★★PC9801ソフト編★★ File1−光栄の栄光と羞恥

提督の決断
…………歴史シュミレーションと言えば、昔は光栄のゲームが人気有りました。

確かに三國志、信長の野望など評価の高い作品を出して来て「光栄のゲームなら安心して遊べる」というイメージをユーザーは持てた時代がありました。

私もPC9801全盛の頃、光栄ソフトには気に入った作品がいっぱいあって毎回新作が出るのを、それは楽しみにしていたのを憶えています。

提督の決断の第1作発売時は丁度、左翼の活動が顕著になり我国の第2次大戦は侵略戦争だったとか(もちろん違います)、日本の戦争責任をどうするのかとか(解決済みなのに)大戦中に所謂従軍慰安婦だったと主張する人達が日本政府に謝罪と賠償を請求していたりして新聞やニュースで無理やり問題に成っていた最中だったからか、「戦争をゲームにするなんて何て不謹慎なんだ!」とか「FD2枚組で14800円だなんて何考えてるんだ!」とか結構叩かれていました。

しかしゲームの出来はすごく良くって、米国が日米通商条約破棄を機転に経済面における対日政策を強めて行く中の日本政府の苦悩と、軍部の強硬論もあり、結果開戦の選択肢を選ばざるをえなかった我国の悲しい現実をうまく表現していたゲームだと個人的には思いました。

正に、ネガティブな位置でですが「戦争の重さまでシュミレートしたゲーム」だったと感じました。私個人をここまでゲームに引き込んでくれた光栄。他のゲーム、信長の野望、太閤立志伝や三國志、大航海時代等。

この頃の、これら光栄ゲームを思い出しても、しっかりと多くのユーザーを引き込んで行った実績のあるものばかりです。

だがしかし、提督の決断Uに成ると前作のような重々しさは消えてしまい、妙に明るいイメージの単なる海戦ゲームに成ってしまった。

この意味って、前作に対する批判で反省したって事?それとも何かの組織に脅迫でもされたの?または前の企画製作スタッフが全員スクウェアにでも引き抜かれたのかな?スクウェアは冗談ですが、変わったのはイメージだけではなく、ゲームのアルゴリズムもかなり馬鹿に変わっていました。

例えば前作だと、ダメージを受けたコンピュータ側の艦隊は、すぐに索敵範囲外に退避して行き近くの基地なりで修理と補給をしてから攻めて来ていたのですが、このUからは空母や戦艦にそれを援護している巡洋艦、駆逐艦の艦隊でコンピュータが攻めて来たとすると、こちらがそれを攻撃しある程度ダメージを与えたとしても決して逃げず、たとえ駆逐艦1隻に成ろうとも、まるきし勢力の違うのもお構い無しに、こちらの基地から逃げません。

結局、全て沈めて重要なアメリカの提督が戦死してます。前作はとても良く出来ていたのに、何故2作目ではこんなの出したのだろうと納得出来ないで居るうちに、三國志ではWが出ました。

これもまた馬鹿。上級でやってもひとりで将棋をしてるみたいな物で、何故か敵は攻めて来ない!今までの三國志のような、戦術シュミレーションゲームとは言え無くてデーターベース?と思うような出来でした。

光栄のゲームを難しそうと敬遠しているユーザーを取り込みたかったとしても、これではあんまりです!納得出来なかったので三國志Wは、その後パワーアップキットも購入しました。

これには上級の上に超級と言うのがあり、これでやっとアルゴリズムが改良されていました。何しろどの太守でゲームを始めても、こちらが兵力を整える暇なく敵はこちらの10倍程の兵で直ぐ攻めて来ます。

どんなにがんばっても放浪しざるをえない程の難しさ。常に敵の状況を調査しながら、隙をみて長安等の大きな都を落とさないと決して先に進めませんでした。これはやり甲斐のあるゲームでしたが、約2万円掛けてパワーアップキットまで買わないと完成しないゲームもどうかと思いますが…。



