8月の阪神

国分市野球場 2001/7
ウエスタンリーグ練習風景

8/29
阪神1-0巨人

井川、完封
広沢、決勝ホームラン
 
井川、巨人を完封

巨人を5安打、12奪三振で完封。6回と8回には一死
満塁で清原、松井を直球で三振斬り。27年ぶりとなる巨
人戦の1―0完封を、井川が気迫の投球で成し遂げた。
「最高ですね」。数少ない言葉の中に、井川は、精一杯の
喜びをこめた。164球の熱投。球数を聞かされても、井川
は笑っていた。試合後、敗戦の三塁側ベンチで松井が
言った。「手が出なかった。変化球が多かったけど、いい
ところに決まっていた。打てる球が少なかった」。完全に
白旗を掲げた巨人の4番。巨人戦の1―0完封は、74年
の古沢以来、27年ぶりの快挙だ。お立ち台では、六甲
おろしを歌った広沢に主役を奪われたが、ファンは
井川の背中にも熱い視線を送っていた。

8/28
阪神2-4巨人

桧山2ラン

巨人に負けたが

カーライルが珍しく好投し、7回までに八つの三振を奪う
力投を見せたが、いかんせん打線の援護がなく、負け
た。やはり一発が打てる外国人がほしいなあ。ところが
2軍におとされたエバンスが調子を上げているようだ。

エバンスが絶好調?ウエスタンリーグのサーパス戦で5打数
3安打2本塁打と大暴れ。不調で20日にファームに降格した
が、その後に調子が上がってきた。それでも本人は「今は、
バッティングの修正点をチェックしながら打席に入っているん
だ。それが結果になっているだけさ」と涼しい顔だった。

8/26
阪神4-4広島

藪、好投むなし

藪、無念

藪が7回を2失点と好投。勝ち投手の権利を得て降板し
たが、2番手の福原が打たれ、昨年6月以来の白星はな
らなかった。 せめて、チームに勝って欲しい。藪はベンチ
で大きなメガホンを手に、必死に声援を送ったがその願い
は通じなかった。4時間29分。大熱戦は今季初の引き分け
で、幕を閉じた。 右ヒジ痛から復帰後、3度目の先発。
11日の中日戦では7回を無失点も、打線の援護がなく、
自らの勝利はつかなかった。18日の横浜戦では、四回途
中で7失点KO。長い、長い、今季初勝利への道程。藪に
とっては、プロ8年目で味わう初の苦しみだけに、悔しくな
いはずがない。しかし、「やっぱり甲子園のマウンドは投
げやすいよ」と言った藪の笑顔だけが、救いだった。

8/24
阪神1-11広島

完敗です

最下位決定戦

 野村監督が年に1度の里帰りでとんだ赤っ恥をかいた。
満員に膨れ上がった西京極のファンの前で7月16日以来、
39日ぶりの最下位転落だ。まさに鬼門。昨年も6月23日に、
ヤクルトに0―1で敗れ、最下位に転落したのは西京極だ。
そして今年も。チームはこの球場で5連敗。お得意様にも見
放された。低迷を続ける阪神にとって、広島は唯一のオアシ
スだったが、5年ぶりの負け越しが決定。最下位争いの当面
のライバルに完敗していては、4年連続最下位の危機も
当然だ。厳しい状況を脱出するには、久しぶりに帰って
来る甲子園での白星しかない。

8/17
阪神7-0横浜

井川 初完封
赤星 3盗塁

井川、初完封

4年目の井川慶が横浜打線を4安打に抑え、6月14日以来
の7勝目を初完封で飾った。立ち上がりから安定していた。
140キロ台の直球とチェンジアップで打者のタイミングを狂
わせた。唯一のピンチは7回。1死一塁から小川にこの試合
最初の四球を与えたが、マウンドで動揺する気配はまるで
なかった。「最初からどんな場面でも粘っていこうと思って
いた」と井川。中根を右飛、続くドスターも141キロの
直球で中飛に仕留めた。 そして、ゆうゆう完封。

8/8
阪神7-3巨人

カ−ライル好投
桧山、浜中ホームラン
 
連敗脱出

3回、1死一、三塁の場面で桧山の放った強烈な打球は、
一塁手・清原の左足元をかすめ、右翼線へ抜けていった。
7月3日から続いている連続試合安打は、この一撃で背番
号と同じ「24」に到達。大豊(現中日)の持つ球団記録へ、
あと2試合、日本記録の33試合連続安打も視野に入って
きた。「大事な場面で打てたんでね。それは、本当に良
かったと思う」。連続試合安打だけではなかった。この
試合、5打数1安打に終わったが、その最終打席、今季
294打席目で規定打席に到達した。打率・307でセ
リーグ第9位の好成績。真の4番として堂々と胸を
張れる成績だ。
8/7
阪神6-7巨人

サヨナラ負け


広沢2本もホームラン

サヨナラ負け

 17年ぶりの巨人戦6連勝という夢は、はかなく消えた。
サヨナラ負け―。「狂ちゃった」。野村監督が第一声を発して
いるころ、右翼席からは、歓喜のメガホン。左翼席からは、
怒りの黄色いメガホンが無数に飛び散った。1点リードで迎
えた9回。野村監督はマウンドに守護神・成本ではなく、左
腕の西川を送った。「当然、成本なんだろうけど…。皆さん、
ご存じのように、ずっと悪い。バテてるというか。高橋、松井
じゃ、荷が重いかなと思っちゃったんだよ」。指揮官は苦笑を
浮かべ、問題の場面を振り返った。しかし西川は先頭の
高橋由に右翼席へ同点の21号ソロを被弾。続く松井に
も二塁打されて降板。こうなると成本ではなく、葛西を
マウンドに送り込むしかない。しかしもはや、巨人打線
の勢いを止めることは、だれにも出来なかった。

8/4
阪神3-6広島

好調です、桧山

 桧山が連続試合安打を21に伸ばした。初回、二死二塁
から長谷川の直球を中前にはじき返す先制適時打。「1打席
目が肝心。力まず今まで通りのスイングをすれば対応できる
と思っていた」と話した。しかし、惜敗に「競った試合だった
が…」と悔しさをにじませていた。

8/3
阪神4-2広島

桧山 7月の月間MVP

長期ロード発進

 野村監督はご機嫌だった。沸き起こる野村コールに、右
手を高く挙げて応えた。苦しい試合展開だったが、留任発
表後初めての勝利、そして長期ロード初戦を継投で逃げ切
ってつかんだ白星だ。 「勝ちは難し、負けるは易し。俺は
何を言っておるんや…。まあ、勝つのがどれだけ大変かを
言いたいんや」 エース井川が5回途中に降板する誤算。
それでも葛西が、弓長が走者を背負いながらも無失点を許
さぬ粘投をみせた。8回には、無死一塁から藪がマウンドに
立った。4月22日以来の1軍。一死一塁からディアスに左翼
線二塁打を浴びたが、新井を浅い右飛、野村を二ゴロに
仕留めた。 若手の勢いだけで7月は勝ち越した。だが、
長期ロードはベテランの力も必要になってくる。自慢
の中継ぎ陣に加え、復活した藪。そして少年隊。
新生・野村阪神が長期ロードに好発進した。


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