去年の児童青年期精神医学会でも発表されていた九州のK先生からは,あるAsperger症 候群の大学生のケースへの援助の中で,視覚的能力が優れているので,ある読みこんで いてそのすべてを知っているマンガとその登場人物を利用して,面接を進めていった ケースの報告があり,大変勉強になりました。それにしても大学生にもかなり多くい らっしゃるようです。
広島の先生からは,TEACCHに準拠して空間的,時間的構造を作って対応するのが良いと いう指摘をされましたが,しかし今相談を受けているケースでは青年期になって性的 な欲動が高まって来て,女子学生とトラブルを起こしがちになりどう対応したら良いか 困っています。TEACCHを元にしての対応を,と言われても,時間的,空間的構造化を 大学生活でどう実現したらいいのか,まさか当の女子学生に協力を得るわけには いかないし・・・・など,家族や教員の協力が必ずしも得られるわけではない大学の 学生相談でどう対応するかは,多くの課題があると感じました。