朝を迎えても結論は出せなかった。午後1時過ぎ。「ほんまに
迷ってんねん」と涙声で父・寛十郎さん(62)のもとへ電話した
という。悩んでも悩んでも答えは出なかったが、発表予
定時刻1時間前のタイムリミットぎりぎりで決断
にまで漕ぎ着けた。
最後は幼少時代から憧れ続けたタテジマと甲子園が決め手になった。
甲子園で初めて阪神―巨人戦を見たとき、父・寛十郎さんに「僕は
ここで野球をする」と誓った。日本ハムから指名された92年の
ドラフト直後に「セ・リーグで野球をやりたい」と断った経緯も
ある。「関西で生まれ育ち、甲子園で野球をしたいというの
が夢だった」。その夢は実現した。「生半可な気持ちで
は決められなかった。大げさかもしれないが、
大阪に命がけでいきたい」と、新天地に
かける熱い思いがにじんだ。

12/14
一致団結

気分一新

岡田2軍監督の心にかかっていたモヤモヤが、久しぶりに晴れた。
「スピーチに入って来て、ビックリしたわ」。上坂の披露宴に出席して
いた岡田2軍監督をも仰天させた、星野氏の乱入パフォーマンス。
しかもその後、星野氏は自らの席に足を運んで来た。時間にして
15分。お互いに「あいさつ程度」と言った緊急会談だった。それで
も猛虎再建へ、2人が気持ちを一つにするには、十分の時間
だった。「一緒に力を合わせて、やって行こうということ。
(星野さんは)知らんこともあるから、力を貸してくれや、
ということやった」。

久万オーナーを筆頭に、球団幹部も将来の監督候補であることは
認めている。星野氏もまた、阪神で成功するためには、選手の信望
が厚くファンの期待も大きい岡田2軍監督の協力が、絶対に必要で
あることを痛感している。「だれよりも、今の若い選手のことは
知っているからな」。意思の疎通を欠いた野村政権時からは
一転、一丸となってタイガース再建に臨む。

11/19
ドラフト会議結果

ドラフト結果

今年度のドラフト会議で以下の選手の交渉権を獲得
しました。誰が一軍枠に飛び込んでくるか楽しみ
です。第2の赤星誕生なるか。

安藤優也投手・23歳(トヨタ自動車)
浅井良捕手・22歳(法政大)
桜井広大外野手・18歳(PL学園)
中林祐介投手・18歳(金沢高)
藤原通内野手・22歳(立命大)
喜田剛外野手・22歳(福岡大)
梶原和隆投手・22歳(愛工大)
東辰弥捕手・22歳(早大)

10/8
阪神1-7広島

藤田太陽、無念
赤星盗塁 39

57勝80敗3分

阪神の今季全日程が終了した。4年連続最下位は決
まっていたが、最終戦でも広島に敗れ、2年ぶりの80敗
(57勝80敗3分)の大台に乗った。就任以来、3年連続最
下位に沙知代夫人の脱税疑惑問題も抱える野村監督は
「ファンの期待を裏切って大変申し訳ないと思っている」と
謝罪した。最下位が確定した4日のヤクルト戦後に「お前ら
人間じゃない」とマスコミ陣に激怒したが、一転、静かな口調
で懺悔の言葉を口に。11日には阪神電鉄本社に久万俊
二郎オーナーを訪ね、3年連続最下位の報告を行う。
正式続投のカギを握る沙知代夫人の脱税疑惑問
題がはっきり決着していないが、その席で自分
から辞任を申し出ることはまずなさそうだ。

10/4
阪神4-4ヤクルト

藪が気迫の投球

胴上げ阻止

ただでは引き下がらない。転んでもすぐ立ち上がる。ネバー
ギブアップの精神が結実した。俺たちにだってやればできる―。
目前の胴上げ阻止と、球団史上初の4年連続最下位を免れるた
め、虎戦士が全員一丸となって力を集結した。 初回に伊達が3
ランを浴びて、いきなり苦境に立たされたが、反骨心は少しもなえ
ていなかった。4回2死一、三塁から藤本が中前適時打、そして
代打・山田の左前適時打で同点とした。加速した勢いは衰えない。
続く上坂が左前に逆転打。カツノリ、藤本、山田、上坂の小兵部隊
の4連打で一気に形勢を変えた。 背水の陣で臨んだ一戦で、赤星
が念願の記録を樹立した。3回、2死三塁。ホッジスから反撃の口火
を切る中前適時打を放つと、打者・浜中の3球目に37個目の盗塁を
決めた。今季限りでの勇退を発表した長嶋監督が58年にマークした
盗塁数が37個。21世紀のタイガースを背負う赤星が、ミスターに肩を
並べた。 一戦必勝のスタンスは変わらないが、目前の胴上げ阻止
という材料が、さらに野村阪神の闘志を駆り立てる要素になった。弱
者に消化試合という言葉はない。敵を倒す。その姿勢はいつでも
変わらない。 結局、延長12回引き分け。最下位は決定した
が、合い言葉だった「目前胴上げの阻止」には成功した。

