Time trends in autism and in MMR immunization coverage in California

Dales L, et al. JAMA 285: 1183-1185, 2001

 

カリフォルニアにおける,自閉症とMMR予防接種率の動向

(背景)一般コミュニティーと医学専門家の間で,小児へのMMR接種率増加が自閉症発生率を増加させているという理論が発端となり,相当の懸念が広がっている.(目的)小児におけるMMR接種率の長年にわたる動向と自閉症発生率の間に相関関係が存在するかどうかを検討する.(デザインなど)MMR接種率の過去にさかのぼった解析を,1980年から1994年の間に生まれカリフォルニアの幼稚園に入園した児において行った.接種記録をレビューし最初のMMR接種が何歳の時であったのかを調べた.またこの期間に生まれ,自閉症と診断されている児とカリフォルニア発達サービス課の地域サービスセンターに登録されている児についてさかのぼって検討した.(主な最終評価項目)17ヶ月および24ヶ月時のMMR接種率と自閉症として登録されている児の数を,出生年毎に算出した.(結果)カリフォルニアにおけるMMR接種率の変動と,カリフォルニア地域サービスセンターに登録されている自閉症児の数の変動の間には基本的には何の相関も見出されなかった.1980年から1994年の間の出生年コホートにおいては,自閉症児数の明らかな持続的増加がみられ,1980年には出生十万人に44ケースであったものが,1994年のコホートでは十万人の出生あたり208例の自閉症児が確認された(相対増加率は373%).しかし,同じ時期のMMR接種率の変化はわずかなものであり,より短期間に起こっていた.同じ時期に24ヶ月時の接種は72%から82%に増加し,相対増加率は14%である.(結論)これらのデータはMMR接種と自閉症発生率の増加の関連を示唆しない.