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マクロビオティックとの出会い (7)

No.41(2001.03.04)


なんとなく玄米を食べ始めた私と違って、Xさんは健康を保つ方法を追求した末に玄米食を実践していました。

元来病弱でしかも孤立無援な立場で生きてきたXさんにとって、健康な状態を維持することは死活問題だったそうです。

そんなXさんが最初に私に忠告したのは、絶対正しいことなどそう簡単に分かるわけないのだから安易に他人の言うことを信用するな、ということでした。

Xさんはかなりの数の健康法に関する本を読んだ結果、それらのなかで最大公約数的に玄米食がすすめられていたので玄米を食べ始めました。

健康法は理屈だけ考えていても何も得られないのでまず実行してみるというのがXさんの基本的な姿勢でした。

発芽玄米がブームにさえなっている現在からは想像できませんが、その頃は玄米食を正面から否定する意見も多かったのです。

ましてXさんはもっと昔から玄米を食べていたのですから風当たりは相当強かったと想像します。
そういえば玄米を食べているのを見た親戚や家族の人達に「豚のえさを食ってる」と言われたことがあったそうです。

そんな逆境のなかで常に自問自答をも欠かさないXさんが到達した食事法をお手本にしようと私は考えていたのです。

今思えば、総論的な原理原則から伝えようとしていたXさんに対して、私は個別の問題の是非ばかりを質問していました。

受験のために○×記号式の問題ばかりやらされてきた弊害でしょうか。当時の私は矢継ぎ早に質問をしてそれに対する正解を少しでも早く聞き出したかったのでした。


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