10/1
阪神5-0巨人

井川、防御率トップに
赤星、盗塁36

和田の引退試合

涙が止まらない。すべてを終えた和田が、ダイヤモンドに1人
立った。「タイガース一筋、17年。現役をまっとうできたことを誇り
に思います」。上ずった和田の声が、甲子園に響いた。今季初の
スタメンは、二塁の守備位置だった。スタンドは、フラッシュ光線で
満開。地響きのような声援が、体を包む。5万観衆の視線を集める
中、和田のプレーはいつも通りだった。2打席目。入来の144キロ
真っすぐを流し打った。いつもより広めの一、二塁間をゴロで抜けて
行く。今季5本目。通算1739本目が、現役最後のヒットとなった。
試合前、あこがれの長嶋監督から色紙をもらった。「うれしい
ね」と、少年のように目を輝かせた和田は、同じ千葉県出身
の長嶋監督と、同じ日に“引退”。汗が染み込んだ二塁の
土の上で、和田の体は3度、宙に舞った。

9/30
阪神4-1中日

赤星35個目の盗塁

長嶋効果

宿敵・長嶋監督が甲子園にビッグな“置き土産”だ。突然の
辞任発表から一夜明けた29日、10月1日の巨人戦の前売り券
が驚異的な勢いで売れ出したのだ。球場サイドも「長嶋監督さま
さまですわ」と笑いが止まらない。 もともとこのカードは阪神の
功労者和田の引退試合。盛り上がる要素は十分あったが、それ
でも巨人の優勝が絶望的になって消化試合の感が否めなかった。
それが、前日の長嶋監督の辞任発表で急変した。 午前10時の
販売開始を前に、チケット売り場には100人ものファンが詰め掛け
た。電話での問い合わせも相次ぎ、この日のうちに内野の特別指
定席はすべて売り切れ。特に三塁側の売れ行きがハンパではな
いという。 消化試合のチケットが一転“プラチナチケット”に変
身。当初は2万から2万5千人と見られていた入場者も「天
気次第でその倍はいくでしょう」(球場サイド)と、10月の試
合では異例の5万5千人の大入り満員になる可
能性もある。
9/24
阪神3-1中日

ハンセル好投

上坂ホームラン

来季の星

さわやかな秋空広がる甲子園。上坂の打球は、伸び行く無限の
可能性を感じさせた。同点の5回、二死二塁。バンチの内角いっぱ
いの真っすぐにも力負けはしなかった。左翼ポール際へ運んだ決勝
の6号2ラン。今季初めて右投手に見舞った一撃だった。 「積極的
に行くことだけを考えた。とにかく、気持ちで打とうと…」。ファイター・
上坂がお立ち台で叫んだ。 そして、もう1人。浜中だ。初回、バック
スクリーン左へ豪快な12号ソロを放った。「少し差し込まれたので入
るとは思わなかった」と謙そんしたが、それでもスタンドまで運んでし
まうパワーが魅力だ。 観客動員は何とか最低ラインの200万人を
突破した。「勝たなきゃ、見に来てもらえないですよね」と、しみじ
み口にした上坂。来年こそは勝てるチームへ―。役者は
確実に成長している。

9/20
阪神2-1巨人

カーライル好投

浜中、決勝弾

渾身の一撃だった。同点の九回、一死無走者。攻撃前にベンチ前
で組まれた円陣でカツが入った。「カーライルのために何とかしてや
れ!」。松井ヘッドのゲキだった。0―2からの140キロ直球。一心
不乱に振り抜いた打球が、連敗脱出の11号決勝本塁打となった。 
「東京ドームは相性がいいんですよ。ここに来ると、何かヒットが打
てそうな感じがする。カーライルも頑張ってたし、打てて本当に良
かった」と東京ドーム4本目、巨人戦5本目となるアーチに
白い歯がこぼれた。

9/18
阪神4-8巨人

赤星、32個目の盗塁

ハンセルと四球

ハンセルが4回、突然崩れる。一死から安打と2四球でピンチを招
くと仁志に適時打。二死後、高橋由に逆転満塁弾を食らった。イラ
イラは頂点に達していた。揚げ句、清原への初球は頭部付近へ。
 これを審判団から危険球とみなされ、以後、警告試合に。その直
後、野村監督はハンセルの交代を告げた。しかし、ハンセルを責め
たわけではない。試合後は、球審の判定への不平不満を爆発させ
た。 再び進退問題がクローズアップされているなかで前日、「それ
なら目標をもって頑張りましょ」と言って、巨人戦残り4戦全勝で85
年以来16年ぶりのG戦勝ち越しを目指して東上した。 その目標
も失い、「巨人中心のセ・リーグ。自然にそういうふうになっち
ゃう」と、精一杯の皮肉をつぶやいていた。

