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白隠禅師の秘術あれこれ
概 略
江戸時代の臨済宗の僧・白隠禅師が禅の修業に励みすぎて。病気になってしまいました。頭はのぼせ、
手足は氷のように冷えきって、心はノイローゼみたいで幻覚さえ見、夜も眠れなくなりました。
そこで、京の山中に住む白幽という仙人を訪ね、養生と病気予防の秘法を教えてもらい、
それを実行してやっと難病を克服できました。
白隠禅師が73歳の時に書いた「夜船閑話」の中でその秘法が紹介してある。それは「内観法」と「軟酥の法」です。
以来禅僧を中心に多くの支持を得て今日にいたる。
師いわく、この方法を何回も根気よく行えば、どんな病気も治せないものはない
その効果が早く現れるか遅いかは行う人の熱意による。
腹 式 呼 吸
色々な分野で言われる 腹式呼吸 を確認しておきましょう。
ポイントは呼吸するとき、意識をヘソの下3センチぐらいに置く(いわゆる丹田を意識する)
まず深く息を吐き出す。体の中の悪いものを全て吐き出す気持ちで、細く長く吐く。
息を吸う。お腹を意識してふくらます。鼻から吸う。舌を上前歯の後ろあたりに置く。
もちろん意識は丹田。なれてきたらこの時肛門を閉める(慣れないうちはいい)
息を吐く。お腹を意識してへこます。口から吐く。舌を元に戻して吐く。意識は丹田のまま。細く長く吐く。
呼吸の間隔は慣れてきたら。1・2・3で吸い、4・5と停めて、6・7〜14・15ぐらいまで吐けたらいい。
(長くゆっくりと吐くことに重きを置く)これが腹式呼吸(順式)の概要である。
気功などで効果のあがる逆腹式呼吸はこの逆で吸うときにお腹をへこまし、吐くときにお腹を膨らます方法で
かなり練習しないとむずかしい。このページの法を行うには順腹式呼吸でいい。
また、腹式呼吸だけでも続ければ、体調の向上などその効果に驚かれるでしょう。
内 観 法
内観法は呼吸器系や神経系や頭痛・不眠などに特に効果を現します。
いつもの生活をしながら実践できるのでチャレンジしてみましょう、時間も無理なく5分でも10分でもOK
静かな所(公園の芝生・ベッドの上・畳の上)で仰向けに寝ます。床はなるべく固めがいい。
@放下着(ほうげちゃく)・・・心の中のモヤモヤをすべて吐き出して心をカラッポにする。
A数息観(すそくかん)・・・ゆっくり横たわり、気持ちよく目を閉じる。手は脇の横に自然に置き。
足は少し開き気味でリラックスする。全身の力を抜く。一回足に力を入れ伸ばし、再び力を抜くとリラックスできる。
ゆっくりと腹式呼吸をする1・2・3と静かに数えながら。丹田に意識を置き、ゆっくりと数える。
B内 観(ないかん)・・・腹式呼吸を続けていると気持ちが落ち着いて来、軽い催眠状態になる。
そこで、静かに思う。
私の丹田は私の心である。私の足腰は私の心である。私の丹田はなんと尊厳なものであろうか、
私の足腰はなんと尊厳なものであろうか。すばらしい!丹田腰脚足心に意識を移しながら称える。
足まで気が通って湧泉(足の心)で呼吸を感じられれば100点満点(まずは60点台から)
軟 酥(なんそ) の 法
一種のイメージ療法である。自分の頭で映像化できれば成功である。出来なくても出来る振りをしよう。
心気の疲労を取り除くに最高である。また気をしずめ、足腰を温め、胃腸を調和し、目や頭をスッキリとする。
一切の邪なものを取り除くに効果あり。「酥」とはヨーグルトかチーズみたいな乳製品を言い想像上の秘薬であるが、
ここでは「やわらかくトロトロしていて、黄金に光り輝き、何ともいえない、いい香りがする」
ものとイメージします。(黄金に輝くバターみたいなものとイメージしてもいいでしょう)
また、体に悪い部分がある人はその悪い部分を物に例えてイメージし(たとえば槍を持った悪玉君とか)、
黄金の軟酥がそこを流れる時にその悪いものも一緒に洗い流していく様をイメージする方法です。
背筋を伸ばしてすわり、軽く目を閉じる。椅子に座ってやってもいい。また病気の人はベッドに寝たままでもOK。
仰向けに寝ている場合は、頭のてっぺんを額の上と考えればいい。さあ静かに腹式呼吸を行いましょう。ゆっくりと
やがて頭の上にボールぐらいの光り輝いていい香りのする妙薬(軟酥)の玉が現れます。
その妙薬はあなたの体温で次第に溶けて行きます。まるで「とろけるチーズ」のようにまろやかに溶け出して、
あなたの頭の中に溜まりはじめます。頭の中も額も顔も金色に光輝いてきます。
あなたの頭の中いっぱいに妙薬が溜まりました。いっぱいになった妙薬は徐々に下へも流れ降りていきます。
鼻や口を降り、のどを降り。下降し始めた軟酥は様々な方向へ流れていきます。
一つは両肩から両腕にかけ隅々まで洗い清めながら、悪い所を洗い流しながら。
ゆっくりと流れ指先からポタポタと地面に流れ落ちます。体の悪いものも一緒に流れ落ちます。
またある流れは、のどから気管支や肺・心臓を洗い清めながらお腹へと。
またある流れは背中を洗い清めながら流れ落ちていきます。
頭からはもうすっかり軟酥が流れだし、頭は爽快感に満ちています。
輝く軟酥は体を包み込み洗い清めながら下降していきます。
感じて下さい。心臓や肺や胃や背中やお腹が金色に輝いているさまを、
その輝きはやがて両足へひざを通り両足の裏から地面に流れ出します。
体の悪いものも軟酥と一緒に地面深く流れ出していきます。
私の体からはすっかり悪い物が洗い流されました。また軟酥も素敵な香りを残して全部地面深く沈んでいきました。
あとには体全身に爽快感が残りました。
ふと気が付くと、
ゆっくりと腹式呼吸をしてリラックスしている自分を、深い眠りから覚めたような充実感あふれる自分を発見します
不思議と体も軽くなり、自然治癒力が動き出した感じがします。真新しい自分に気付くのです。
数回丹田に意識を集中して腹式呼吸を繰返し。両手を数回握り締めて現実に戻り、軟酥の法を終了します。
ゆっくりと終了することが重要です。 ちょっと物足りないと思ったり、短時間で終了した場合は、
もう一度、もっと大きな軟酥のボールが出現して再び体を洗い清めながら下降する様子をイメージするといいでしょう。
みなさんのさらなる健康にお役に立てれば幸いです