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岩風呂の寿命

No.66(2007.04.14)


贅沢なことに我家の風呂は温泉である。

建築するに際して、温泉と言えば岩風呂だろ、という短絡思考が働いたために浴槽を岩風呂にしてしまった。

建築後満10年を迎えた昨夏頃から、浴槽や洗い場の目地の傷みがことさら気になり始めた。

特に浴槽内には岩と目地の間に隙間ができているところが散見され、そのうちの一ヶ所からは湯を溜めると時折小さな泡がプクプク出てくる。

もっとも浴槽の下は防水処置が施されているので当面大量の水漏れが起こることはないし、土台基礎の浴槽下部分は土が充填されているので万一水が漏れても地下浸透する構造になってはいるが。

昨秋には、目地が痩せたために岩の淵が欠けるという事態が発生するに及び、このまま放置しておくわけにはいかなくなってしまった。

以前我家のトイレを補修する時に洪水を起こした水道業者に会う機会があったので、岩風呂を補修する良い職人さんを知っているかたずねてみた。

岩風呂の状態を説明すると、知っている職人はいるものの、その職人さんの話によると劣化した目地を補修してもすぐまた痩せてしまうそうだ、という岩風呂保守の難しさを聞かされてしまう羽目になった。

一度全部壊して作り直す方が耐久性は高い、と話は続いたのだが。

岩風呂を維持管理することがそんなに難しいことだったとは。

メンテナンスのことを考慮し、工業製品の浴槽にしておくべきであったかも、と少し後悔した。

が、厳冬期に入浴した際に、岩から放射される遠赤外線の心地良さを体感しているので、岩風呂の魅力を捨て難いことも事実である。

ここは一つ、何とか岩風呂を上手に使い続ける方法を考えねばなるまい。


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