Measles, mumps, and rubella vaccination and bowel problems or developmental regression in children with autism: population study

Taylor B, et al. BMJ 324: 393-396, 2002

 

自閉症児におけるMMRワクチン接種と腸症状または発達上の退行:ポピュレーション研究

 

(目的)MMRワクチン接種が,自閉症児における腸症状や発達退行に関与しているかどうかを検討し,自閉症の新型バリアントが存在するエビデンスを探す.(デザイン)個人のワクチン歴との照合した記録レビューを行い,ポピュレーション研究を行った.(セッティング)北東部ロンドンの5つの地域.(参加者)典型的自閉症の278人と非典型的な自閉症の195人で,多くはコンピューターに登録された障害児データによりその存在を同定し,1979年から1998年の間に生まれた児である.(アウトカム)少なくとも3ヶ月持続する腸症状の記録,児の発達の退行がある場合はその年齢,また,それらとMMRワクチン接種との関連.(結果)発達退行(全体で25%)および腸症状(全体で17%)の頻度は1979年から20年の間で有意な変化はなかった(MMRワクチン接種の導入は1988年10月).児の発達に親が懸念をいだいた時期より前にMMRワクチン接種を受けたケースでは,親の懸念の後にワクチン接種を受けた児やワクチンを受けなかった児に比べて,腸症状においても退行においてもその頻度に有意差はなかった.自閉症児における非特異的な腸症状と退行の間に関連がある可能性はあるが,MMRワクチンとは無関係であった.(結論)これらの所見は,発達退行と腸症状を持つ自閉症新型バリアントにMMRが関連しているとする可能性に何の支持も供給しない.また,自閉症の発症においてMMRワクチンが関与しているとする説にさらなる反証を提供する.