交通事故


パワプロのサクセスと言えば交通事故です。
ただし、交通事故と言ってもサクセスにはならないのが難しいところです。
トラックにはねられるのがサクセスストーリーだとすれば、
武田鉄矢も「僕は死にまーす!」と言ったでしょうに。

それはともかく交通事故の歴史は古く、
サクセスが産声を上げると同時に、
この世に生を受けました。

時代の寵児たるサクセスの一方で、
生まれながれの鬼っ子として石を投げられ続けていました。

言わば光と影。

でもそこはそれ。いつの世もふたつは表裏一体。

「クレープのないコーヒーなんて」

の感覚で、製作者サイドとしては

「交通事故のないサクセスなんて」

とか、思ってるかもしれません。
変に長く続いたりするとひっこみがつかなくなるし、
妙なこだわりを持ってるかもしれません。
誰でもいいから「うぇっ、これ入れるとまじぃ!」と気付いてください。

まあここでいくらグチっても、
これからも交通事故はイベントに入れられ続けると思うので、
あきらめるしかないでしょう。
そうしていかに自分がひどい目に遭ったかということを
人に話すのがお約束であり、予定調和なのかもしれません。

交通事故イベントというのはこの上なく不条理なイベントです。
ダイジョーブの手術みたいに自分で選択したわけでもないし、
操作ミスをしたとかこちらに落ち度はまったくないのです。

RPGで全滅すれば、ボスの方が一枚上手だったから、
LVが低かったから、作戦が悪かったからと、
論理的な帰着のもとに、自分を納得させることができます。

むちゃくちゃに言われるたけしの挑戦状だって、
死ぬのにはきちんとプログラムされた理由があります。

それが単純な確率だけで、
殺しにかかってくるんだからたまりません。
アクションやシューティングのように、自分の技術でもどうにもなりません。
いかにサクセスが危険な綱渡りをしているかがわかります。

その分、無事にいい選手を作ることができると、

「やった、やった!へっ、ざまぁみろ!」

というような気分が湧いてきます。

もうこうなるとやってる人は楽しむことよりも、
プログラマとコンピュータがしかけた陰険な罠を
クソがつくような根性、執念、怨念、復讐、恨み、怒りといった
負のパワーで無理矢理ねじふせなければなりません。

これじゃあ、なんのためにゲームをやってるのかわかりません。
もっと軽い気持ちでプレイできるとうれしいんですけどね。



主人公「ここの信号(中略)うわぁぁぁ・・・!」

ピーポーピーポーと救急車で運ばれる。

医者A「急患です!」

医者B「患者の状態は!」

A「それが出血が激しくて、いますぐ輸血の必要があります!」

B「そうか。君、彼の血液型は何かね!?」

A「そうですねぇ。この格好の適当さから見てO型じゃないですかねぇ」

B「いやいや。これでいてなかなかきれいにしてるじゃないか。
  私はA型だと思うんだがねぇ。いや、待てよ確か・・・」

A「どうしたんですか?」

B「うん、そうだ。今朝の占いでB型の運勢がきょうは最低だったはずだ!」

A「じゃあB型の血を輸血しますか」

B「いや、念のため星座も聞いておこう」

A「君、何座かね?」

主人公「も、もうダメだ・・・(ガクッ)」

A「あ、呼吸が停止しました」

B「それはまずいなぁ。だいたいここって献血センターだし。
  じゃあちゃんとした病院に移すか」

で、病院に移されたところ。

A「(コンコン)急患でーす。誰かいませんかー?」

看護婦「はい、何ですか」

A「実は車にはねられたらしくて」

看護婦「ウチは今は内科しかやってないんですけど・・・。一応やってみましょう」

A「大丈夫ですかねぇ」

看護婦「先生・・・実は・・・あ、そうですか・・・。いいそうですよ」

A「この部屋にいるのかな」

医者C「はい、大きく息を吸ってぇ。はい、吐いてぇ」

B「なんだ、まだ診察中なのか?」

C「よ、よ、よ、ようし。お、お、お、落ち着けよ、オレ」

B「なんだかかなりダメ臭いんだけど」

看護婦「いえ、先生は極度のあがり症ですが腕は確かです」

A「とすると昔は手術なんかもやってたんですか?」

看護婦「ええ。ただ、本番に弱いところがありまして」

C「じゃ、じゃあ、しゅ、手術をはじめるんだけど・・・(プルプルプル、カチカチカチ)」

B「おい、手が震えてるぞ」

看護婦「いえ、心配ありません。ささ、先生どうぞ」

C「よし。いっちょやったろうじゃないの!わはははは!」

A「急にシャキっとしましたねぇ。なにしたんですか?」

看護婦「ほんの1升ほど焼酎を」

B「そりゃアル中じゃねえか!」

看護婦「で、でも腕は確かですよ!」

A「あ、はじまりましたよ」

C「うーん、これはまずいな。正確かつ迅速な処理が今すぐ必要だな」

看護婦「ね、ね、大丈夫っぽいでしょ?」

C「(心臓を指さしながら)これはまずいな。非常にまずい」

A「なにかあったんでしょうかね」

C「ここから出てる・・・この赤の線と青の線、どちらを切るべきか・・・」

看護婦「ただちょっと、最近は妄想癖も出てきて・・・」

B「まるっきりダメじゃねえか!」

C「よし!赤の線だ!(プチン)やった、止まったぞ!わはははは!」

A「あ、心臓が停止しました」

B「と、とりあえず血を止めないと」

看護婦「はい、元栓をしめました!」

B「そんな水道じゃあるまいし、って、首しめてもダメだろ!」

主人公「(ああ、思えば短い人生だったなぁ。小学校のころは野球をしたな。
     中学校でも野球をしたな。オレの人生野球ばっかりだったな。
     ・・・そういえば部屋にアレを出しっぱなしだったぞ。
     あ、あれを見られるのは・・・。ま、まだ死ねないぞ!)」

・・・

主人公「(ガバッ!)あれ、ここは?」

看護婦「あ、気がついたんですね。1週間も意識が戻らなかったから、
    お見舞に来られた方も大変心配されてましたよ」

主人公「1週間!?誰がお見舞に来たんですか?」

看護婦「ご家族の方とか、野球のユニフォームを着たメガネをかけた人とか」

主人公「オレが寝てる間はどうしてたんですか?」

看護婦「お見舞に来てたけど・・・そう言えば部屋を片付けるとか、
    こっちに来てるあいだはあなたの部屋に泊まるとか言ってましたねぇ」

主人公「ええっ!?」

そこで病室の扉がガチャリ。

矢部君「いやぁ、主人公君。アレだったらオイラに言ってくれれば良かったのに(ニヤニヤ)」

そのほかの人「まさか主人公君がねぇ・・・」

看護婦「あれ、主人公さん!?主人公さん!?」


なぞなぞです。

Aさんが病院に行くバスをまちがえて、
美容院に行くバスに乗ってしまいました。
さらにまずいことに、そのバスは大事故を起こしてしまいました。
果してAさんは無事だったでしょうか。
※答えはこの下

答え.Aさんは「びょういん」じゃなくて「びよういん」に行った。
   よって「医者(いしゃ)」じゃなくて「石屋(いしや、墓石屋)」が来た。
   つまり即死だった。


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