4月の阪神

最下位脱出を目標に、一つでも上位に食い込めるように頑張ろう。
また、4月中旬には、鹿児島で横浜―阪神戦も開催されること
になっているので応援のやりがいがあるというものだ。

4/15
阪神0-6中日

敗戦投手 藪

次は鹿児島だ。
応援にいくぞ。

3連続完封負け

「ノムラッ、恥を知れ!」。窓ガラスが薄茶色のカーテンで
覆われたバスに、容赦ないバ声と怒号が飛び交った。
悪夢の同一カード3連敗。しかも3試合連続完封負け。
数は少ないながらも、料金を払って球場に足を運んだ虎
党がキレた。わずか3安打、29イニング連続無得点と超
低空飛行を続ける貧打線に、野村監督もボヤくしかない。
勝機はあった。初回1死一、二塁。クルーズが中前にポトリ
と落ちる安打を放った。だが、打球が落下する地点の判断
を誤った坪井のスタートが遅れた。三塁までしか進めず、
続く桧山が二ゴロ併殺。その直後、藪が2失点。何とも皮
肉な巡り合わせが、白星を遠ざけた。鬼門・ナゴヤドーム
の連敗は「8」に伸び、借金は「3」に増えた。今季に
勝負をかける指揮官だが、シーズン序盤にして
早くも正念場をむかえることになった。

4/14
阪神0-2中日

福原好投も見殺し

またも、完封負け

 野口のスライダーにクルーズのバットが空を切ると、左翼
席からは一斉にメガホンが投げ込まれた。沸き上がる
右翼席とは対照的に、左翼席からはブーイングの嵐。
野口から5安打、時間にしてわずか2時間28分。あ
まりにもあっさりした完敗だった。

 唯一の見せ場は、1点を取られた直後の4回だった。
1死からペレスが右中間を破る二塁打。打席には前日に
山本昌から左前腕部に死球を受け退場したが、スタメン
出場したクルーズ。しかし、スライダーに空振り三振を喫した。
その後も打線は野口にほんろうされっぱなしで、2試合連続
で三塁を踏めないまま完封負け。20回連続無得点と貧打
線を象徴する結果となった。福原は7回2失点の好投だった
が、見殺し。ナゴヤドームでの連敗は7となり、5割復帰
どころか借金が「2」となった。

4/13

阪神0-7中日

星野は通用しない?
鬼門のナゴヤドーム
 
13日の金曜日

体をくの字に折り曲げ、クルーズがヒザから地に落ちた。
激痛が全身を駆け抜け、額からは脂汗がにじみ出た。苦悶
の表情を浮かべ、声も出ない。  2回、左投手特有の
シュート回転する山本昌の内角球が、クルーズを襲った。

踏み込んだ分、左前腕部を直撃した衝撃は倍増。
トレーナーの応急処置を受け、気力で一塁まで歩いたが、
攻撃終了後に途中交代を申し出た。  負傷退場後、名古
屋市内の病院へ直行。レントゲン検査を受けた結果、「左
前腕部の打撲。骨には異状なし」と診断された。沖原に続
く連日の災難。主砲が姿を消したベンチから活気が消えた。
貧打に拍車が掛かった打線は三塁すら踏めず、わずか5安
打、今季2度目の完封負けだ。  「完敗しちゃったな」。
怒りを通り越し、苦笑いを浮かべた野村監督は腹の中
で泣いた。鬼門・ナゴヤドームで6連敗、監督就任後
では通算2勝20敗。投手陣が崩壊、打線も沈黙。
13日の金曜日、それも仏滅が重なった厄日は、
野村阪神に試練を与えたのか。

4/12
阪神4-3ヤクルト

先発 カーライル
クルーズ 5号

石井(一)を打った
のは大きい
 
クルーズ、待望の一発

冷たい浜風を吹き飛ばした。怪力パワーに1万8千人の観衆
が熱くなった。6回、ヤクルトのエース石井一から、逆風をも
ろともしない同点5号ソロを右中間席へたたきこんだ。  

本拠地で初めて上がったお立ち台。鳴り止みそうに
ない拍手に「ハンシンファンはイチバン。これからも
応援して欲しい」と大声を張り上げた。  

甲子園での来日初アーチは、5試合19打席ぶりの
本塁打。ロッカー前の椅子に大きくもたれかかると「厳しく
攻められて、いい球を投げられていたけど、長打を狙って
いたんだ」と振り返った。初回の先制2点打に続き、この
打席も変化球を打った。119キロのカーブ。メジャー志向
の石井一を「石井はいい投手、メジャーでも通用すると
思うよ」と褒める余裕も出てきた。

4/11

阪神2-4ヤクルト

川尻、もうひと頑張り
広沢のホームランも

ヤクルトには勝てない

喜びも半減だ。21世紀初アーチ。マンモスを揺るがす豪快弾
にも、今季初の連敗で広沢に笑みはなかった。3点ビハインド
の7回だった。2死無走者。141キロの直球が浜風に乗り、
左中間スタンドに飛び込む。1日遅れのバースデーアーチ。
チーム最年長39歳のベテランが、終盤の反撃態勢を演出し
たのだが…。「打っても負けちゃあね。藤井は小気味いい
ピッチングをしてた。今度は絶対に打ち崩さないと」。今季
初本塁打にも表情を変えず、反省の言葉を並べた。守備
でも体を張ったプレーでチームの士気を鼓舞、勝利へのひ
たむきな執念を見せた。昨年終盤には解雇寸前の危機
に立たされながら、野村監督のツルのひと声で
残留が決まった。次回に期待しよう。

