Sorry, so far only available in Japanese.
自閉症児はやっぱり頭が大きい

Stevenson RE, et al: Autism and macrocephaly. Lancet 349: 1744-1745, 1997.
(概訳)21歳以下の自閉症者.平均年齢8歳.頭の大きい群と大きくない群ではIQに差はなかったが,適応能力においては頭が大きい群の方が低かった.頭周囲長が2SD以上が24%にみられ,2SD以下が3%だけであった.80%が平均値以上の頭周囲長を呈していた.2SD以上の例の中で18例は,出生時の頭周囲長がわかっており,もともと頭が大きかったのは1例のみで17例は正常の大きさであった.2SD以上の例の中で,62%は片親か両親の頭も大きかった.


(解説)文献1も既に紹介しましたが,また同じような論文がありました.新しい点は,自閉症児は頭が大きいのはまちがいないようですが,出生時には大きくなかったという事実です.このことから,頭が大きいことが分娩時のトラブルにつながる素因になる可能性はなく,出生後の成長の過程でどんどん頭が大きくなることが推測されます.それと文献2も引用してあり,大人の自閉症者でも頭が大きいことが報告されています.親の頭も大きい傾向があるという結果は「なるほどそうだろうな」とうなずいてしまいました.文献1の解説の繰り返しになりますが,頭が大きいものほど適応性が悪いということは,頭が大きくなることが自閉症の本質と関連しているということになりますが,活動性との相関や,才能(天才性)との関連などの検討も必要でしょう.


(文献)
1. Davidovitch M, et al.: Head circumference measurements in children with autism. J Child Neurol 11: 389-393, 1996.
2. Lainhart JE, et al: Macrocephaly in children and adults with autism. J Am Acad Chil Adolesc Psychiatry 36: 282-290, 1997.

表紙にもどる。


ご意見やご質問のある方はメールください。

E-mail: shinji@po.synapse.ne.jp