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手抜き栽培で虫害発生

No.39(2003.09.01)


ここに住むようになってから連れ合いが裏庭で野菜を栽培しようと試みました。

農村で暮らしていた頃に野菜作りに不向きな土質で苦労をした私が当時精魂尽き果てた状態だったからでした。

一年目はそれなりに収穫できたものの二年目からは秋まきの作物が鹿などの野生動物に食べられてしまうようになりました。

自然界では冬場に餌が不足気味になることがその原因だと思われます。

それ以降は仕方がないので夏野菜のみを作るようにしていました。

困ったことに数年前からは夏野菜すらもそれら野生動物達に食い荒らされるようになってしまいました。

恐らく天敵がいなくなったために鹿などが増え過ぎてしまったからでしょう。

今では、何故か野生動物が食べない夏野菜ニガウリだけを栽培し、ほとんど放任で済むニラとアスパラガスが植えてあるという状態になっています。

今年になって連れ合いから、彼女が花壇としてこれまで利用してきた表側の庭の一部に野菜を植えてみたらと提案されました。

行く行くは表で野菜、裏で花を作るようにすればという考えでした。

表側には飼い犬がつないであるので野生動物が寄り付かないという利点があるのです。

ようやくここ数年野菜作りに対する抵抗感もなくなってきていた私は久しぶりにナスとピーマンの栽培に挑戦してみました。

なるべく楽をしたかった無精な私は菜種油かすと苦土石灰代わりの牡蠣殻の粉末を施してそれらの苗を植えました。

しかも追肥の手間も省こうと肥料の量を多めにしておきました。

何日か経って私の植え方が間違いであったことことに気付かされました。

カメムシなど数種の虫が沢山たかっていたからです。

何年間も野菜作りから遠ざかっていたために勘所を忘れ去っていた私の判断ミスでした。

肥料としては完熟堆肥が理想であって油かすは次善のものであり、もし油かすを用いるのであれば苗の定植より少なくとも2週間前に施しておかなければいけないということをすっかり忘れていました。

発酵していない肥料を使うと必ずと言っていいほど虫害にあうことを経験していたのに迂闊でした。

また肥料の量に関しても少なめが理想で、作物の様子を見ながら必要な場合のみ追肥をするのが原則でした。

さらに自然農法に成功しない限り、世話に手間暇をかければかけたほど収穫に恵まれるということを体験していたのに。

その後木酢液や草木灰の力を借りてナスもピーマンもなんとか収穫できました。

ピーマンは小さな実しか取れなかったもののナスは毎夕の水やりが功を奏したのかほぼ通常通りの収穫がありました。

野菜作りをするのなら労力を惜しんではいけないということを再認識させられた今夏でした。


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