Mumps, measles, and rubella vaccine and the incidence of autism recorded by general practitioners: a time trend analysis. 

Kaye JA, et al. BMJ 322: 460-463, 2001

 

MMRワクチンと臨床医によって記録された自閉症の発生率:経時的解析

目的:自閉症のリスクに経時的変化があるのか,自閉症とMMRワクチンの間に関連があるのかを検討する.デザイン:イギリス臨床研究データベースを用い経時的解析を行う.設定:イギリスにける臨床.対象:1988年から1999年に自閉症と診断された12歳以下の小児および1988年から1993年の間に生まれた2歳から5歳の男児.主な最終評価項目:最初の自閉症診断の年度毎の頻度および年齢毎の発症頻度を12歳以下の自閉症児で検討.2歳から5歳の男児では誕生年度コホート毎の自閉症発症危険率とMMRワクチンの接種率を検討.結果:新しく自閉症と診断される件数は1988年には1万パーソンイヤーあたり0.3人であったものが,1999年には7倍の2.1となっていた.発症(診断時)のピークは3歳から4歳の間で,83%(254/305)が男児であった.1988年から1993年の誕生年度コホート解析では,2歳から5歳における男児の自閉症危険率は1988年には8(95%信頼巾は4から14)であったものが,1993年にはほぼ4倍の29(20から43)となっていた.同じ誕生年度コホートでMMRワクチン接種率は毎年95%以上であった.結論:2歳から5歳での自閉症発症率は,1988年から1993年の間,男児において明らかに増加している.一方MMRワクチンの接種率は連続して95%以上である.従って,このデータからMMRワクチンの接種率と自閉症の急速な危険率増加の間に関連がないことが立証される.自閉症の急増の原因はいまだ不明である.