風のシルフィード

キングレコードが作ったか発売したかのSFCのソフト。
言うまでもなく風のシルフィードが元ネタの競馬ゲーム。

シルフィードと言うと有名なシューティングゲームがあるようですが、もちろんこれは、それと全然関係ありません。
と言うか紛らわしい上に、最近まで勘違いして自分はこれが名作と騙されていました。
いっそのことゲームの方は「風のシルフィーロ」とかで世に送り出してくださると救われるのですが。

それはともかくゲームの内容の方です。まずはオープニング。
画像パターンの少ないお馬さんがカクカクと走りながら、バックに色々な背景が現れます。
「いっそのことデフォルメしたキャラで作った方が良かったんじゃないのか」
と開発者の方に疑問を抱きかけましたが、オープニングなんていうのはおまけみたいなものです。
「今ならさらにもう一つおまけしてお値段据え置き、ならつけないで半額にしろよ」
と言った突っ込みに応えて、おまけの方は手を抜いたとここは解釈しておきます。

ゲームの方は「ストーリモード」と「VSモード」があります。
まあ普通かなと思わしてストーリーモードはかなり飛ばしてくれています。
目標は全G1制覇と、業界のグローバルスタンダードに準拠しているのですが、
超ローカルルールとして、主人公であるシルフィードが引退するとゲームオーバーです。
主人公代わりまくりのロマサガ2をやった人なら驚きの余り、

ラスボスの戻れないところで間違って今までの所に上書きセーブ。
全員男パーティーでテンプテーションの見切りなし。
たまたま霧隠れを持っていたので二時間以上かけて全員に見切らせる。
術や技は完璧に揃っていたので戦うこと数十分。
「クイックタイムなしで勝てるかも!?」と興奮したところにソールスティール、昇天。

となるかも知れません。意味が判らない人には申し訳ありません。

競馬を少しでも知ってる人ならすぐに判るのですが、当然牝馬クラシックは他のヘボイ馬を出さなければなりません。
「ダビスタみたいに長い間、遊んで欲しくないのか」
と思いましたが、こんなゲームを何度もやることになったら拷も・・・ええっと、忍耐力が備わるのに非常に残念です。

レースの方はファミリージョッキーな感じです。
「これはアレだな。レースでのパラメータの計算をできなかったんだな」
なんてことは決して考えてはいけません。
「タノシーナー、ハヤオ」と言いながらボタンを連打して、バテた馬を無理矢理走らす石油王気分を満喫するためです。
でも本当にこんなことをしたら石油王と言うより妄想王です。

調教の方はボタン一つでポポイッとはいきません。
スピードとかスタミナを上げるためには、毎回ボタン連打などをしたりする必要があった気がします。
気がすると書いたのは、単純にボタンを連打しても何も起きなかったからです。説明書でも見れば判るのですが、そんなものはありません。
こんなことは「どのボタンをどうしろ」と書けば一行で済む事ですからあえてそれを避けた理由はどこにあるのでしょうか。
これを作った人はもしかすると、風のシルフィードで遊んで欲しくなかったのかも知れません。

他にもシルフィードが青かったり、対戦での必殺技はどれも似たり寄ったりだったり、勝ったときの絵がおかしすぎたりと、
こちらのやる気をなんとかして下げよう、どうにかしてこのゲームで遊ばないようにしようという工夫が随所に見られます。

ところでこのゲーム、電源を入れるとタイトルが出て、と言いたいのですが出るのに3秒くらいかかります。
3秒、この間をどのように利用すれば開発者の気持ちに応えることができるでしょうか。
このあいだ読んだ本によると、禁煙の方法としてタバコを吸いたくなったらとりあえず3つ(5つだったかも)数えてから吸えとありました。
「いーち、にーい、さん」とする間に、不思議とタバコを吸いたいという衝動が消えるそうです。
風のシルフィードをやりたくなったら、3つ数えてからゲーム開始。不思議とゲームをやりたいという衝動が消える・・・。

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