大航海時代…………これも好きなシリーズでした。(過去形)未知の大海原へ船を出し、探索して行く楽しみや異国との貿易で、最初は小さな船しか持っていなくても貿易で利益が増えるごとに大きな船を買ったり作ったり、船に大砲を付けて海賊退治や艦隊戦をやったり、宝の地図で財宝探しも出来たりして、サービス満点で思い切り楽しめた作品でした。2作目では更にストーリー性もUpして、個人的には最高に面白かったです。

この2作目は、その年の個人的ナンバー1ゲームに自分が推奨した位で、その後発売されたスーパーファミコン版などは客に薦めまくった憶えもあります。

それから、ここからはWindows版ですが大航海時代Vが出ました。しかしこれはTとUに有った、大航海時代というゲームの持っていた「味わい」みたいな物が消えて、大航海時代を真似て外したアートディンクのアトラスを意識したような出来に成っていました。

真似て外した作品を真似られた作品が真似てどうするんだ??それから大航海時代W!淡い期待を胸に発売後直ぐにプレイしてみると…何ですかこの絵は?少女漫画ですか?何ですかこの動き?うちのインテリマウスが、昔の50カウントマウスみたいな重さなんですけど!(Windows3.0を286CPUでリアルモードで動かしたのを思い出した。)おお、256色にしたら100カウント位の早さに成った!ハイカラーは駄目なのか。でもまだ重い‥とてもこれから遊ぼうとは思えなく成ってしまうのですけど…。んで、未だにやってませんので出来は不明。

これ以来、光栄ゲームは自分的にはどうでもいい部類に成ってしまいました。そう言えば今は貫禄ある光栄からコーエーと、何の意味があるのか解らないカタカナ名に変わっていますね。カタカナにした意味を考えてみると、たぶん優秀な人材が社内に居ないので自虐的な意味で軽いコーエーにしたとか。

 

信長の野望…………中でも天翔記。配下を軍団単位で組織化出来るのと、配下武将一人づつ!の教育(技能を伸ばすだけでなく勲功をみて叱る事も)が出来る細かさに、私はたまらない魅力を感じました。

配下武将にはアルゴリズムがあり、大名の行いを手本に内政や戦闘をしてくれます。これは、内政を効率良くやりたい戦線から離れた国では内政重視の政治を行い、後は内政スキルの高い武将を軍団長にして委任しておけばとてもうまくやってくれます。戦闘中心でも同じことが出来るし、嬉しい事に各軍団長を集めての評定も行えます。評定こそ大名の醍醐味のような気がしませんか?

それと戦闘時のアルゴリズムも大変うまく出来ていました。例えこちらが大群で攻めようと、敵に有利な条件があると(鉄砲スキルや海戦スキル等も)数の差より戦略の差で負けてしまうリアルさもとても面白く感じました。

こんなに良く出来ているこの天翔記の欠点は、軍団が賢く育ち過ぎると後は完全委任でゲームが終わっちゃう事位ですかね。もう少し、コンピューターも賢くなれば言う事無いです。(DOSゲームの時代にしては上出来ですが) 

ああしかし…。この後のWindows版将星禄が…。まさかのシムシティ化になるなんて…。大名自ら鍬を振ったり治水したりの町作り、町が大きくなる様をグラフィックで楽しめる事を本当にユーザーは求めていると思ったのか?光栄!何でも天翔記は難し過ぎるとライトユーザーにかなり不評だったそうで、それに媚びて作ったのが将星禄なんだそうでが…、だからと言ってコアユーザーを切り捨てる事は無いのでは??と、私が幾ら思ってもこのシムシティ化はかなり好評だった様で、将星禄の後の烈風伝でも受け継がれているそうで、それを理解出来ない私も終にオヤジゲーマーに成ってしまった様です。こんな私はもうコーエーゲームは遊べませんな。(^^;

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