9/11
阪神8-1ヤクルト

ハンセル好投

9月、初勝利

観衆は今季ワースト2の1万5千人だった。弱くても見放さずに
足を運んでくれたファンにナインは猛打で感謝の気持ちを表した。
貧打が定着していた打線が、10試合ぶりの2ケタ安打となる13安
打で8点を奪った。ようやく9月初勝利を挙げた。監督通算1300
勝を手に入れた野村監督は「うまくいくときは、うまくいくもんじゃの
う」と、やれやれといった表情で話した。8月29日の巨人戦(甲子園
)で王手をかけて「記録のためにやっているわけではありません。
全く関心はない。記録で人生を送れません」と無関心を示してい
た。それよりも収穫は理想の攻撃パターンで点を積み重ねたこと
だ。「少年隊ですよ、ウチの攻撃の中心は」と振り返ったように、
上坂、赤星が塁上をぎわし浜中、桧山、広沢のクリーンアップ
で返した。来季につながる攻撃だった。スタンドの虎党も、
久しぶりの六甲おろしを大合唱した。

9/9
阪神2-7広島

赤星29個目の盗塁
に成功

9月はまだ、1回も勝てない

 ドロ沼の6連敗。借金も野村政権2年目の昨年を上回る「22」に
まで膨れ上がってしまった。野村監督通算1300勝目前で、またも
や足踏みだ。弱さの象徴は5回に集約されていた。藪が先頭の代
打・町田にこの試合5個目の四球を与える。木村拓の送りバントを、
矢野が一塁へ送球。しかし、ベースカバーに入った上坂は矢野が
二塁へ投げるものと思い込み、何と“ヨソ見”をしていたのだ。上坂
は送球に手を出すことなく後逸。無死一、三塁に拡大したピンチで、
今季未勝利の藪は、東出の適時打にディアスの3ランと、あえな
くKOされた。自嘲気味に高笑いしてバスに乗り込んだ指揮
官。野村阪神1年目に作った最多借金「25」も、
一気に突破しそうな気配になってきた。

9/7
阪神3-4広島

赤星、盗塁を
28個に伸ばす

サヨナラ負け

スタンドからの「あと1人」コールが悲鳴に変わった。野村監督が
9回のマウンドに送った守護神・成本。制球が定まらず、敬遠を含
む3四球で二死満塁のピンチを招くと、代打・浅井に中前へ逆転
サヨナラの2点打を浴びた。成本は「守れなかった。申し訳なかった」
とうなだれた。 大阪を出発して札幌、名古屋、そして米子。日本列
島を半周しても区切りの白星はまたお預け。8月29日の巨人戦で
史上7人目の監督通算1300勝に王手をかけながら、5度目の
足踏みだ。「(成本は)13日ぶりか。ちょっとそれが気になって
いたんだけど。それが出ちゃった」とガックリの指揮官に、
日本海から吹きつける風は冷たかった。

9/2
阪神2-3ヤクルト

赤星盗塁を決める 27

赤星盗塁王?

鬼門・神宮から北の大地へ場所を変えても、首位・ヤクルトには、
歯が立たなかった。札幌ドームの半数以上を埋め尽くしたファンは
ため息の連続。その観客を唯一喜ばせたのが赤星だった。 三回、
四球で出塁すると浜中への初球でスタートを切り、二盗を成功。
「(塁に)出たら走るつもりだった。リードされた直後だったし」。通
算27個目の盗塁は、1948年に後藤次男が記録した新人最多
盗塁に並ぶ快挙。二塁ベース上の赤星に、客席からは大記録を
祝う喝采が贈られた。 残り27試合で球団記録更新も時間の問
題。さらに吉田義男以来、45年ぶりの盗塁王も現実味を帯びて
きた。「ここまできたら(盗塁王を)狙いたいですから」と赤星。 
札幌シリーズの連敗でチームは今季最多の借金「18」。
チームに希望を見出せなくなったが、赤星の
足が虎党の希望だ。

9/1
阪神1-7ヤクルト

あと一本がでない
いつもの阪神
札幌シリーズ

 5回。2死から谷中が稲葉に2個目の死球を与え、両軍選手
がグラウンドになだれ込んだ場面から局面は動いた。直後、
カツノリの構えたミットの位置から、大きく離れた内角高めに
変化球が吸い込まれ、ペタジーニが右越えに先制2ラン。
続けざまにラミレスにもソロ本塁打を浴び、形勢は一気に均
衡状態から、敗戦一直線へと傾いた。「(谷中は)気持ちの
整理がついてなかったのかもしれない。

でもサインを出した俺のミスでもあるし…。あの1球で
ゲームの流れを変えてしまった」とカツノリ。今季3度目の
先発マスクで喫した、初の黒星に唇をかんだ。西武時代の
98年に、プロ初勝利を挙げた相性のいい北の大地で
谷中が1球で崩れ、97年から続いていたチームの
北海道シリーズ連勝記録も「6」で途切れた。


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