6月の阪神  連勝で梅雨空を吹き飛ばせ

じめじめした梅雨空を阪神の快勝で吹き飛ばそう。

6/29
阪神5-3ヤクルト

上坂 劇的ホームラ
 
サヨナラホームラン

九回に星野修の犠飛で3―3とした阪神は十回、代わった
石井弘から一死後、中込が四球で出塁。ここで上坂がカウント
1―1から左越えにプロ初のサヨナラ本塁打を放ち、チームの
連敗を6で止めた。 九回途中から今季初登板した中込が
初勝利。 ヤクルトは九回に飯田の中犠飛で勝ち越し
たが、その裏に投入した高津で逃げ切れず、阪神
戦の連勝は5で止まった。

6/21
阪神1-0巨人

ハンセル快投
広沢サヨナラ打

連夜のサヨナラ勝ち

ハンセルの粘投が勝ちを呼び込んだ。8回を2安打無失点。
上原と互角に投げ合った。「とにかくチームが勝ったことがうれ
しいよ」。前日の井川と同じく“影の勝利投手”は控えめに微
笑んだ。 日本野球の先輩として、シーズン途中で来日した
エバンスは放っておけない存在だ。先日は、早く日本の生活
に慣れるようにと、日本の文化について書かれた本を手渡す
心配りもみせた。 デカイ体に似合わず繊細な心も持ち合わ
すハンセル。「丁寧に投げたことが結果につながったね」。こ
の日はマウンドでも“繊細な投球”で巨人の誇る重量打線
を手玉に取り、見事にチームの4連勝を演出した。

6/20
阪神2-1巨人

井川熱投、赤星サヨナ
ラ打
阪神久々に延長戦を
制する

サヨナラ勝ち

赤星の決勝打は勿論誉められるべきだが、
7勝目にはならなかったが、勝ちを呼び込んだのは間違い
なく井川の熱投だ。自身プロ最長となる10イニングを5安打
1失点。文句の付けようがない内容だった。 課題の制球が
安定していた。「9回まで四球ひとつは納得出来る。守りに
も助けられたけどよく投げられたと思う」。9回に長打を警戒
して松井を四球で歩かせるまで、無四球だった。 気迫満点
のマウンドさばきは、とても21歳の若者には見えない。巨人
ベンチからは、阪神投手陣の内角攻めに文句が出ていたが、
そんなことはおかまいなし。 井川、赤星の活躍で巨人から
勝ちをもぎ取った。これで借金は1ケタ。若虎の頑張りが
ある限り、阪神の未来は明るい

6/17
阪神3-2横浜

伊達投手 初先発初勝利
 
桧山、連日の殊勲打

見事な速攻だった。初回、赤星が「出塁すれば後が何とか
してくれる」と左前打すると、以後3連続四球で1点をもらい
バワーズをKO。なおも満塁に、前日決勝2ランを放った桧山
が代わった米の2球目、142キロシュートをとらえ、中前へ
運ぶ2点適時打。結果的には最下位脱出を決める3点と
なった。  「あれ以上の打ち方はない。イメージ通りです。
好調の原因?ひとつひとつ丁寧に打席に入るようにしてる
ことでしょうね」  ここ4試合で8打点と今、最も頼りになる
背番号24は笑顔をはじけさせた。先発は新人の伊達。
選手会長として”親心”が働いた。「点を取ると取らないと
では気持ちも違うでしょうからね。もう1、2点取れば楽
だっただろうけど」。チームの勝利はもちろん、伊達の
初勝利にも貢献できたことを喜んだ。

6/16
阪神4-2横浜

勝利投手 福原
本塁打  桧山

桧山、決勝2ラン

 ため息を大歓声に変えた。同点で迎えた8回無死一塁、
代打・上坂が送りバント失敗。スタンドから大きなため息が
漏れる中、打席に入った桧山は、初球をたたいた。決勝の
8号2ラン。「入るとは思わなかった。ラッキー」という低い
弾道は、右翼フェンスをかすめてスタンドに飛び込んだ。
 9回、守備に向かう桧山を「桧山コール」が包んだ。
甲子園全体が祝福した。しびれるような快感が、体を貫いた。
 4回、右直に終わった打席の後、ベンチで広沢の“予言”を
聞いた。「大丈夫、今日はお前の一発で決まるって」。14日
の中日戦での2発に続く活躍。打席でオーラを漂わせる
桧山は、いまやなくてはならない5番打者だ。

6/3
阪神2-0横浜

福原好投
赤星タイムリ−

福原で連敗阻止

 やっと笑うことが出来た。9回のマウンドを成本に託した
福原は祈るような思いで戦況を見つめた。「(抑えてくれる
と)信じてましたから」。そう強がったが、ひきつる表情がほ
ころんだのは、最後の打者の飛球が浜中のグラブに納ま
るのを見届けてからだった。  初回からエンジン全開でぶ
っ飛ばした。完封こそ逃したが、今季最多の11三振を奪い、
8回を完ペキに抑え切った。意地でも勝たなければならなか
った。「チームに迷惑をかけてたんで、取り戻したかった」。
その思いでマウンドに上がった。  先発にかける執念で
チームとしてもようやく20勝に到達。1日で最下位からも
脱出した。本人も「納得いくピッチングは出来ました」と
笑みを浮かべた。だが“エース候補”としては物足り
ない。まだ3勝目を挙げたに過ぎないのだから。

6/2
阪神2-7横浜

借金は増えるばかり

 かすかな望みをかけた9回の攻撃も浜中の遊ゴロ併殺
でゲームセット。森横浜との“底辺決戦”に連敗して5月
10日以来、23日ぶりの最下位に転落した。  

ベンチを出た野村監督は「(7回の攻撃が)ポイントは
ポイントだったんだけど…」と、か細い声で切り出し
た。2点差を追った7回一死二、三塁。代打・八木
が浅い中飛に倒れ、続く浜中も見送り三振で、
一打同点の好機をフイにした。  

これで借金は「12」。今季最多を更新した。
一昨年の同じ50試合消化時点より14個、昨年より
も5個多い。野村阪神になって、ワーストのペース
で膨らんでいる。  梅雨入り前にチームはひと足早く
梅雨入り。手っ取り早い打開策は打てる新外国人の補強
だが、野崎社長は「コメントはなしです」と口をつぐんだ。
頼りになる助っ人、早くみつけてね。

6/1
阪神1-4横浜



井川を見殺し

 先発・井川が7回まで横浜打線を1安打に抑えながら、
8回に突然崩れて4失点だ。8回1死一、三塁。小川
を浅い左飛に打ち取った―かに見えた。だが、
浜中―藤本―山田の中継プレーの間に、
三塁走者・石井琢は本塁を駆け抜けていた。

この先制点で気持ちが切れた井川。この回、5安打
を集中され4点を失い、4敗目を喫した。  「今日は
何もないです」。井川は、粘り切れなかった自分を責め
るように、語気を強めた。数少ない期待の星である
井川を見殺しにしてしまっては、野村監督もさす
がに元気もない。「点を取ってやらんとな」と、
歯車のかみ合わない現状を嘆くしかなかった。
 リーグ最速の30敗到達で、借金は再び最多
タイの「11」に膨らんだ。2日も負ければ、
5月10日以来となる最下位転落の危機だ。


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