4/10

阪神0-2ヤクルト

井川好投も
貧打阪神の再現で
完封負け

井川、好投むなし

 絶叫とため息がマンモスを揺らした。今岡が8回一死満塁
で併殺打。最後のチャンスは、あっけなく消え失せた。ベン
チもファンも、21歳の若い力に勝利を託した。8回1失点で
今季初勝利を挙げた前回登板(3日・広島戦)の再現を、
心から祈った。井川にとっては今季初登場となった
甲子園。虎党の夢を背負って5回までは2安打無
失点と、完ぺきな内容だった。5回一死満塁
の好機には自ら打席へ。

「打席に立ったからには打とうという気持ちだった」と
いう気合は空回りして二ゴロ併殺打に倒れた。重
い気持ちを引きずっての六回のマウンド。
「それはないです」と井川は平常心だったことを強調
したが、6回一死三塁から代打・池山に均衡を破られ
る右犠飛。ラミレスにも適時打を許して2点を失った。

7、8回は3人ずつで仕留めて8回2失点。今季初黒星
を喫した。打線が九つの「0」を並べて見殺しにした。


4/1
阪神5-6巨人

福原はとく投げた
沖原猛打賞・・・

やるなあ、今岡

 絶叫の中、今岡の当たりは弱々しく岡島のグラブに吸い込
まれた。投―三と転送され3時間30分、四転した熱戦にピリ
オドが打たれた。試合には負けた。開幕カード勝ち越しもで
きなかった。しかし、意義ある1敗だった。何かが変わろうと
している。今岡は3戦目もミラクルぶりを発揮した。7回に
出た松井の逆転3ランであきらめかけたムードを一振り
で払った。(今年はやれるぞ。)

8回一死二、三塁から、南の代わりバナをたたいて2号3ラ
。開幕3連戦で13打数7安打、2本塁打、8打点、打率は
・538だ。投手が打たれても打者が取り返す。昨年にまで
なかったパターンに和田兼任打撃コーチも「もう一息やった。
若い力でイケイケムードがある。今岡は神がかり的だったが、
これからマークされてどう対応できるか」とチーム内の変化
を感じ取っていた。負けはしたが、巨象と互角の勝負を演
じた。それでもナインは「勝ちたかった」「いや、勝てた」と
言った。勝利に対する執念は、確かに見せた。貧打返
上も時間の問題だ。


3/30
阪神3-17巨人



開幕戦、11連敗
(3/30)

 野村阪神がプロ野球ワーストタイの17失点で開幕戦を
落とした。東京ドームに黄色い雨が降る。惨めだ。泣きた
くなった。上坂が平凡な左飛を打ち上げると、それまで我
慢していた左翼席の虎ファンが、一斉に黄色いメガホン
をグラウンドに投げ込んだ。そのうちの何個かは捕球態
勢に入っていた清水をかすめた。1度は昨年巨人戦で
チーム最多の4勝を挙げた右腕に託そうとした開幕投
手だが、オープン戦の不調ぶりを見て白紙に戻した。

代わりに首脳陣は成長株の福原、4年目・左腕の井川
を新候補者に挙げ話しあいを続けたが、最終的に星野伸
を選ぶ。しかし…。2年連続で開幕戦2回KO降板となった。
3回からリリーフしたルーキー・太陽が火に油を注ぐ。
この最後の誤算は野村監督のミスでもあった。「2番手
に失敗した。度胸とか、心臓の強さとか、良く分からな
かった。何とか1イニングでもと思っていたが、あそこで
計算が狂った。球威、コントロールとも悪すぎる」と自分
を責めていた。開幕戦11連敗、しかも歴史的敗戦。
しかし、1点差も14点差も負けは負け。ナインはこの
悔しさをバネにするしかない。

3/31
阪神9-7巨人

投手 ハンセル
 西川
 伊藤

今岡(1号)
クルーズ(1号)

打撃戦で勝った

 意地、執念、気迫―そんな言葉は超越していた。記録的
大敗を喫した前夜の悪夢を振り払い、21世紀初星に一致
団結したナインの視線が、今岡の体を突き動かした。

98年以来となる4安打猛打賞、5打点の大爆発。文句なし
のヒーローだ。1点を追う3回、一死一、三塁。「絶対に
打ってやろうと狙っていた」。初球、135キロ直球。乾いた
打球音を残した打球は、長い滞空時間を経て、黄色
いメガホンが踊る左翼席に飛び込んだ。

打線の猛爆に火を付ける1号3ラン。初回に右前打、5回に
もクルーズの勝ち越し弾を導く右前打、さらに6回には、貴重
な中押し点をたたき出す2点二塁打。サイクル安打の期待が
高まった8回の最終打席は中飛に倒れたが、「無」の境地
で挑んだ今岡には、偉業達成よりも白星が最高の喜びと
なった。「強気の気持ちだけは忘れなかった。これから
頑張っていくいいキッカケができた」。無数にたか
れたカメラのフラッシュが、表情を緩ませる。
昨年、4敗(2勝)を喫した天敵・メイ攻略の糸口
をつくった功労者に野村監督も「今岡は殊勲甲
やな」と、短い言葉の中に、最大級の賛辞を
込めた。今日の試合は、打ち合いでも
勝てることを証明した。(拍手)


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