10月の阪神情報
2000/7 鹿児島・川内球場



藤田 太陽反骨心投手
(10/13)

強いチームに立ち向かいたい。」
巨人の誘いを蹴って阪神を逆指名した
藤田太陽投手(川崎製鉄・千葉)のことば
である。泣かせるねえ。その、心意気に
惚れた。頼んだぞ、太陽君。

強い者を倒すのにやりがいを感じるんです。
甘いと言われるかもしれないけど、決めた以
上はやるしかない」。ジャニーズ系の甘いマス
クからは想像できないほど、確固たる信念の
強さが言葉の端々ににじみ出た。高校進学
時、県内私立強豪校からの誘いを断り、無
名校の門をくぐった。甲子園出場は逃した
が今でも己の決断を後悔していない。

弱きを助け、強きをくじく反骨精神は、
このころから形成されていたのだ。
克己」。今春、右肩痛でドン底の
苦しみを味わいながらも、苦悩の日々
を乗り越える要因となった藤田の座右
の銘。「最後の最後まで、自分に厳しくで
きるようになった」という大切な言葉。球団
史上初となる3年連続最下位に屈した阪神こ
そ、藤田のいう厳しい環境にほかならない。
「日本一のピッチャーになりたい」。揺らぎ
ない決意。藤田の目には、タテジマに
袖を通し、甲子園のマウンドで踊る
自らの姿しか映っていない

湯舟近鉄へ
湯舟、近鉄へ

(10/31)

 突然のトレード通告にも、湯舟は淡々と
した表情で語った。「しょうがないですね。
とりあえずパ・リーグのことは分からな
いんで、チームに慣れることからやって
いきたい。近鉄には豪快なイメージが
あります」。92年にはノーヒットノーラン
を記録、防御率ベストテンにも4度ラン
クインするなど、プロ10年間での実績は
十分だ。近鉄・梨田監督は「経験があ
り球種が豊富。先発の軸としてやって
もらえると確信している」と、早くも大
きな戦力として期待を寄せている。

「いろんな問題(課題)はありますが、少
しでも良くなれるように頑張りたい」。今は
近鉄での完全復活を目指すだけ。複雑
な思いは最後まで心の中に封印し、
笑顔で鳴尾浜をあとにした。

一方、近鉄から阪神にくる酒井
髪の毛を茶から黒に染め直すなど、
早くも「野村色」に染まる意気込みだ。「こ
れから髪を(茶から)黒く染め直さないとね。
(同じく近鉄から阪神に移籍した)西川さんも
黒く染めて出直したんで、僕もそうします」。
この日の新聞報道にもやる気を駆り立てられ
た。「今までプロ野球でやってて1面に自分
の写真が載ったのは初めて。阪神の注目度
の高さを思い知らされました。とにかく期待
に応えることができるよう頑張りたい」と話
した。「抑えでも中継ぎでも先発でも、ど
こでも投げる」と意気込む酒井。低迷
する阪神の救世主になれるか。

上坂猛打賞
上坂、猛打賞
(10/5)

若虎・上坂猛打賞を獲得し、来季へ
の期待を抱かせた。足が速いのは魅力
がある。今までの阪神にない走れる
選手の誕生だ。(拍手)

上坂にいい目標ができた。石井―古田の
バッテリー。一流選手に昇り詰めるために
も、越えなければならない壁だ。消化試合
とはいえ、神宮の観衆は1万4000人。そ
の8割方の阪神ファンを最も沸かせたのが
上坂だった。3回には石井一の141キロの
真っすぐを右中間へ弾き返す。一塁、二塁を
けると、自慢の快足はさらに加速した。余裕
たっぷりのプロ初三塁打だった。さらに5回
には会心の右前打。7回には足で稼いだ
内野安打で3度目の猛打賞達成。9月
21日の対戦では4打数無安打、3三
振と全く歯が立たなかった相手
を、見事に克服した。


最終戦
57勝78敗
(10/6)

う〜ん、野村2年目も去年の勝ち星に
2つだけ上乗せして、シーズンをおわった。

代打・桧山が見逃し三振に倒れ、野村阪神
の2年目も虚しく幕を閉じた。三塁側ベンチ
上からは罵声とともに黄色いメガホンが降っ
てきた。57勝78敗1分。昨年からの上積
みはわずかに2勝に終わり、3年連続
最下位という球団史上初の屈辱
に終わった。

野村監督には厳しい現実が突き刺さった。
選手層の薄さ、特に外国人選手のふがい
なさをボヤくことボヤくこと。20世紀の公式
戦もこの日で終了した。1936年から始ま
った阪神の歴史は、3957勝3725敗
(242分)を刻み、かろうじて勝率・515と
“名門球団”の看板を維持してはいる。
この秋、1人でも若虎を育て上げることが
できるか。背水の陣を迎える名将はドロに
まみれて今世紀ラストゲームを終えた。

10月だ
ドラフトが話題に・・
(10/2)

日本シリーズには関係のない我が阪神
は、来年の戦力を補強し、不名誉な3年
連続の最下位脱出をいかにして図るか
が目下の最重要課題である。

阪神がドラフト1位で獲得を目指す恋人
藤田に対し、いよいよ猛アタックをかける
ことになった。阪神スカウト陣が近日中に
藤田サイドに出向き、獲得の挨拶とともに
条件提示を行う。現時点では巨人も藤田
獲得に名乗りを挙げているが、ダイエーに
山田を取られた今となっては、今度こそ譲
れない。誠意の証しでもある条件では野
球協約最高額の契約金1億円、年俸
1300万円プラス出来高払いを提示し
一気にハートをつかむ作戦だ。

貧乏球団・阪神としては精一杯の
提示だと思うが、巨人と競合すれば
負けそうだなあ。阪神をバックに投げ
るよりは巨人の方が楽だし、給料も
いいからなあ。巨人を倒すことに生き
がいを見出すような投手はいない
のかなあ。あの、村山投手の
ような・・・・。


井川合格
井川やっと合格
(10/4)

井川が7回を投げて、プロ入り最多の
毎回11三振を奪う好投。強打で鳴らす
マシンガン打線と対等に渡り合った。初
回、二死三塁。ローズのバットが空を切
り、見る者に快感を与える奪三振ショー
の幕が開けた。右打者も左打者も関係
ない。力強い腕の振りが球威を生み、
キレを導いた。2回は無死一塁から、
アウトすべてを三振で飾った。

5回には首位打者・金城からこの日
8個目の三振を奪いながら、振り逃げで
出塁させたが、続く鈴木尚を2打席連続
の三振に仕留め、堂々とマウンドに立ち
はだかった。惜しむべきは4回、二死二
塁から、多村に中前に運ばれ、決勝点と
なる1点を許したこと。「もう少し気持ちを
入れて投げればよかった」と井川は多村
への1球を悔やんだが、9月24日の前回
登板で、4回5失点と大崩れしたリベンジ
を果たし、来季につながる感触を得た充
実感の方が、後悔の念を上回った

もともと球威はあるのだから、制球力
がついてくれば、充分いけるぞ。


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