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五右衛門風呂につかって (3)

No.6(1999.07.29)


最初は上手く燃やせなかった薪も、隣人からの断片的な助言と自分で考えた改良で少しずつ進歩しました。

その間にもいくつかの発見がありました。

まず、薪にする木の種類によって燃え方が全然違います。

成長が早い木は柔らかく軽くてすぐに燃え尽きてしまい、逆に成長の遅い木は堅く重くじっくり燃え続けます。

乾燥した孟宗竹は着火がよく火力も強いのですが、ホーローの浴槽の寿命が縮まるので使わない方がよいそうです。鉄釜での調理には使えます。

始めの火の付け方にもいくつかの方法があるようです。私は教えてもらったなかで一番簡単だったやり方を採用しました。

植林してある杉か桧の枝打ちをした時に、その枝をそのまま平積みにして乾燥させます。

すると上にのった枝の重みで薄い形になるのですが、これがたき口から入れやすく、しかも驚くほどよく燃えるのです。
たき付け用には最高だと思います。

これの上に細い薪をのせ、さらにその上にだんだん太い薪をのせます。この時に木の種類も色々と混ぜたりします。

大事な点は、燃えていく過程で空気の通り道がなくならないために、また途中で火力が落ちないために混ぜる、堅い薪の置き方です。

毎日試行錯誤を繰り返したお陰で、まったくの素人でも4年も経つ頃には大分上達しました。

薪の種類がそろっていれば、最初に火を付ければ放っておいてもちょうどよい湯かげんになるまで燃え続ける薪の仕込みができるようになりました。


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